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令和5年2月22日付 事務総長定例会見記録

令和5年2月22日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。手形等のサイトの短縮について(令和5年2月22日公表資料)pdfダウンロード(191 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。下請法解説動画(令和5年2月22日公表資料)pdfダウンロード(387 KB)

ファイルダウンロード 新規ウインドウで開きます。ICN単独行為ワークショップの東京開催について(令和5年2月22日公表資料)pdfダウンロード(176 KB)

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年2月22日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

手形等のサイトの短縮について

 本日は、3点お話しします。最初に、手形等のサイトの短縮に向けた取組についてです。
 公正取引委員会は、中小事業者の取引条件の改善を図る観点から、下請法等の一層の運用強化に向けた取組を進めており、その取組の一環として、令和3年3月31日に、中小企業庁との連名で、関係事業者団体約1,400団体に対して、おおむね3年以内を目途として可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内とすることなど、下請代金の支払の適正化に関する要請を行っております。
 本日、公正取引委員会と中小企業庁は、手形等のサイトの短縮化の更なる促進を図るために、昨年度に引き続き、連名で、下請法に基づく定期調査においてサイトが60日を超える手形等により下請代金を支払っているとした親事業者約6,000名に対して、可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内に短縮することを求める要請を行いました。
 親事業者におかれてましては、可能な限り速やかに手形等のサイトを60日以内としていただきたいと考えております。
 公正取引委員会は、今後も引き続き、中小事業者の取引条件の改善を図る取組を進めてまいります。

価格転嫁対策に係る取組について

 次に2点目でございますけれども、価格転嫁対策に係る取組について、御紹介いたします。
 公正取引委員会は、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇を取引価格に反映しない取引が、下請法上の「買いたたき」や独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に該当するおそれがあることを明確化するため、昨年、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」を改正しました。
 また、公正取引委員会のウェブサイトに掲載している「よくある質問コーナー(独占禁止法)」のQ&Aに、労務費、原材料費、エネルギーコスト等のコストの上昇分を取引価格に反映せず、従来どおりに取引価格を据え置くことは、下請法上の買いたたき又は独占禁止法上の優越的地位の濫用の要件の一つに該当するおそれがあることを明確化しています。
 このような内容を踏まえつつ、本日の配布資料にもございますとおり、1月末に政府インターネットテレビ「下請事業者を守る下請法」では、3分間で下請法の内容を分かりやすく紹介する動画の公開を始めました。
 具体的には、現下における労務費、原材料価格、エネルギーコスト等のコストの急激な上昇を踏まえると、発注者から積極的に価格転嫁に向けた協議の場を設けていくことが重要であるというメッセージも盛り込んでおります。
 公正取引委員会が作成した下請法の論点ごとに詳細に説明している「下請法基礎講習動画」と合わせて、事業者の皆様に御活用いただきたいと考えています。

ICN単独行為ワークショップの東京開催について

 最後に3点目でございますが、東京で開催されます、国際競争ネットワーク、ICNと呼んでおりますけれども、ICNの単独行為ワークショップについて御紹介します。
 お手元に配布しております発表文のとおり、3月7日(火)及び8日(水)の日程で、公正取引委員会の主催によりまして、ICN単独行為ワークショップが開催されます。テーマは、「現在の単独行為分野における競争政策と法執行の発展と課題」でございます。
 今回の単独行為ワークショップには、オンライン・オフライン合わせて、50以上の国や地域から約340名が参加することが予定されております。
 近年、単独行為分野では、デジタル分野における問題が活発に議論されておりまして、デジタル・プラットフォーム事業者の活動から派生する多くの問題に効果的に対処することは、多くの競争法・競争政策の関係者にとって最優先課題の一つとなっています。今回のワークショップでは、公正取引委員会が主導して取りまとめましたデジタル分野における競争制限のメカニズム及び是正措置に関する報告書の概要を発表する予定でございます。
 また、単独行為分野では、デジタル以外にも様々な重要な課題があり、具体的には、アドボカシー活動、サステナビリティーの問題、当局の効果的な措置のあり方、他の規制当局との連携、そして将来の課題など、様々な観点からのセッションも行われることになっております。
 公正取引委員会は、今回のワークショップのホスト当局として、積極的に議論に貢献したいと考えておりまして、古谷委員長がオープニングセッションにおいて、今回の会合の意義等についてスピーチを行うほか、青木委員が、先ほど述べた報告書の発表を行い、その後議論のモデレーターを務めます。また、最後のクロージングセッションにおきましては、山本委員がワークショップを総括するスピーチを行います。その他のセッションにおきましても、公正取引委員会の職員が、当委員会における執行経験等の経験を紹介するとともに、参加者との活発な議論を行う予定です。
 今回、日本からは、NGAとして弁護士や研究者の方々に、多くのセッションでパネリストとして御登壇いただく予定になっています。
 今回の単独行為ワークショップでは、一部のセッションをYouTubeの公正取引委員会チャンネル上でオンデマンド配信いたしますので、本ワークショップに関心のある方々に、議論の模様を御覧いただければ幸いです。
 また、一部のセッションは取材が可能となっておりますので、取材される場合は事前登録をお願いいたします。
 ワークショップの詳細や取材の申し込みについては、本定例会見終了後、官房国際課の担当者から御説明いたします。
 以上、3点申し上げました。私からは以上です。

質疑応答

(問) 今回のテーマ外の質問になりますが、公正取引委員会の委員の人事案で候補となっている泉水文雄先生は、神戸大学大学院の教授であり、独占禁止法に精通されている方かと思います。人事案が同意されればということになりますが、事務総長の方から何か期待等があれば、お願いいたします。
(事務総長) 今お話がありましたように、現在、神戸大学大学院の泉水文雄教授が、公正取引委員会の委員候補として国会に同意を得るべく案が提示されているところでございます。
 私どもと泉水先生とは、長いお付き合いというとおかしいんですけれども、泉水先生は、独占禁止法、競争法の専門家として、長年にわたり私どもの研究会や、独占禁止懇話会等で御活躍いただいておりますし、内閣官房のデジタル市場競争会議のワーキンググループのメンバーでもあり、独占禁止法、更にはデジタル分野における競争法の在り方などでも深い知見をお持ちだと思いますので、これまでの様々な御経験を基に、有識者として公正取引委員会に御貢献いただけるものと思っております。

以上

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