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令和5年11月29日付 事務総長定例会見記録

令和5年11月29日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年11月29日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

第225回 独占禁止懇話会の議事概要の公表について

 本日は、本年10月24日に開催した第225回独占禁止懇話会の概要についてお話しいたします。
 独占禁止懇話会は、我が国経済の変化に即応して競争政策を有効かつ適切に推進するため、公正取引委員会が国民各層の意見を広く聴取するとともに、独占禁止法の運用について国民各層の理解を深めることを目的として開催しているものです。
 今回の独占禁止懇話会では、三つの議題について、事務総局から御説明いたしました。また、冒頭、事務総局から最近の動きについて数点紹介いたしました。昨日公表したお手元の議事概要の中から、各議題や紹介事項における主な御意見等を紹介いたします。
 冒頭の紹介事項のうち、「Google LLCらによる独占禁止法違反被疑行為に関する審査の開始及び第三者からの情報・意見の募集について」では、「デジタル分野のビジネスは実態の解明が難しいところ、そうしたビジネスについて知見のある人材の積極的な登用や調査権限の活用による積極的な審査を通じて、寡占の弊害が生じていないかしっかりした点検を期待している。」といった御意見を頂いております。これに対して、「デジタル分野への対処は非常に重要な課題と認識しており、適切な人材の登用や調査権限の活用も検討しつつ、適切に対応してまいりたい。」旨を御説明いたしました。また、「「グリーン社会の実現に向けた事業者等の活動に関する独占禁止法上の考え方」の改定の検討について」では、「設備の共同廃棄等の企業間の協力に関する方針や事例について、より具体的にガイドラインに明記いただきたい。」といった旨の御意見がございました。これに対して、「経済界の意見や個別の相談の中で得られた知見等も踏まえ、考え方を更に明らかにしていく形でガイドラインを見直してまいりたい。」旨を御説明いたしました。
 一つ目の議題の「公正取引委員会のEBPMに関する取組」では、資料1ページの末尾にあります一つ目の○や2ページの冒頭にあります一つ目の○ですが、「独占禁止法違反行為の再発防止のためには、中小企業の事業者団体の役割が重要であり、また、経営トップの関与が非常に大切であると感じた。」といった御意見を頂いております。これに対して、「事業者団体等と連携しつつ、中小企業の経営者や従業員に対しても広報・周知に努めてまいりたい。」旨を御説明いたしました。
 二つ目の議題の「ニュースコンテンツ配信分野に関する実態調査」では、資料2ページの末尾にあります一つ目の○ですが、「デジタル化の進展に伴い、ニュース検索表示等における公正性・透明性の確保は、事業者間取引の観点からはもちろん、消費者の合理的な選択、更にはより広く民主主義社会の発展にとっても極めて重要であり、今回の調査報告書の指摘はとても貴重である。」といった御意見を頂いております。これに対して、「消費者が自主的かつ合理的な選択ができる環境整備が重要であり、実態調査を通じて解明した事実について、消費者の方にもよく知っていただきたい。」旨を御説明いたしました。
 三つ目の議題の「令和4年度における企業結合関係届出の状況及び主要な企業結合事例」では、「マイクロソフトとアクティビジョン・ブリザードの事例について、国・地域ごとに判断の違いが生じるのはなぜか。」といった御質問を頂いております。これに対して、「一般論として、国・地域ごとの当事会社の地位や需要者の動向等が各当局の判断に反映されるものであり、今回の事例では日本においては当事会社による需要者への影響力が諸外国と比較して小さかったことが、今回の判断の背景の一つであると考えている。」旨を御説明いたしました。
 公正取引委員会としましては、今回頂いた御意見等も踏まえまして、今後とも、競争政策を有効かつ適切に推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 本日公表と聞いている、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針について、事務総長としては、発注者側、受注者側、それぞれに対してどういったことを求めていかれるのかを、まだ公表前ではありますが、言える範囲でお願いします。
(事務総長) 賃金の引上げを実現していくという観点から、特に我が国の雇用の7割を占めている中小企業が、労務費を適切に転嫁できるよう取引環境を整備していくということが非常に重要であると考えております。公正取引委員会では、今年5月から労務費の転嫁に重点を置いた特別調査を行っております。こうした中で業界ごとの実態把握を進めてきており、これらの結果も踏まえまして、内閣官房とともに労務費の転嫁に関する指針を策定し、公表するという段取りになっております。
 本指針は、発注者と受注者双方にとっての行動指針であり、それぞれが採るべき行動を取りまとめる予定でございます。また、独占禁止法上の優越的地位の濫用又は下請法上の買いたたきとして問題となるおそれのある行為についても明らかにするものでございます。労務費の指針の骨子が、既に政労使会議における資料で示されておりますが、そういった内容を盛り込むことになります。実際の価格交渉の場において役立てていただけるような実効性のある指針として出来上がっているものと考えておりますので、今後とも労務費の転嫁がしやすい取引環境を実現できるように実効性を持たせていきたいと考えております。
(問) 今の実効性という観点につきまして、独占禁止法上の優越的地位の濫用や下請法上の買いたたきに当たるという場合は、その法執行も念頭に置きながらこの指針を活用していくという理解でよろしいでしょうか。
(事務総長) 御理解のとおりです。

以上

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