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令和5年7月26日付 事務総長定例会見記録

令和5年7月26日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年7月26日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

第18回東アジア競争政策トップ会合及び第15回東アジア競争法・政策カンファレンスの開催について

 本日は、第18回東アジア競争政策トップ会合及び第15回東アジア競争法・政策カンファレンスの開催について、お話しいたします。
 第18回東アジア競争政策トップ会合が、昨日7月25日に、タイのバンコクで開催され、公正取引委員会からは、古谷委員長、青木委員ほかが出席いたしました。また、本日7月26日に、第15回東アジア競争法・政策カンファレンスがバンコクでの対面及びオンラインによるハイブリッド形式により、現在、正に開催されており、公正取引委員会からは同じく古谷委員長、青木委員ほかが出席しております。
 今年はタイ当局がホストを務め、昨年に引き続き対面形式での開催となりました。東アジア競争政策トップ会合には、東アジア地域等の16の競争当局のトップ等が参加しております。そして、東アジア競争法・政策カンファレンスには、東アジア競争政策トップ会合の出席者に加えまして、学界関係者が参加しております。
 東アジア競争政策トップ会合において公正取引委員会からは、古谷委員長によるオープニングリマークスに続き、青木委員が、「環境持続可能性を促進する上での競争政策の役割」というテーマについてスピーチを行いました。その中で、今年の3月に公表した「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」で記載されている事項を中心に、公正取引委員会の取組を説明いたしました。その他、公正取引委員会の職員が、「デジタル経済における競争政策の課題と規制手法」というテーマ等について、日本の取組を紹介いたしました。本会議のいずれのテーマにつきましても活発な議論が交わされましたが、こうした競争当局が取り組むべき新たな課題に対して、各国の知識や知見を共有しつつ、各競争当局が緊密に連携しながら取り組んで行くことが重要との認識を改めて確認いたしました。
 公正取引委員会といたしましては、本会合が東アジア地域等の競争当局間の協力関係の構築や、同地域等における競争政策に対する理解の促進のために非常に良い機会であると考えており、今後も積極的に貢献していきたいと考えています。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 質問が二つありまして、まず東アジア競争政策トップ会合について教えてください。
 今まで東アジア競争政策トップ会合では、日本の公正取引委員会がリードしてディスカッションが行われたことが多かったと思っております。最近の欧米とのディスカッションの場ではデジタルプラットフォームの事前規制に関することやグリーンポリシーにおける競争当局の役割等の話が増えている中、東アジアのコミュニティではどのような課題についてディスカッションが行われたかを教えてください。
(事務総長) まず、この東アジア競争政策トップ会合は、平成17年の立ち上げ以降、東アジア地域等の競争当局トップ同士による競争法執行の実績や在り方等につきまして、率直な情報・意見交換を行う場として有効に活用されてきております。今後とも同会合を通じまして、こうした情報・意見交換を進め、東アジア地域等において幅広い国際協力関係が構築されることを期待しております。
 東アジアにおける競争当局の関心事項という御質問かと思いますが、競争の世界における世界的なコンバージェンスと申しますか、やはり同じようなところに関心事項がございまして、今回もサステナビリティの問題やデジタル分野について関心が高いのではないかと考えております。
(問) もう一つの質問ですが、先週の金曜日に、損害保険の代理店の方々が、損害保険会社とのコミッションを決める計算方法が優越的地位の濫用に当たるのではないかということで、公正取引委員会に排除措置命令を出すよう求める申告がなされたという報道がありました。個別の案件についてコメントができないことは承知しておりますが、最近損害保険会社によるカルテル等のいろいろなコンプライアンス上の問題が報道されており、それは公正取引委員会が調査に入ったというよりも、外から持ち込まれているという流れを感じるのですが、公正取引委員会としては、これらに対してどのようなエンフォースメントができるかということを教えてください。
(事務総長) 個別の案件についてのコメントは差し控えたいと思いますが、種々様々な報道があることは承知しております。損害保険会社のカルテルに関する報道につきましては、公正取引委員会としましても関心を持って注視しているところでございます。また、この代理店からの申告という報道につきましては、一般論でございますけれども、申告がなされれば、公正取引委員会として適切に対応していくことになると考えております。
(問) このような問題が多発すると、業界全般的にコンプライアンス的な問題があるのかなという印象を受けてしまうのですが、個別の案件ももちろんですけれども、それ以外にも、公正取引委員会としてアドボカシー等のアクションをお考えでしょうか。
(事務総長) 業界全体のコンプライアンスの水準が現状どれぐらいなのかということにつきましては様々な事実を見て判断するべきことかと思いますけれども、一般に、どの業界につきましても、独占禁止法についてのコンプライアンス意識は当然高めていただきたいと思っております。それによって自由で公正な競争を確保していくことが大事かと思っております。
(問) 今の話に関連しまして、代理店の手数料ポイント制度に関して、個別の案件に関するコメントが難しいことは承知の上で一般論としてお聞きしますが、この問題は、ポイント制度の仕組みの説明にどれぐらい透明性があったのかといったようなことなど、独占禁止法上の問題になるかどうかといったことを考えるときに、どのような点がポイントになるのかを教えてください。
(事務総長) 一般論として申し上げれば、事業者がその取引先に営業行為等を委託している場合に、営業行為等を委託先事業者に的確に実施させるために委託先事業者の営業行為等の実績を評価して手数料率等を設定するといったことは、事業者間の協議によって決められるべき問題であり、それ自体は独占禁止法上問題というわけではありません。
 一方で、取引上の地位が優越している事業者が、その地位を利用して、委託先事業者による営業行為等を的確に実施させるために必要な限度を超えて、十分な協議を行うことなく手数料率を引き下げる等の取引条件を一方的に変更すること等によって、委託先事業者に対して不当に不利益を与える場合には、独占禁止法上問題となるおそれがあると考えております。

以上

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