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令和5年7月19日付 事務総長定例会見記録

令和5年7月19日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年7月19日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

第224回独占禁止懇話会の議事概要の公表について

 本日は、本年6月23日に開催いたしました第224回独占禁止懇話会の概要についてお話しいたします。
 独占禁止懇話会は、我が国経済の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため、公正取引委員会が国民各層の意見を広く聴取するとともに、独占禁止法の運用について国民各層の理解を深めることを目的として、昭和43年11月以降開催しているものです。
 今回の独占禁止懇話会では、四つのテーマについて、会員の方々から御意見等を頂きました。昨日公表したお手元の議事概要の中から、各テーマにおける主な御意見等を御紹介いたします。
 一つ目のテーマの「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」では、別紙1ページの三つ目にある○や、別紙2ページの上から二つ目の○ですが、大企業がGXの取組を進める中で、下請中小企業へのしわ寄せ等を不安視する声が多く出ているといった御指摘があり、これに対して、公正取引委員会のグリーンガイドラインでは、水平的関係にある競争事業者間の共同の取組に加えて垂直的な関係もカバーしている点において、世界的に例を見ない形のものとなっており、御指摘いただいた問題について、引き続きしっかり対応していきたい旨を御説明いたしました。
 二つ目のテーマの「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律について」では、別紙2ページの一つ目の○ですが、発注者とフリーランスの間にプラットフォーム運営事業者が入り、仲介しているだけの場合、そのプラットフォーム運営事業者はフリーランス法の適用対象とならないのかという御質問があり、これに対して、契約上は仲介という形を採っている場合でも実態を見て判断することになり、直ちにフリーランス法の適用対象から外れるわけではない旨を御説明いたしました。
 三つ目のテーマの「令和4年度における下請法の運用状況及び中小事業者等の取引公正化に向けた取組」では、別紙4ページの一つ目の○ですが、最近では価格転嫁について発注者側からも意識の転換を感じさせる前向きな声が聞こえてきているが、一部の中小企業からは、公正取引委員会に相談した場合、相談したことが特定されて自分たちが不利になるのではないかということを懸念する声もあるといった御意見を頂いております。これに対しては、どのような形で調査をすればその事業者が特定されないかいろいろな観点から考えており、ノウハウもあるため、まずは御相談いただきたい旨を御説明いたしました。
 四つ目のテーマの「令和4年度における独占禁止法違反事件の処理状況」では、別紙5ページの一つ目の○や別紙6ページの上から二つ目の○ですが、旧一般電気事業者による市場分割カルテル事件について、公正取引委員会からの情報提供に基づき電力・ガス取引監視等委員会で業務改善命令の発出に向けた対応が行われるなど、公正取引委員会と関係行政機関の協力によって広く競争政策が実現されていくということは大変重要であるといった御意見を頂いております。これに対して、電力分野を始めとする規制改革分野については、公正取引委員会としても特に力を入れている分野であり、今後も必要に応じて規制官庁と連携しながら積極的に対応してまいりたい旨を御説明いたしました。
 公正取引委員会といたしましては、今回頂いた御意見等も踏まえまして、今後とも、競争政策を有効かつ適切に推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 二つ目のテーマである「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律について」ですが、別紙2ページの一つ目の○にウーバーイーツの話があり、ウーバーイーツの配達員が、労働組合法上の労働者として認定されたとしても、それをもってフリーランス法の適用対象から外れるということはないとの考えが示されていますが、この点をもう少し御説明いただけますか。また、弁護士会が行うフリーランス110番からの情報収集についても御説明いただけますか。
(事務総長) まず、最初の御質問ですけれども、ウーバーイーツの配達員が労働組合法上の労働者に該当することが確定したことをもって、フリーランス法の適用対象から外れるという関係にはないと考えているという回答をしております。これは、それぞれの法律の趣旨に基づきまして法律の規定の適用がなされるということになりますので、必ずしも、一方の法律で、労働組合法上の労働者に該当するということをもって、フリーランス法の適用対象から外れるという関係にはならないということです。
 それから、フリーランス110番についての御質問でございますが、数年前から弁護士会に委託して運営をしておりますフリーランス110番というものがございます。こちらでは多数の関係者の方々から御相談いただいておりますので、今後とも、こういったところから情報を得ることで、新たな法律の執行にも活かしていくことになると思います。
(問) 別紙3ページに、契約上は仲介という形になっていても、プラットフォーム運営事業者はフリーランス法の適用対象になり得ると書かれています。要するにこの法律では、プラットフォームが仲介するようなビジネスモデルであっても、配達員のような委託を受けた人々はこの法律の対象になり得るし、仲介しているプラットフォーム運営事業者も対象になり得ると理解しましたが、一般論としてはその理解でよろしいでしょうか。
(事務総長) その点は、契約書の上では仲介という形になっている場合であっても、形式的に判断するということではなくて、個々のケースに応じて取引の実態を見て判断するということです。
(問) 一つ目のテーマである「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」のところで、大企業のGXの推進による中小企業へのしわ寄せを不安視する声もあると記載されていますが、この点について、グリーンガイドラインに関して、公正取引委員会に、中小企業から何か相談があったり、もしくは大企業側から問題がないかという問い合わせがあったりといった反応があれば教えていただきたいです。
(事務総長) グリーンガイドラインに関連した御相談はいくつか寄せられていますが、その中身については、それぞれ個々の御事情がありますので、今のところ公表する予定はありませんけれども、このしわ寄せを不安視する声につきましては、グリーンガイドラインを作る前に、取引の実態についてヒアリングさせていただく中で、特に中小企業の関係者の方から、こういった問題があり得るというお話を多数お聞きしましたので、それも今回のグリーンガイドラインに盛り込んでおります。
(問) 細かい話で恐縮ですが、企業が公正取引委員会にこういったことを相談したい場合は、どちらが窓口になっているのですか。
(事務総長) 事業者の相談窓口につきましては、公正取引委員会ホームページ等に掲載しておりますので、そちらをご覧いただければと思います。

以上

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