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令和5年2月8日付 事務総長定例会見記録

令和5年2月8日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

 無し

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年2月8日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

使用済みペットボトルのリサイクルに関する取引実態調査の開始について

 本日は、使用済みペットボトルのリサイクルに関する取引実態調査を開始することについてお話しいたします。
 まず背景と調査内容でございますけれども、ペットボトルは飲料などに用いられておりまして、消費者にとって、とても身近な素材でございます。使用済みのペットボトルにつきましては、多くの市町村において分別収集が実施され、リサイクル後の用途が拡大しております。
 こうした使用済みペットボトルの需要増に伴って、使用済みペットボトルの価値は上昇してきておりまして、以前は廃棄物として「お金を払って引き取ってもらう」という状態にあった使用済みペットボトルが、最近では、大部分の取引が、有償で取引される、つまり「資源として売れている」状態になっていると考えています。
 市町村から排出される使用済みペットボトルにつきましては、その多くが、容器包装リサイクル法の「指定法人」が実施する入札によって、再商品化事業者、つまりリサイクルを実施する事業者に引き渡されております。一方、近年、使用済みペットボトルのリサイクルの中でも、環境負荷の低減に資する取組として、繰り返しリサイクルが可能な「ボトルtoボトル」という、使用済みのペットボトルを再度ペットボトルの原料として活用する取組が拡大しています。
 使用済みペットボトルの価値の上昇や、今申し上げた「ボトルtoボトル」の取組の拡大に伴いまして、市町村から指定法人に引き渡されるというルートではなく、市町村や再商品化事業者、飲料メーカー等により、独自に取引される場合が増加するなど、使用済みペットボトルの流通方法が多様化し、取引が活発になっていると考えられます。
 また、個人ではなく事業者から排出され、市町村が収集しないペットボトルについては、容器包装リサイクル法の対象外であり、その取引実態やリサイクルの実施状況は必ずしも明らかではないと考えられます。
 今回の実態調査では、このような使用済みペットボトルのリサイクルに関する取引の実態について、ヒアリングや書面調査といった方法によって明らかにしたいと考えています。
 調査の結果、仮になんですけれども、使用済みペットボトルの取引に関して問題点があれば指摘し、それに対する独占禁止法上及び競争政策上の考え方を示すことで、公正かつ自由な取引環境を確保するとともに、SDGsの取組、具体的にはリサイクルの推進等について、競争政策の観点からもこうしたSDGsの取組を後押しする提言ができればと考えております。
 今後、関係する事業者や市町村の方々に対し、ヒアリングや書面調査を行いたいと考えております。皆様におかれましては、この調査の趣旨を御理解いただき、御協力いただきいただきますよう、お願いを申し上げます。
 なお、本件の担当は取引部取引調査室です。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) ヒアリングする対象や書面調査の対象は、飲料メーカーとか自治体とか団体とかだと思うのですが、そのあたりの確認をしたいのと、ヒアリングと書面調査それぞれの規模感を教えてください。
(事務総長) 使用済みペットボトルに関する取引実態を把握するために、市町村、再商品化事業者、つまりリサイクルを実施する事業者、飲料メーカーが対象の中心になると思いますけれども、そこからどのくらい外延が広がってくるかは調査をしながら考えたいと思います。
 また、規模感につきましては、これから書面調査を行ったり、ヒアリングを行ったりしますけれども、実際にこういった取組を行っている事業者についてかなりのカバレッジを持てるように対応したいと考えております。
(問) 家庭用のペットボトルの回収ルートだと、日本容器包装リサイクル協会という指定法人があると思うのですが、このルートだけでは最近の需要増には対応できていないというのが問題のポイントになるのでしょうか。
(事務総長) 容器包装リサイクル法では、おそらく容器包装が逆有償というのでしょうか、資源的な価値が低くて、お金を支払って引き取ってもらうということが主に想定されていたと思います。しかし、今、申しましたように、ペットボトルは、需要も高まっておりまして、また、他の商品の素材にしてしまうというだけではなくて、「ボトルtoボトル」という形で容器用のペットボトルの素材にリサイクルしていくこともありますので、実態としては、日本容器包装リサイクル協会を通すルート以外にも、いろいろなリサイクルのルートができていると思っております。
 そういう意味では、これまで捨てていたものが資源に変わってきているという点で、大変珍しい財であろうかと思いますので、従来からの変化なども含めて、実態を調査して、かつ競争政策上の提言などして、より効率的、効果的なリサイクルにつなげることができればと考えております。
(問) この業界について、大体どれぐらいの規模がある業界なのかというスケール感を教えていただきたいのと、あと、缶だったりビンだったり紙だったり、ごみが資源になるというものはいろいろとあると思うんですけれども、なぜペットボトルで、競争の問題があるのかもしれないと思われたのか、そのバックグラウンドについて教えていただけたらお願いします。
(事務総長) 最初の御質問の規模感については、後ほど担当の方から御説明いたします。二つ目の御質問、缶やビンや紙などがあるという中でなぜペットボトルかということですが、缶やビンについては、比較的早くから、資源としての再利用ということは行われてきておりますが、ペットボトルというのは比較的最近、財としての価値が出てきたと理解しておりまして、そういった新しくリサイクルの価値がついた財であるということです。先般、グリーン社会の実現に向けたガイドラインの検討をしていることを申し上げましたが、今回の実態調査と直接関係することはないんですけれども、SDGsやグリーン社会の実現といった環境という、比較的競争となじまないのではないかと考えられていた分野について、競争の果たす役割についての問題意識も含めて、今回実態調査を行うことを考えたものでございます。
(事務方) 規模感につきましては、使用済みペットボトルの値段自体が、かなり値動きが激しい上に、取引段階に応じてかなり価値が異なるので、金額で全体的な規模感をお示しするのは難しいんですけれども、日本ではおよそ60万トンの使用済みペットボトルが年間で排出されています。
(問) 調査結果はいつ出されるのかというのと、あと、日本容器包装リサイクル協会との関係や、飲料品メーカーの間で、想定としてどういう独占禁止法上の問題があるのかを、改めて教えていただけないでしょうか。
(事務総長) いつごろ結果を出すのかにつきましては、正にこれから始めるところですから、現時点では、まだ見えておりません。いろいろな方に御協力いただきたいという点も含めまして、調査開始のアナウンスをさせていただいたという段階でございます。
 それから、想定される問題点がどんなところにあるのかというお話でございますけれども、問題の所在を想定して進めていくというよりは、取引実態がどうなっているのかということを中心に調べていこうと考えております。もちろん現在の容器包装リサイクル法が想定するペットボトルの回収の流れなどもありますけれども、そういったものとそれ以外の使途がどういった関係があるのか、さらに、そういった回収を進めたり、再資源化を進めていく上で、競争を導入することによって、より効率的なことができるといった点があれば、提言できたらと考えております。
(問) ということは、現行法の容器包装リサイクル法において、制度の問題があるようだったら、その改善を促すような提言を、実態調査上でやっていくということなんですか。
(事務総長) そうですね。そういったことを排除するわけではないんですが、逆に言うと、現状で何か問題があると決めているわけでもありません。いずれにしても、実態を見た上で、競争政策上や独占禁止法上の問題点、課題、あるいはそれに対する提言というのをできたらやっていきたいということでございます。こういった分野での包括的調査を行った先行経験があまりないのかなと思っておりますので、実態を明らかにすることに第一の意義があると御理解いただければと思います。
(問) 東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会事業をめぐる入札談合事件で、先ほど、組織委の元次長等が逮捕されたという報道がありました。これについて、改めてこうした事件を扱うことの意義や悪質性、あるいは今後の告発に向けて、どのようなところに焦点を当てていくかというところを可能な範囲でお聞きできればと思います。
(事務総長) 御指摘の件につきましては、東京地方検察庁で行われたものと理解していますので、それ自体についてコメントすることは控えたいと思います。その上で、犯則調査の意義ということで、一般論で申し上げますと、国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案については、犯則事件として調査をしていくということには、意義があると考えております。
(問) 特にオリンピックのテスト大会事業をめぐる入札談合事件についての悪質性がどういうところにあったというのを、昨年12月にもお伺いしましたが、もう一度お伺いしてもいいですか。
(事務総長) 本件についてということでいえば、オリンピックという世界的な行事が60年近くぶりに、日本で開催されるということで、ある意味で国家的な行事だったと思います。そういった国家的な行事を利用して談合が行われたとするならば、大変問題の大きい事案ではないかと思いますので、そういった点で犯則調査の対象になっているということかと思います。
(問) 最後にもう1点ですが、広告業界に対して談合やカルテルなどの疑いで、ここまで大規模な捜査が入るのは、おそらく今回が初めてというか、極めて異例なことだと思うんですが、この業界にメスを入れることの意味合いについての受け止めをお願いします。
(事務総長) 広告業界を対象としたからということでのコメントは特にございません。その上で、あくまで一般論になりますけれども、これまであまり調査の対象とされていなかった業界というのは、どうしても独占禁止法上のコンプライアンス意識といいますか、独占禁止法違反をしてはいけないという意識に若干欠ける業界もあろうかと思います。そういった面で警鐘を鳴らすといった意味も含めまして、これまで調査をしてこなかった業界に対する調査というのは意義があると考えております。
(問) 今回、受注企業だけではなく、発注者側の組織委の元次長も逮捕されたりして発注者側の問題も出てきていると思うんですけれども、公正取引委員会としては、発注者側のどういったところに着目されているのかと、一般論でもいいんですけれども、受け止めをお聞かせいただけたらと思います。
(事務総長) 本日、組織委の元次長も逮捕されたということは、私も報道で承知しております。これまでも犯則事件調査において、逮捕されたかはどうかはともかくとして、発注者側の個人が起訴されて有罪になった先例もございます。そういう意味で、刑法上は共同正犯になると思うんですけれども、発注者側の個人でも正犯として談合を行ったと認定されれば、刑事罰の対象になり得ます。本件についてということではなく、一般論として申し上げれば、発注者の方も、独占禁止法違反を行う、あるいはそれを容易にするような行為を行うといったことは、厳に慎むべきだと考えております。
(問) こういった一世一代の大きなイベントを行うに当たって、何とか成功に導きたいという思いから、受注調整ととられるような行為が始まったと、報道されていますけれども、そういった大きなイベントを扱う際に、今後、発注者側が、どのように気をつけたらいいかといった教訓みたいなものがいただけたらなと思っているのですが、そのことについて聞かせていただけますでしょうか。
(事務総長) 現時点では、犯則の心証を得て告発するとか、告発を受けて起訴されるとかいうところの手前なものですから、今、軽々にそれについて申し上げるのは控えたいと思います。その上で、一般論として申し上げれば、入札などの競争という手段を使うと組織として決め、あるいは法律で決まっているものについては、発注者の側も入札などの競争の趣旨をよく理解して、適正な方法で、その発注事務を行っていただくことが必要なのかなと思います。
(問) 今回の組織委というのは、いわゆるみなし公務員とされています。公正取引委員会も、地方公共団体には入札に関しての研修をするようにとか啓発をするようにという広報活動を行っていると思うんですけれども、これからも完全に公務員という枠に入らないところでも、このような違反行為が考えられるということで、積極的に広報していくというお考えはありますでしょうか。
(事務総長) 地方公共団体や国の機関などに対しましては、定期的な入札談合等関与行為防止法、その他の研修などでお手伝いさせていただいています。他方、みなし公務員の方というのは、どのぐらいの規模でいらっしゃるのかを全部把握しているわけではありませんし、また組織委のように臨時の組織である場合もあるものですから、我々が把握して、こちらからプッシュする形で研修をしていくというのはなかなか難しいのかなと思います。仮にそういったみなし公務員を抱えているような組織の方から、発注事務に関して官製談合防止などの観点から留意すべき事項を教えてほしいというような御相談があれば、喜んで対応させていただこうと思います。
(問) オリンピックの話で、今日の逮捕というのは、東京地検で行われたものと理解しているという先ほどの御回答でしたが、コメントいただけるのであれば、告発に向けての今の調査の状況、あるいは今後、刑事告発に向けての今の方向性について、お願いします。
(事務総長) 逮捕というのは、東京地方検察庁における一つの捜査手法であると理解するところでございます。犯則事件調査については、実態解明を続けていくということに尽きると思っております。その結果、犯則の心証を得た先には検事総長に告発をしなければならないという独占禁止法第74条の規定がございまして、犯則の心証を得られるかどうかを明らかにすべく、実態解明を行うということだと思います。
(問) 本日、古谷委員長が参議院の本会議で同意人事を通って、これから2期目にお入りになりますが、インフレであるとか、中小企業のコスト転嫁であるとか、国の経済政策において公正取引委員会が今までよりも大きな役割を期待されているのかなという中で、公正取引委員会として2期目に入る委員長の下で、求めているものというか、期待されていることがありましたら教えてください。
(事務総長) 本日、参議院本会議で、古谷委員長を再任するということで、国会の同意をいただきました。昨日衆議院も終わっておりますので、これで正式に同意人事の手続は終わったと理解しております。
 今の御質問につきまして、古谷委員長が、任期満了に伴って2期目に入るわけですけれども、再任されたというのは、これまでの古谷委員長をはじめとして、事務総局を含めた公正取引委員会の取組や、古谷委員長のリーダーシップというのが評価されて、今回、国会での同意がいただけたと思っております。その意味では、例えば、エンフォースメントとアドボカシーの連携でありますとか、価格転嫁の問題への積極的な取組といった、古谷委員長となってから新しく始めた取組や新しい手法は、これまで委員長のリーダーシップによって行われてきたと思っておりますので、引き続きこういった取組を続けて、公正取引委員会に求められる役割を更に果たしていくべく、様々な諸課題に取り組んでまいりたいと思います。

以上

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