[配布資料]
無し
事務総長会見記録(令和4年3月9日(水曜)13時30分~Web会議形式により開催)
公正取引委員会委員の再任について
本日,私からは,公正取引委員会委員の再任についてお話しいたします。
公正取引委員会の青木委員の再任に関する同意人事につきましては,2月8日に衆議院の本会議,そして,2月9日に参議院の本会議で,それぞれ同意が得られまして,青木委員は3月5日付けで公正取引委員会委員に再任されました。
青木委員は,長年にわたり経済学者として,産業組織論を始めとした理論経済学を専門としまして,イノベーションや知的財産等に関する研究を行ってきた後,平成28年11月に公正取引委員会委員に任命され,平成29年3月に再任,以来,独占禁止法の迅速かつ厳正な運用等の競争政策の積極的展開に尽力していただいているところであります。引き続き,公正取引委員会委員として競争政策の一層の推進に大きく貢献していただけるものと考えております。
私からは以上でございます。
質疑応答
(問) 先週,日本年金機構の入札談合のエンフォースメントがあったかと思うんですけれども,こちらに関しては,社会保険庁の時代にも排除措置命令等が公取から出ていると思います。なぜ,似たような事件が,このような大きな規模で繰り返されているというふうにお考えか,ちょっとお聞かせください。
(事務総長) こういう理由じゃないでしょうかということを申し上げるのはなかなか難しいんですけれども,公正取引委員会としても,カルテル・入札談合というようなことが繰り返し行われているということについての問題意識は以前からございまして,そこで,制度面等の強化とか,法改正とかを行ってきているわけであります。
今回の件につきましても,事業者の問題,また,発注者の方でも談合情報の取扱いなどについても,公正取引委員会から指摘をしておりますけれども,こうしたことが繰り返されないよう,法執行,それから,それ以外のアドボカシー的な活動として,入札談合に関する説明会等も毎年開いており,そうしたことを繰り返して,意識を高めていただくようを引き続き努力していきたいと考えております。
(問) 追加なんですけれども,今回,特に年金機構の入札の方法に問題があったというふうにお考えでしょうか。それとも,似たような問題は,いろんな官公庁に広がっているというような状況なんでしょうか。特に,例えば,もう少し幅広く,入札の方法を見直してほしいなどというように,官公庁に呼び掛けるなどということも,お考えでいらっしゃいますでしょうか。
(事務総長) 今回の事件については,事業者の方が違反行為者でありますので,それに対する措置を採り,併せて,発注者の方にも指摘をしていた点があったかと思います。ただ,これを契機により広くということは,今のところ考えていないわけですけれども,より広くという意味では,発注者に対する入札談合等関与行為防止法の説明や周知といった活動はこれまでもやってきておりますので,そうしたことを続けていきたいと考えています。
(問) すみません,先ほどの質問に絡んでというか,もう1つ伺えればと思ったのは,何か改めて全般的な話ですけれども,この事件についてどういう印象を持たれたか。引継ぎをした人もなかなか多いし,機構側の問題点も浮かび上がったなというふうに僕は受け止めたんですけれども,事務総局として何か思うところがあれば,改めてお願いします。
(事務総長) 同じような言い方になってしまうかもしれませんけれども,カルテル・入札談合の排除というのは,競争当局にとって世界共通の課題でありまして,これまでも長年努力をしておりますし,それから,入札談合というものがよくないことだということはもう世間に広く周知されていると思います。ただ,違反行為というのは自然に無くなるものでありませんので,今回,こうした事件がありましたので,同じような行為が繰り返されないように周知するとともに,もちろん,それでも違反行為を行う人達がいれば,しっかりと情報を得て,審査を行い,措置を採りたいと考えています。
以上