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令和5年9月6日付 事務総長定例会見記録

令和5年9月6日付 事務総長定例会見記録

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年9月6日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

公正取引委員会の令和6年度概算要求について

 本日は、私の方から二つお話をしたいと思います。
 一つ目が、公正取引委員会の令和6年度概算要求についてです。それから、二つ目が、ソウル国際競争フォーラム及び日韓トップレベル会合の開催についてです。
 まず一つ目ですけれども、8月31日に、令和6年度予算の概算要求を行い、公表しました。公正取引委員会の令和6年度の概算要求額は、124億9900万円でありまして、前年度当初予算額と比較して10億900万円、8.8%の増となっております。
 概算要求の主な内容ですけれども、お手元の資料に表がございますが、この表の一つ目の項目であります「厳正かつ実効性のある独占禁止法の運用」につきましては、デジタル分野等における効果的な対応、価格カルテルや入札談合等の違反事件処理、グローバルな企業結合事案への的確な対応等に必要な経費として5億4600万円を要求しております。
 二つ目の「中小企業に不当に不利益を与える行為の取締り強化」につきましては、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分の転嫁拒否に関する優越的地位の濫用、下請法違反行為等への厳正対処やその未然防止、フリーランス等の取引適正化に向けた取組等に必要な経費として9億3100万円を要求しているほか、フリーランス新法の施行に伴う経費の一部を、予算編成過程において検討することとされている、いわゆる「事項要求」としております。
 三つ目の「競争環境の整備」につきましては、デジタル市場、グリーンを始めとする様々な分野における実態調査や取引慣行の改善に関する提言等の唱導機能、いわゆるアドボカシーの強化に必要な経費として2億2200万円を要求しております。
 続きまして、機構・定員につきましては、いわゆる「骨太の方針」や「新しい資本主義実行計画」等において、転嫁対策やフリーランス新法の執行体制強化等が掲げられておりまして、それらも踏まえた要求をしております。
 まず、機構につきましては、フリーランス新法の施行等に伴う体制の強化として、一つ目は官房審議官(取引適正化担当)の新設、それから二つ目としまして、経済取引局取引部取引企画課フリーランス取引適正化室の新設、また、競争政策の発信力強化や人的基盤の更なる強化に向けまして、三つ目の項目でありますが、官房総務課広報・広聴室の新設、それから四つ目としまして、官房人事課企画官(人材戦略担当)の新設を要求しております。
 また、定員につきましては、フリーランス新法の施行に伴う執行体制の強化のため20名の増員を要求するなど所要の体制整備に向けた要求を行っております。
 以上が公正取引委員会の令和6年度の概算要求の内容となります。

ソウル国際競争フォーラム

 それから、二つ目のトピックスでありますソウル国際競争フォーラム及び日韓トップレベル会合の開催についてお話しします。
 昨日9月5日、韓国・ソウルで、韓国公正取引委員会の主催により、ソウル国際競争フォーラムが開催され、公正取引委員会からは、古谷委員長、岩成経済取引局長、田中官房審議官(国際担当)ほかが参加しました。古谷委員長は、「現代の経済における効果的な企業結合審査」をテーマとしたセッションに登壇し、公正取引委員会の企業結合審査が、現代経済を特徴付けるデジタル化へどのように対応しているのか、企業結合ガイドラインの改定や昨年6月のステートメントの公表等の紹介を交えて発表を行っております。
 また、同日、古谷委員長は、ハン・キジョン韓国公正取引委員会委員長とトップレベル会合を行いました。公正取引委員会は、韓国公正取引委員会との間で定期的に意見交換を実施してきましたところ、新型コロナウイルス感染症拡大等を受けまして、近年は実績がございませんでした。今般、ソウル国際競争フォーラム出席のために古谷委員長が訪韓した機会を捉えまして、会談が実現したものでございます。
 トップレベル会合におきましては、両当局における最近の取組に関して活発な議論が行われ、古谷委員長からは、デジタル分野におけるエンフォースメント及びアドボカシー活動や、グリーン社会の実現に向けた活動等について紹介しました。会談では、両当局の間で活発な意見交換が行われ、継続して意見交換を行っていくことを確認しております。
 公正取引委員会は、韓国公正取引委員会との関係を深め、緊密な連携を行っていきたいと考えており、今後も、様々な機会を捉えて、トップレベル及びスタッフレベル両方での対話を継続してまいります。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 概算要求につきまして、新聞発表文を見ますと、予算の項目の二番目にある「中小企業に不当に不利益を与える行為の取締り強化」が最も増額になっています。これが、例えば人的な面など、どういったことに最も予算が充てられる予定なのか教えてください。
 あともう一点、機構・定員の項目に「官房人事課企画官(人材戦略担当)の新設」とありますが、これはどういった業務を担当するのか教えてください。
(事務総長) まず一点目の御質問である「中小企業に不当に不利益を与える行為の取締り強化」についてですけれども、ここが4億4700万円の増額となっております。この増額の最も大きな部分という意味では、いわゆる優越Gメンと呼ばれております、優越的地位の濫用が疑われる事業者に立入調査などを行う非常勤の職員を増員するという経費が最も大きくなっておりまして、その経費の増額が約3億円でございます。
 それから、官房人事課企画官(人材戦略担当)についての御質問ですけれども、DXへの対応等、広がりを見せる組織課題に着実に公正取引委員会として対応していくためには、優秀な外部人材の登用に加えまして、既存の職員の能力を向上させ、組織パフォーマンスの最大化を目指す必要がございます。そのためには、従来の人事運用から一歩踏み込んだ戦略的な人事政策を行うことが必要不可欠と考えております。また、令和5年度人事管理運営方針におきましても、「府省等ごとに人材の確保、育成についての考え方や具体策を明らかにする人材戦略の策定に着手する」とされておりますなど、人材戦略の策定が急務となっています。これらの状況を踏まえまして、人材戦略の策定を始めとする戦略的人事管理を専担する官房人事課企画官(人材戦略担当)の新設を要求することとしております。
(問) 日韓トップレベル会合について伺います。今回、日本の公正取引委員会委員長との会談が何年ぶりだったかを教えてください。それから、韓国の公正取引委員会はプラットフォームに対するエンフォースメントを積極的に行っていると思うんですけれども、日本とアジアの当局として、どのような課題があるのかとか、海外プラットフォームに対しては、外国にある会社であるといったいろいろな共通課題があると思いますので、その辺りをお話しいただける範囲内でお願いします。
(事務総長) まず、韓国公正取引委員会と当局とは、これまで25回の意見交換を実施しておりまして、直近では、平成30年9月にソウルで意見交換を行っております。
 また、トップレベル会合におきましては、先ほど申し上げましたように、デジタル分野におけるエンフォースメントやアドボカシー活動といったテーマでお話をさせていただいております。こちらにつきましては、アジアで共通の問題であり、デジタルプラットフォームは、世界的に同じような共通の問題だと思いますので、そういう状況を踏まえながら、デジタル分野における日韓双方の競争法の執行や競争政策の両面の展開について、幅広く意見交換をさせていただきました。
(問) 機構の新設についてお尋ねします。今回、官房総務課広報・広聴室を新設されるということですが、このタイミングで新設する狙いを教えてください。
(事務総長) 公正取引委員会の法執行やアドボカシー活動の効果を最大限に発揮させ、まずは違反行為を未然に防止する、更には規制改革・取引慣行の改善を図るためには、個々の法執行等の活動内容のみならず、独占禁止法や競争政策の理念等を社会全体に幅広く知っていただくことに加えまして、競争政策上の課題やニーズ等を常に的確に把握する必要がございます。このため、戦略的かつ効果的な広報・広聴活動が重要になると考えております。
 こうした戦略的かつ効果的な広報・広聴活動を行っていくためには、この広報・広聴活動に関する専属の部署が、マスコミ等を始めとする関係者との調整等を円滑に進めながら、広報・広聴に係る的確な計画立案及び対応を行う必要があることから、官房総務課広報・広聴室の新設を要求することとしております。
(問) 今回の概算要求では、フリーランス新法の執行に向けて、機構・定員として20人の増員、官房審議官(取引適正化担当)やフリーランス取引適正化室の新設等体制の強化が行われますが、改めて、フリーランス新法について公正取引委員会としてどのように取り組んでいかれるのかという、その思いをお伺いします。
(事務総長) フリーランス・事業者間取引適正化等法、いわゆるフリーランス新法ですけれども、これが先の通常国会で成立したところでございます。「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」及び「骨太方針2023」におきまして、本法の十分な周知・啓発、それから執行体制や相談体制の充実等に取り組むこととされておりまして、公正取引委員会としましては、同法の施行に向けて万全を尽くす必要があると考えております。そのため、今回の体制の整備、それから必要な予算の要求を考えているものでございます。
(問) それから、フリーランス取引適正化室は、どのような組織なのか、何人体制で何を行う部署なのかということを教えてください。
(事務総長) 基本的には、フリーランスの新しい法律につきまして、これから執行を行っていくということでございまして、この執行に当たりましては、各業種における取引実態を十分に踏まえて執行を行っていく必要がございますので、新しい法律でもあり、しっかりとした体制を組んでいくことが非常に重要であると考えております。したがいまして、この新たな室を準備いたしまして、執行に向けて万全を期すようにしていきたいと考えております。
(事務方) 体制につきましては、事務方から御回答させていただきます。体制の人数につきましては、既存の体制等も活用しながら、今回の新規要求等と合わせまして、フリーランス取引適正化室として計23名で構成をすることを、現状予定しているところです。

以上

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