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令和2年7月15日付 事務総長定例会見記録

令和2年7月15日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

[発言事項]

事務総長会見記録(令和2年7月15日(水曜)13時30分~於審判廷)

協同組合等における独占禁止法コンプライアンスに関する取組状況について

 本日,私からは,6月25日に公表いたしました「協同組合等における独占禁止法コンプライアンスに関する取組状況」についてお話しいたします。
 公正取引委員会は,独占禁止法違反行為を未然に防止し,競争環境を整備していく観点から,これまで各種のガイドラインを作成したり,実態調査を実施することで独占禁止法上の考え方を明確化するとともに,発注機関に講師を派遣して独占禁止法や官製談合防止法に関する説明を行ったり,企業や発注機関等に対するコンプライアンス調査を実施することにより,コンプライアンスの推進を図ってまいりました。
 コンプライアンス調査では,企業等における独占禁止法コンプライアンスに関する取組状況を把握して,それを踏まえて改善に向けた方策を提示しておりまして,これにより,企業等における独占禁止法コンプライアンスの向上を支援してまいりましたが,依然として,組合における独占禁止法違反事件等が発生していることを踏まえまして,今般,組合における独占禁止法コンプライアンスの促進を目的としまして,本調査を実施いたしました。
 この調査の結果によりますと,独占禁止法コンプライアンスに関する取組を行っている組合は4割強でありまして,取組を行っていない組合が多く見られました。取組を行っていない理由についてもアンケートでは尋ねているわけですけれども,問題が発生しないことを挙げる組合が多く見られました。一方,人員の不足や予算の制約により取り組む体制にないことや,専門知識がないことを挙げるものも見られました。また,組合ごとに事業内容や取り組む環境が異なっておりまして,取組を行う必要性の度合いも区々であると考えております。
 本調査の結果を取りまとめた報告書では,コンプライアンスに関する各種の取組を掲載していますけれども,このような状況にあることから,全ての組合で一律に本報告書で紹介した取組の全てを行う必要があると考えているものではありません。
 本報告書には,既に取組を行っている組合の取組例でありますとか工夫した点についても数多く掲載しておりますので,これらを参考にしていただいて,着手しやすいものから順次,無理のない方法で取組を進めていっていただければと考えております。
 公正取引委員会としましては,独占禁止法違反行為を未然に防止し,競争環境を整備していく観点から,コンプライアンス調査の実施や各種ガイドラインの策定,相談への対応や相談事例の公表,独占禁止法の内容全般の周知に努めまして,今後も企業等のコンプライアンス活動を支援する取組を引き続き積極的に行っていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

(問) 先週,マイナミ空港サービスに対して公正取引委員会が排除措置命令を出しましたが,会社の方は,今後,訴訟の場で主張を展開していくというようなステートメントをリリースしております。この件について,マイナミのほうから公正取引委員会に,何か返答であるとか提訴などがあったか,教えてください。
(事務総長) 次の段階に行くまでの期限というのはまだしばらくあると私は理解しており,まだ次のことがあったとは聞いていないので,まだ現れる動きとしてはないものと思っております。
 公正取引委員会としては,この排除措置命令の事実認定ですとか法令の適用,それに基づいて主文で求めている排除措置につきましては,十分な証拠に基づいた適切なものであると考えております。今,御指摘の同社の報道発表の中で,「排除措置命令に対しては,粛々と受け止め必要な対応は執ります」とありますけれど,このとおり,まずは,この排除措置命令で求めた措置をきちんと採っていただくということになります。
 また,同社の報道発表文には,今,御指摘ありましたとおり,「当社は,同委員会の主張を是認する考えはなく,今後は訴訟の場において」云々と書かれているわけでございますけれども,この排除措置命令につきましては,事実関係も含めて公正取引委員会の考え方を事業者側に十分に説明しており,また,事業者側は,公正取引委員会が認定した事実を立証する証拠を見ておりますので,公正取引委員会からのこうした説明でありますとか証拠,これらを踏まえて十分に御検討いただき,その上で,今後の対応についての最終的な結論を得るようにしていただければと考えています。
 もちろん,本命令に対して,取消訴訟が提起された場合には,裁判所での手続の中で,公正取引委員会の事実認定や法令の適用などについて,法律と証拠に基づいて,しっかりと主張していきたいと考えています。

以上

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