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令和5年4月12日付 事務総長定例会見記録

令和5年4月12日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。第223回独占禁止懇話会の議事概要の公表について(令和5年4月11日公表資料)pdfダウンロード(192 KB)

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年4月12日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

第223回独占禁止懇話会の議事概要について

 本日は、本年3月10日に開催した第223回独占禁止懇話会の概要についてお話しいたします。
 独占禁止懇話会は、この定例会見でも度々触れておりますが、我が国経済の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため、公正取引委員会が国民各層の意見を広く聴取するとともに、独占禁止法の運用について国民各層の理解を深めることを目的として、昭和43年11月以降開催しているものです。
 今回の独占禁止懇話会では、四つのテーマについて、会員の方々から御意見等を頂きました。4月11日に公表したお手元の議事概要の中から、各テーマにおける主な御意見等を御紹介いたします。
 一つ目のテーマの「モバイルOS等に関する実態調査報告書」では、配布資料1ページの一つ目の御意見ですが、例えば、巨大プラットフォーマーが個人情報を適正に取り扱っていることを消費者等に説明する責任を負わせるというような、競争政策と消費者政策を融合させる取組も重要となるのではないかといった御指摘がございました。これに対して、公正取引委員会としてもデジタル・プラットフォーム事業者による消費者データの不当取得等について、優越的地位の濫用の観点からガイドラインを示してきたところであり、引き続き、会員の方から御指摘いただいた視点も重視して対応していく旨を御説明いたしました。また、同じテーマで、配布資料2ページの上、二つの会員からの御意見ですが、サイドローディングの是非について、セキュリティと競争環境整備のバランスを取りつつ判断する必要があるといった御意見がございました。これに対して、代替的な流通経路の確保に当たってはセキュリティとのバランスも配慮しつつ、具体的な方策を検討していくこととなる旨を御説明したところでございます。
 二つ目のテーマになりますが、「携帯電話端末の廉価販売に関する緊急実態調査報告書」では、配布資料3ページの二つ目の御意見ですが、端末の廉価販売の条件の表示が小さくて分かりにくく、消費者の誤認を誘発しているといった問題や、MNOで端末を購入した後に他のMNO、あるいはMVNOと通信契約を結ぶことが可能であるという点が消費者に十分伝わっていないといった問題について、公正取引委員会だけではなく、総務省や消費者庁といった関係省庁と連携して情報発信や広報等を強化してほしいといった御意見を頂きました。これに対して、引き続き、関係省庁とも連携して対応していく旨を御説明いたしました。
 三つ目のテーマの「フィンテックを活用したサービスに関するフォローアップ調査報告書」では、配布資料4ページの上から二つ目の御意見ですが、前回の調査時に公正取引委員会が指摘した事項の中には独占禁止法違反とまではいえない事項もあったところですけれども、そのような指摘について、金融業界側が対応したことの理由についての御質問がございました。これに対して、金融業界は伝統的な業界であるものの、新しいサービスを提供する事業者と共に取り組んでいこうという機運が高まっているように感じられる旨を御説明いたしました。
 四つ目のテーマの「適正な価格転嫁の実現に向けた取組」では、配布資料4ページの一つ目の御意見ですが、発注側の事業者はおおむね価格転嫁を受け入れていると認識している一方で、受注側の事業者の9割はコスト増加分の価格転嫁は完全には進んでいないと認識していて、このギャップが非常に問題であると感じるといった御意見がございました。これに対して、発注者と受注者の認識のギャップについては公正取引委員会としても大きな問題だと認識しており、ギャップを埋めるためにも発注者側への周知徹底を図っていく旨を御説明いたしました。
 これが代表的な議事概要でございますけれども、公正取引委員会としましては、今回頂いた御意見等も踏まえて、今後とも、競争政策を有効かつ適切に推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 今回のテーマではありませんが、アドビ・インクによるフィグマ・インクの買収の件について、先日、第三者からの情報、意見の募集をされました。個別具体的なことはお話しできないと思いますが、今回の案件について、公正取引委員会としては、いわゆるスタートアップを買う、キラーアクイジションという観点も含めた企業結合審査を行うのでしょうか。
(事務総長) 御指摘のアドビ・インクとフィグマ・インクの統合に関しましては、届出の有無についてはお答えできませんけれども、公正取引委員会として企業結合審査を行っており、この統合に関して利害関係者その他国内外から広く意見を募るということで、この統合に関する意見募集をしたところでございます。
 どういう観点から企業結合審査を行っているかということは、まだ入口段階にありますので、現時点でお答えすることは差し控えたいと思います。デジタル分野に関する企業結合については、変化が激しいということもあって、積極的に審査をしたり、あるいは広く意見を募集するという方針を示してきているところでございまして、今回もその方針に従って意見を募集しているものです。企業結合審査のポイント、どういった市場を取るのか、どういった商品なのか、御指摘のようなキラーアクイジションという観点から調べるのかということにつきましては、現時点ではお答えすることは難しいと思っております。
(問) もう一つ追加でお聞きします。第三者からの情報、意見募集をされたのは、今回3件目かと思いますが、これらの情報、意見募集というプロセスを経た効果をどのように見ていらっしゃるか、教えてください。
(事務総長) このような意見募集におきまして、意見を出される方のお立場もあるので、内容を公表してきていません。当然のことながら、企業結合審査の中では、様々なステークホルダーから、こちらが積極的にヒアリングして事情をお伺いすることもありますが、私どもが聴きに行った相手以外にも意見があるのではないかということで、意見募集を行うものでございます。その場合、例えば、私どもが、気が付かないような視点、あるいは気が付かないような市場について意見をいただくこともあり得ると考えております。御質問の点については、引き続いて意見募集を続けているということは、それなりに意味があると感じているということだとお考えいただければと思いますが、具体的にこういう点で役に立ったということは、お答えすることは難しいと考えております。

以上

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