[配布資料]
独占禁止法に関する相談事例集(令和元年度)について(令和2年6月23日公表資料)
[発言事項]
事務総長会見記録(令和2年7月8日(水曜)13時30分~於審判廷)
独占禁止法に関する相談事例集(令和元年度)について
本日,私からは,まず,令和元年度の独占禁止法に関する相談事例集についてお話しいたします。
公正取引委員会は,事業者や事業者団体が新たな取組を実施しようとする際,そうした行為が独占禁止法上問題になるかどうかについて,事前に相談に応じています。令和元年度では,このような相談の件数は2,038件で,このうち事業者からの相談が1,870件,事業者団体からの相談が168件でした。
公正取引委員会は,こうした相談の中から,相談者以外にも参考になると考えられる主要なものを選んで相談事例集として取りまとめ,毎年公表しています。
今年は,6月23日に令和元年度の相談事例集を公表いたしましたが,この令和元年度の相談事例集では,専門工事業の事業者団体からの働き方改革に関連する相談や,銀行2社による店舗外ATMの設置拠点の統廃合と相互開放に関する相談など,12件の事例を紹介しています。
また,公正取引委員会のウェブサイト上では,令和元年度分を含め,これまでに公表した相談事例集に収録されている300件以上の事例につきまして,年度別だけでなく,行為類型別や産業別にも掲載しておりまして,これらを閲覧できるようになっております。
事業者や事業者団体の皆様を含め,多くの方々が相談事例集を参考にしていただくことで,独占禁止法に関する理解が一層深まり,独占禁止法違反行為の未然防止が図られることを期待しております。
本件の担当は,取引部の相談指導室です。
質疑応答
(問) 相談件数が昨年から結構増えていて,特に優越的地位の濫用に関する相談が2倍とはいかないものの,それに近い数字になっているんですが,この相談件数というのは増加傾向にあるものなのかというのと,この増加について何か理由みたいなものがあれば教えてください。
(事務総長) 最近の相談件数は,そんなに増加傾向にあるというわけではないですが,昨年度については優越的地位の濫用に関する相談が増えているという傾向はあります。
優越的地位の濫用に関する相談が増えている理由ですが,これは相談で我々が何か働きかけをしているわけではないので,はっきりした理由は完全には分からないんですけれども,政府の中小企業対策の中で優越的地位の濫用という話も出ていますし,優越的地位の濫用の話は中小企業対策だけではなくて,いろいろな分野,プラットフォームにしろ,フリーランスにしろ,芸能人,人材にしろ,いろいろなところで登場していますので,そういうことで優越的地位の濫用というものが広く周知されて,事業者の優越的地位の濫用に関するコンプライアンスの意識も高まってきたということが影響しているのかなと想像はしております。
以上