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令和3年3月31日付 事務総長定例会見記録

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[発言事項]

事務総長会見記録(令和3年3月31日(水曜)13時30分~於大会議室)

デジタル市場における競争政策に関する研究会 報告書「アルゴリズム/AIと競争政策」について

 本日,私からは,デジタル市場における競争政策に関する研究会報告書「アルゴリズム/AIと競争政策」についてお話しいたします。
 近年の技術の進展により変化の激しいデジタル市場におきましては,競争政策を適切に推進することが一層重要であります。特に,アルゴリズムやAI(人工知能)は,デジタル市場におけるイノベーションのプロセスの鍵となる技術でありまして,事業活動を効率化させるなど社会に大きな便益をもたらしております。一方で,アルゴリズムやAIを利用した反競争的行為について,海外当局が措置を講じた事例も出てきておりまして,日本におきましても,アルゴリズム/AIと競争政策を巡る課題・論点を検討する必要性が高まってきていると,このような認識の下,公正取引委員会では,昨年7月以降,東京大学の柳川範之教授を座長といたします,「デジタル市場における競争政策に関する研究会」を開催しまして,アルゴリズム/AIと競争政策について検討を行ってまいりました。このたび,この研究会の報告書,「アルゴリズム/AIと競争政策」が取りまとめられました。
 本報告書は,アルゴリズム/AIがもたらす事業環境・競争環境の変化を整理いたしますとともに,関連する競争政策上の課題や論点について理論的な検討を行った結果を取りまとめたものです。
 具体的には,本報告書では,現時点で競争に重要な影響を与え得ると考えられるアルゴリズム/AIとして,第1に価格調査や価格設定のアルゴリズム,第2にランキング,第3にパーソナライゼーションの3つを取り上げて,それぞれについて,アルゴリズム/AIによってもたらされる変化や,想定される競争政策上の課題や論点を整理しております。
 例えば,eコマースの進展などに伴い,事業者において,競争事業者の価格を調査したり,自社の商品の価格を自動で設定したりするためにアルゴリズムが用いられるようになっておりますけれども,これらのアルゴリズムの利用の仕方によりましては,競争事業者間の協調的な価格設定,つまり,競争事業者間のカルテルのような状況につながるのではないかといったことが懸念されております。報告書では,アルゴリズムの使い方によって,カルテルと同じような状況になる場合を整理した上で,それぞれについての独占禁止法上の考え方を示しております。
 また,アルゴリズム/AIの競争力を支え得る要因といたしまして,データやAIを支える技術階層という観点から整理を行いましたほか,これら本報告書で取り上げた論点とデジタルプラットフォームとの関連についても整理いたしました。
 本報告書は,日本におきまして初めて,アルゴリズム/AIと競争政策を巡る課題・論点について横断的な検討を行い,その結果を取りまとめたものでありまして,公正取引委員会のデジタル分野の知見向上に資するとともに,公正取引委員会がアルゴリズム/AIに関連する競争上のリスクに適切に対処するための基礎を提供するものであります。公正取引委員会といたしましては,本報告書を参照しながら,デジタル市場における今後の法執行や政策運営,これらを進めていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

(問) 報告書をまとめられたことは意義があると思うんですけれども,今回の報告書の中で,特にアルゴリズムと協調的行為のところで4つのタイプが書かれていて,事務総長がおっしゃったように,割と理論的な検討だったのかなと思うんですが,例えば,日本において実態がどうなっているか,ハブアンドスポーク型の同じベンダーからアルゴリズムの提供を受けている事業者がどういうふうな状況なのかとか,あとはシグナリングとかはその場にいないと見るのが難しいのかもしれませんけれども,日本の国内の実態と公正取引委員会がこういったテーマについて,どこまで外からやり得るのかということについて,ちょっと教えてください。
 日本の市場というのは,この協調的な価格の話だけでなくて,これまでのeコマース等の調査でも,ランキングの問題等は既に指摘されてきているかと思うんですが,ここに書かれている報告書の,日本の市場の状況について教えてください。
(事務総長) いわゆるデジタルカルテルについて,御指摘あったように4分類をして検討しております。現に何か具体的な問題が起きているというわけではなく,何かそういう情報を得た上で検討したということではないと認識しております。4番目の自己学習アルゴリズムによる協調的行為,これについて,いわゆるカルテルというものは,事前に意思の連絡をして,その上で例えば価格引上げをするというようなことが問題になるわけですけれども,この自己学習アルゴリズムについては,理論的には,そうした意思の連絡がなくても,競争上の問題のある結果が出る可能性がある,そういう理論的な経済分析の結果というものが示されているということを前提にした上で,ただ,現実にこれを使っているという状況にはないんじゃないかというのが現状の認識です。それから理論ではそうかもしれないけど,現実の市場で本当に自己学習アルゴリズムが協調的行為までしてしまうのかということはまだ分からないことでして,議論の前提となる事例とか経験の蓄積,それがまだ今十分でない状態なので,今後,現実の実現可能性とかその条件,技術の動向をよく見ていきましょうと,現実にどうかということも一定程度考慮した上で検討しているものと認識しています。
 また,御指摘のあるように,デジタルカルテルと,ランキング,それからパーソナライゼーションと3つ挙げておりますが,具体的に,外国の事例を含めて実際事件になり,かつ,問題点として懸念が指摘されているのはランキングのところだと思います。ここについては,現状をより踏まえた上で検討されているものと認識しております。

(問) ちょっと確認なんですけども,その自己学習についてはまだあまり使われてないと確かに書かれていると思うんですけれども,同じベンダーから買っているかどうかは,事業者に聞けば分かるんじゃないかなと思いますし,それと,あとシグナリングはもうやっているんじゃないかと消費者の感覚としては感じますけども,これについてはどうなんでしょうか。また,要するに明確な意思のコミュニケーションがなくても,意思の通信・連絡というのは認められるんじゃないかというふうに書かれているのかなと理解したんで,ちょっとそこのところ,御説明お願いします。
(事務方) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 自己学習アルゴリズム以外の実態がどうなのかというところなんですが,今回は研究会の報告書ということで,実態調査とは異なりますので,そもそも実態を調査したものではないというところについては多分御理解いただいているかと思いますけれども,御承知おきいただければと思います。
 あくまで理論的整理といたしまして,海外で行われている事例ですとか,そういったものを踏まえて,思考の枠組みのようなものをここで示して,公取がこういった市場を見ていくという視点のようなものを整理いただいたというふうに理解をしております。

(問) この報告書の中では複雑なアルゴリズムの立証とか,実際調べていくには,やっぱり外部専門家との連携とか内部職員の育成,知見の収集などが必要とされています。今後こういうものに対処していく上で参考になるものだとおっしゃっていましたけれども,改めてこの報告書の内容をどういうふうに公取の執行に活用していくかというのをお聞かせください。
(事務総長) 今回,このアルゴリズムとかAIというものについて競争上どういう問題が起きるか,起きないかということについては諸外国でもいろいろ議論があり,研究も行われてきておりまして,OECDとかICN,それからイギリスとかドイツ,フランスなども報告書を出しております。
 日本では,先ほど申しましたように,これまで横断的な検討がされておらず,また,特に日本語で,こういうふうにまとまった報告書が出てなかったと思います。今回,経済学とか競争法・経済法だけじゃなく,工学,情報法とかデジタル分野の実務に詳しい方とかいろんな方に入ってもらいまして検討していただきましたので,現時点で,このアルゴリズム/AIを巡る競争上の問題というのがどのようなものなのかということについて整理できたと思います。
 報告書には,いろいろ書いてありますけれども,先ほども出てきましたが,いわゆるデジタルカルテル,それとランキングとパーソナライゼーション,特に先ほど出た自己学習アルゴリズムの部分,これは今,現実にどうかということがちょっと疑問なので様子を見ましょうということを除けば,それ以外の,現状で何かあり得るだろうということについては,現行の法律でまず対応できるだろうという結論を出していただいているということです。あとは,こういう事実があれば,公正取引委員会は対応できるものと考えております。したがって,報告書を出すことによって公正取引委員会としての知見が高まりましたし,また,こういうことをもしやれば問題なんだということが分かっていただければ,これまでも実態調査報告書等でよく申し上げておりました未然防止と違反の取締りの両方の役に立つという意味で非常に有意義な報告書かと思っています。
 もちろん,これは研究会の報告書ということでございまして,正式には公正取引委員会の見解ではないわけですけれども,報告書に書いていることと公正取引委員会の考えていることが根本的に違うということではもちろんございませんので,公正取引委員会もこれを参考にして,今後,法執行とか政策運営を行っていくことになろうかと思います。

(問) 冒頭おっしゃったように,デジタル化の進展に伴っていろいろなサービスや技術が生まれて世の中も変わっていく中で,こういった変化に対する懸念ですとか,競争環境を確保するために,そういう時代の移り変わりが早い,加速への懸念というものは今あるんでしょうか。ちょっと率直な御意見を伺えればと思います。
(事務総長) 基本的にはこの報告書でも書いておりますとおり,アルゴリズムとかAIは,消費者だけではなくさまざまな事業者にもプラスの効果があるということであります。
 ただ,プラスの効果があることはいいことなんですが,その一方で,何事もそうですが,新しい技術が出てくると,それをベースにした競争制限行為も過去行われてきたことがあります。それは,技術の変化,社会の変化に伴って様々なところで出てきていますので,特に,デジタル分野は変化が激しい分野でございますから,それに公正取引委員会もきちんと追いつかなきゃいけないと考えております。
 今回,検討していただいた研究会というのも,そうした新しいデジタル分野における新たな懸念というものを有識者の専門的見地からしっかり検討してもらって,改めて,公正取引委員会としても対応できるようにしておこうということでございます。
今回,アルゴリズム/AIという分野を取り上げて検討して,報告書を作っていただき,取りまとめられました。今後,何をするかというのは未定なんですけれども,これで,この研究会が終わりというつもりではございませんので,また新たな課題についてさらに問題が起こる前に,きちんと問題点を掴むよう努力していきたいと考えております。

(問) 昨年の7月に,この研究会の第1回の会合のときに,公取からいくつか論点の提示があったと思うんですけれども,その中でAIを活用した競争制限を当局はどう立証できるかという,どちらかというと法執行に向けての課題とか,そういったところも論点であったと思うんですけれども,報告書を見ていると,どちらかというと,理論的な体系であって,どう立証していくのかとか,そのための具体的な技術とか,そういったところの指摘は少ないように感じるんですけれども,その辺はどういうふうにまとめられているんでしょうか。
(事務総長) アルゴリズム/AIを巡って,どういう競争上の問題があるかということを取り上げて検討しておりますが,それをどう見つけるか,当局としてどういう知識が要るか,例えば,アルゴリズムがおかしいというものをどういうふうにして発見していくかということも,実はこの中で,インプットとかアウトプットを比較するとか,そういう方法が幾つかありますよという御指摘もいただいております。
 ですから,そういうことも公取としては活用できると考えております。
(事務方) おおむね,今,事務総長から申し上げたとおりではございますけれども,ランキング操作のところで,公正取引委員会のような競争当局が,どのようにアルゴリズムの動作を検証していくかのところについて,今回,研究会で御議論いただいた結果というものを取りまとめてございます。
 こういった議論は,海外の報告書などでも触れられているところでございまして,研究が進んでいるところでございます。今後,私どもも海外当局と,いろいろ情報交換とかもしながら,こういった知見の向上にも努めてまいりたいと考えてございます。 (事務総長) デジタル分野は専門性が非常に高い分野でございますので,特に外部の専門家との連携ということが重要かと考えておりまして,これは指摘もいただいておりますが,外部の専門家と連携するということと,それから,外部の専門家の方の知見とか指摘とか発言を,職員が理解できないといけませんので,そういう意味でも,職員の能力向上のための研修の充実と,そうしたことにも今回の報告書を受けて,取り組んでいきたいと考えております。

(問) 今後のお話として,今までプラットフォーマーとか,デジタル広告ですとか実態調査をされてきて,今回はアルゴリズム/AIの外延的整理を行ったところで,結構,論点となるような分野って割とやってこられたかと思うんですが,今後はこういった調査とか検討の対象となるような分野はどんなものがあると想定されているのかを伺いたいのが1点と,あと,今回の調査は理論的な整理であるので,実際にどのように使われているのか分かっていないということで,今後,AI,アルゴリズムに関して,実態調査とかを行っていかれる考えはあるのでしょうか。
(事務総長) 御指摘のとおり,デジタル分野については,実態調査を進めるということと,それからこうした研究会で理論的な検討をするという,現状二本立てで進んでおります。
 実態調査をやってきた分野というのは,事業者の方々の具体的な懸念や指摘といったものが実際にある分野だったわけでありまして,そういうものについては,現状の実態をきちんと調べた上で,独禁法上の,競争政策上の考え方を明らかにするということをやっております。
 一方,このアルゴリズム/AIは,実態が現にあるというよりは,理論的な可能性があるかもしれない,議論が先行していた分野でありますので,まずは公正取引委員会自身がその業界実態を調べるというよりは,有識者に集まっていただいて,理論的検討を先行してやっていただいたということかと思います。ランキングについては,実態調査報告書の方でも指摘をしているわけですけれども,それ以外の分野について,仮に,今後,具体的な懸念,実態があるんじゃないか,問題があるんじゃないかというような指摘が出てくれば,それは実態調査を行う候補になり得ると思いますが,まだちょっと現状ではそういう話にはまだ至っていない気がいたします。それが現状の認識でございます。

以上

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