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令和3年9月29日付 事務総長定例会見記録

令和3年9月29日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

[発言事項]

事務総長会見記録(令和3年9月29日(水曜)13時30分~Web会議形式により開催)

第16回東アジア競争政策トップ会合,第13回東アジア競争法・政策カンファレンスの開催について

 本日,私からは2つのことについてお話しいたします。
 まず,第16回東アジア競争政策トップ会合と第13回東アジア競争法・政策カンファレンスの開催についてです。
 第16回東アジア競争政策トップ会合が,昨日9月28日に,オンライン形式により開催されまして,公正取引委員会からは古谷委員長,山本委員ほかが出席いたしました。
 また,本日9月29日に,第13回東アジア競争法・政策カンファレンスがオンライン形式により開催されておりまして,公正取引委員会からは古谷委員長,山本委員ほかが出席しています。
 東アジア競争政策トップ会合は,東アジア地域等の競争当局のトップ等が一堂に会して,最近の活動状況や今後の課題等について率直な情報・意見交換を行う場といたしまして,公正取引委員会の主導により,平成17年に初回が開催されました。
 本会合は,新型コロナウイルス感染症の影響により延期となった昨年を除きまして,平成17年以降,これまで毎年開催されています。
 また,東アジア競争法・政策カンファレンスは,競争当局に加え,学会,産業界等からの出席者を交えて,競争法・政策に係るプレゼンテーション,質疑応答等を行うことにより,東アジア地域等における競争法・政策の重要性に関する共通の理解を構築することを主な目的としまして,公正取引委員会の提唱により,平成16年に始まりました。
 なお,東アジア競争法・政策カンファレンスは一般に公開されておりまして,今回はオンライン方式による開催ということもありまして,より多くの方々が傍聴しています。
 東アジア競争政策トップ会合と東アジア競争法・政策カンファレンスは,当初よりホスト国競争当局と公正取引委員会,そしてアジア開発銀行研究所の3者による共催で開催されています。今年はシンガポールがホスト国を務めまして,両会合として初の試みとしまして,オンライン形式で開催されました。東アジア競争政策トップ会合には東アジア地域等の16の競争当局のトップ等が参加いたしました。そして,東アジア競争法・政策カンファレンスには,東アジア競争政策トップ会合の出席者に加えまして,産業界や学会の関係者等が参加しています。
 東アジア競争政策トップ会合では,2つのテーマの下,各国から報告が行われた後,意見交換が行われました。1つ目のテーマは,「最近の競争法の進展・動向として,新型コロナウイルス感染症は競争法の執行にどのような影響をもたらしたか」,そして,2つ目のテーマは,「ポストコロナ時代の競争法・政策の展望として,危機の長期化による競争法及び執行に与える影響」,この2つであります。
 公正取引委員会からは,古谷委員長によるオープニングリマークスに続きまして,山本委員が1つ目のテーマに関して,新型コロナウイルス感染症に関連した公正取引委員会の取組等を説明いたしました。
 東アジア競争法・政策カンファレンスでは,「技術の進歩が競争政策・競争法に与える影響」のテーマの下,「データ・サイエンスの進展が競争法の執行にもたらす影響」と「デジタル市場における競争法の執行」の2つのトピックについて,プレゼンテーションや質疑応答が行われています。
 なお,講演者の1人であります京都大学大学院法学研究科の和久井理子教授は,公正取引委員会の「デジタル市場における競争政策に関する研究会」にも御参加いただいている方です。
 公正取引委員会といたしましては,本会合が東アジア地域等の競争当局間の協力関係の構築や,東アジア地域等における競争政策に対する理解の促進のために非常に良い機会であると考えておりまして,引き続き,積極的に貢献し続けていきたいと考えております。

「不当なしわ寄せに関する下請相談窓口」のフリーダイヤル化について

 続いて,「不当なしわ寄せに関する下請相談窓口」のフリーダイヤル化についてです。
 公正取引委員会は,本年9月8日,最低賃金の引上げ等に伴い,買いたたき,減額,支払遅延などといった中小事業者等への不当なしわ寄せが生じないよう,取引の公正化を一層推進するため,この9月に,「価格交渉促進月間」における活動の一環として,「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を公表いたしました。
 このアクションプランにおきまして,取引先から不当なしわ寄せを受けるおそれのある中小事業者等から下請法に関する相談を受け付ける「不当なしわ寄せに関する下請相談窓口」を設置いたしましたけれども,10月1日から,今週の金曜日ですけれども,この相談窓口をフリーダイヤル化することになりました。
 このフリーダイヤルの電話番号は,「0120-060-110」です。この電話番号におかけいただきますと,公正取引委員会の本局又は地方事務所等の相談窓口につながりまして,無料で電話相談を利用することができます。
 公正取引委員会といたしましては,「中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」を着実に実行していきますとともに,今後も引き続き,取引の公正化を一層推進するため,更なる取組を検討・実施してまいります。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 質問が2点あります。まず1点目なんですが,昨日,今日と行われている東アジア競争政策トップ会合とカンファレンスについてなんですが,昨日のですね,東アジア競争政策トップ会合のテーマが,コロナが競争法の執行にどのような変化をもたらしたかという非常に興味深いテーマで,普段,審査を主に取材している私としては,非常に興味を持つんですけれども,例えば,日本だとなかなかコロナが,特に緊急事態宣言みたいな形で企業自体が動かなくなってしまった場合に,例えば,立入検査が物理的に難しいとかですね,いろんな影響はあったと思うんですが,各国も同じような悩みというのを共有しているのか,それとも各国からコロナ禍の執行について,何か別の視点での報告があったのかなど,トップ会合においてどんな内容があったのか,1つ2つでも構いませんので,教えてください。
(事務総長) 昨日の競争政策トップ会合で,どういう意見交換があったかということについて,今,御指摘いただいたような個別の事件の対応振りについての発言はなかったようなんですけれども,聞いているところによりますと,参加した競争当局のうち約9割の当局では,新型コロナウイルス感染症の対応のための取組を行っていますという報告はあったということでした。その例といたしましては,公正取引委員会もそうですけれども,新型コロナウイルス感染拡大に際して行われる事業者等の行為について,競争法の考え方とか,競争当局の対応を明らかにしたという報告があったと聞いております。
 また,一部の国では,マスクとか食料品ですね,そうした生活必需品の価格が高騰しないかどうかという監視を強化しているという報告をした当局もあるようでございまして,また,この新型コロナウイルス感染症の世界的流行を契機として,他の規制当局によって市場の競争を阻害する政策や命令が出されないよう注視しているという報告もあったと聞いております。

(問) もう1点,ちょっと全然違う質問なんですが,「不当なしわ寄せに関する下請相談窓口」のフリーダイヤルで,電話番号は非常に分かりやすい「0120-060-110」ということなんですけど,語呂みたいなものがあれば教えてほしいなと思いまして。
(事務総長) 私もですね,最初この番号を聞いて,それを聞いたんですが,まだ適切な語呂は見つかっていないようでございまして,最後が「110」ですので,「何々110番」という,そういう番号は結構ほかにもありますので,060の110番だよなというようなことは言っているんですが,ちょっとまだ見つけ出しておりませんので,もし,いい御提案があれば,担当課の方で検討して,更に情報発信をすると思いますので,是非よろしくお願いいたします。

(問) 日本証券業協会がIPOにおける公開価格の設定過程見直しに向けた議論を始め,年内に議論を取りまとめる見通しです。公正取引委員会も公開価格の実態把握を進めていると思いますが,日証協の議論とのリンクや今後のスケジュール感について教えてください。
(事務総長) 御指摘のとおり,公正取引委員会も,このIPOにおける公開価格の設定プロセスについての調査を進めております。
 日本証券業協会の動きというのとこの調査が直接リンクしているとは聞いておりませんけれども,公正取引委員会では,質問票を発送して回収し,今,分析を進めているところでありますので,公正取引委員会の調査を進めていきたいと考えておりますが,もちろんその関係する方々が,いろいろな動きをしたり,検討を進めていることも当然視野に入れて,それも考えながら調査し,最終的に独占禁止法又は競争政策上の対応が必要であればしていくということになろうかと思います。
 まだ調査途中でございますので,あまり詳しいことは申し上げられませんけれども,そういう内容と私としては理解しております。

以上

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