[配布資料]
第215回 独占禁止懇話会の議事概要の公表について(令和2年7月22日公表資料)
[発言事項]
事務総長会見記録(令和2年7月29日(水曜)13時30分~於審判廷)
独占禁止懇話会第215回会合議事概要について
本日は,私からは,本年6月30日に開催しました,第215回独占禁止懇話会の概要と下請法等の普及・啓発に関する取組についてお話しいたします。
まず,第215回独占禁止懇話会ですけれども,独占禁止懇話会は,我が国経済の著しい変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため,公正取引委員会が広く各界の有識者と意見を交換し,併せて競争政策の一層の理解を求めることを目的としまして,昭和43年11月以来開催しているものでございます。
今回の開催に当たりましては,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から,3密を避けるため,一般傍聴は行わず,また,座席の間隔を空け,確か間にも立てて,それと出席者も絞るとともに,一部の会員の方々についてはオンラインで御参加いただきました。
今回の独占禁止懇話会では,3つのテーマについて,会員の方々から御意見等を頂きましたけれども,これらの内容につきましては,7月22日に公表いたしましたお手元の議事概要,これを御覧いただければと存じますが,その中から幾つか御紹介いたします。
1つ目のテーマの「フィンテックを活用した金融サービスの向上に向けた競争政策上の課題について」では,例えば,銀行とシステムベンダーとの取引構造について,このような形で透明化することは非常に大事である,また,キャッシュレス化の推進に当たっては,銀行間手数料も含めコストの高さが課題になっており,引き続きしっかり取り組んでもらいたいなどの御意見を頂きました。
2つ目のテーマであります「デジタル・プラットフォーム事業者の取引慣行等に関する実態調査(デジタル広告分野)について(中間報告)」では,デジタル広告市場の外観やビジネススキームが明らかになったことは大変意義がある,また,デジタルプラットフォーマーが消費者に対して,利用規約等を分かりやすく伝える工夫や契約内容を丁寧に説明することを促進してもらいたいなどの御意見を頂きました。
3つ目のテーマであります「飲食店ポータルサイトに関する取引実態調査について」では,消費者の選択という観点からは,今回の報告書は大変意義がある,透明性の確保が重要であるため,引き続き適切な対応を進めてもらいたいなどの御意見を頂きました。
公正取引委員会といたしましては,今回,いただきました御意見等も十分に踏まえまして,今後とも,競争政策を有効かつ適切に推進してまいります。
本件の担当は,経済取引局の総務課です。
下請法基礎講習会のe-ラーニングについて
次に,下請法等の普及・啓発に関する取組についてお話しいたします。公正取引委員会では,企業間取引の公正化を目的としまして,下請法と優越的地位の濫用規制に係る違反行為,これを未然に防止するため,各種の講習会を開催しております。今般,新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中で,下請法基礎講習会というのをいつも開いておりますけれども,これへの参加を見合わせる事業者の方々もいらっしゃいますので,基礎知識の習得を希望する方々を対象とした下請法基礎講習会自体に参加しなくとも,下請法等の基礎知識を習得できるよう,下請法基礎講習会の内容を動画や資料にまとめましたe-ラーニング教材を作成して,公表いたしました。
下請法基礎講習会への参加は難しいと考えている事業者の皆様におかれましては,是非このe-ラーニング教材を御活用いただければと考えております。
本件の担当は取引部の企業取引課になります。
私からは以上でございます。
質疑応答
(問) e-ラーニングの教材の方なんですけど,この基礎講習会自体は今も実際に開催されているのかということと,こうした教材を作るのは初めてかどうかというのを教えてください。
(事務方) 担当の企業取引課からお答えさせていただきます。基礎講習会は従来,通年でやっておりましたが,今年の4月以降,緊急事態宣言が出たことも踏まえ,開催を延期しておりました。7月になってから,これまで開催を延期したものも含めて,講習会を再開したところです。なお,コロナウイルス対策ということで,例えば,参加人数を絞るですとか,参加者の座席の間隔を空けるですとか,そういった対策を徹底した上で実施しているところです。
また,教材については,一般的な下請法を学ぶような動画等は既にアップしているものがありますが,基礎講習会の内容を動画にしたのは初めてです。
(問) 今日,先週発表したデジタル研究会の初会合が開かれたと思うんですけれども,紹介できる範囲で,どういった議論が交わされて,まだ1回目なんですけれども,方向観など見えてきているものがあったら御紹介いただければと思います。
(事務総長) 御指摘のとおり,本日,午前に開催をいたしております。デジタル市場における公正取引委員会のこれまでの取組ですとか,それから,当面のテーマについては前回も申しましたが,「アルゴリズム/AIと競争政策」,これに関して御議論いただくことが考えられる論点の案とか,そうしたことについて,事務局でありますデジタル市場企画調査室のほうから説明をし,議論が行われたと聞いております。
ただ,午前に開いたばかりでございますので,まだ私は完全にこの会議自体の内容については報告を受けていないので,詳細は承知しておりませんが,この第1回の研究会の議事次第や資料はもう既にウェブサイトに公表していて,御覧いただけるかと思います。また,議事要旨も今後,ウェブサイトで公表されますので,そちらを御覧いただければと思いますし,また,担当はデジタル市場企画調査室ですので,そちらのほうにも必要であればお問い合わせいただければと存じます。
なお,前回,座長は誰ですかという質問もありましたが,今日の会合で,東京大学経済学研究科の柳川範之教授に座長をお願いしたと聞いております。
以上