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令和5年12月13日付 事務総長定例会見記録

令和5年12月13日付 事務総長定例会見記録

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和5年12月13日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

OECD競争委員会12月会合及び関連会合について

 本日は、OECD競争委員会の12月会合及び併せて開催されました関連会合について御紹介いたします。これらの会議は、12月4日から12月8日までフランス・パリで開催されまして、公正取引委員会からは青木委員、田中国際審議官等が出席しております。
 OECD競争委員会は、OECD加盟国38か国の競争当局が中心となり、競争法・競争政策に関する各国共通の課題について、議論を行っております。当委員会は、日本が1964年にOECDに加盟して以来、OECD競争委員会のメンバーになっています。現在は、青木委員が、OECD競争委員会の幹事会であります「ビューロー」のメンバーに就任しているほか、ICNとOECDの活動内容の調整や連携を担う「ICNコーディネーター」も兼務しております。
 OECD競争委員会は、本会合、競争と規制に関する第二作業部会及び国際協力と執行に関する第三作業部会を、それぞれ、毎年2回、6月及び12月頃に開催しています。このほか、関連会合として、OECD加盟国以外の国・地域も参加する「競争に関するグローバルフォーラム」や、アジア・太平洋地域の競争当局の幹部等による「アジア太平洋競争当局ハイレベル会合」も、毎年12月頃の競争委員会会合に併せて開催されています。
 OECD競争委員会におきましては、加盟国によるその時々の問題意識等を反映して議題が決まります。今回の会合では幅広いテーマが議題として取り上げられておりまして、当委員会からは、「競争とプロスポーツ」、「競争法執行におけるイノベーションの機能」等複数のテーマについて貢献文書を提出し、会合で日本の取組を紹介するなど議論に参加いたしました。
 このうち、本会合の「競争法執行におけるイノベーションの機能」に関しましては、本年6月に公表した「イノベーションと競争政策に関する検討会」中間報告書の内容等を踏まえた貢献文書を提出しておりまして、さらに会合当日、青木委員が、中間報告書の概要や日本におけるイノベーションを考慮した企業結合審査の事例につきまして、プレゼンテーションを行いました。
 当委員会としては、OECD競争委員会を含む国際的な枠組みにおきまして、引き続き、積極的に議論に参加し、貢献を行っていきたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 2018年12月に確約制度が導入されてから、そろそろ5年となりますが、この5年間を振り返られて、確約手続がどのように運用されてきたか、その評価をお願いします。
(事務総長) 確約手続は、独占禁止法違反の疑いにつきまして、競争上の問題の早期是正を図ることを意図して、公正取引委員会と事業者の合意によって自主的に解決する仕組みでありまして、これまで16件の確約計画の認定を行っております。
 独占禁止法違反被疑行為に対する行政処分として、排除措置命令に加えて、確約計画の認定というスキームができたことにより、迅速かつ効果的な法運用が可能となっておりまして、例えば、優越的地位の濫用の疑いの行為に対して、違反被疑行為の取りやめのほか、従来の排除措置命令では命じていなかった納入業者に対する金銭的価値の回復といった措置を講じるなど、事業者との協調によって競争秩序の回復にとって必要な措置をより迅速かつ効果的に実現できるようになったことが、一番のメリットと考えております。
(問) 不公正な取引方法に関しては、ほとんどの事案が確約手続で処理されており、排除措置命令が出ていないのではないかという声もありますが、これについては、やはり確約手続で進める方が、メリットが大きいという判断なのでしょうか。
(事務総長) 確約手続を巡りましては、様々な御指摘があると承知しております。確約手続に付すかどうかは、公正取引委員会が、公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があると認められるかどうかを個別具体的な事案ごとに判断しております。
 確約手続で処理した事案につきましては、確約計画の認定時の報道発表資料におきまして、可能な限り、独占禁止法上の考え方について記載するなど、記載については充実させてきておりまして、今後とも公表内容の充実には努めていきたいと考えております。
(問) 確約手続につきまして、今後どういった形で運用していきたいか、より良い制度の運用に向けてどういったことが求められるか、お考えをお願いします。
(事務総長) 排除措置命令だけではなくて確約計画という、ある種のツールを我々は有しております。それぞれの個別事案における競争上の問題を、いかに効果的に解決していくかという観点が重要であり、その個別事案の性格に応じた処理を行っていくことが必要と考えておりますので、今後とも確約手続につきましては、それにふさわしい事案において活用してまいりたいと考えております。
(問) 話題が変わりますが、昨日東京地裁において、オリンピック談合事件についての判決が出ました。テスト大会だけでなく、本大会も含めて判断されたわけですけれども、お話しできる範囲で判決についての受止めを教えてください。それから、今後の公正取引委員会による行政上の手続についても教えてください。
(事務総長) 今回の有罪判決につきましては、公正取引委員会による調査と検事総長に対する告発、それから検察当局による起訴等が最終的に結実したものであると考えております。公正取引委員会としましては、今後とも告発方針に基づきまして、告発を相当とする事実が認められた場合には、積極的に刑事告発を行う方針でございます。
 今後の行政上の措置についてでございますが、一般論としまして、通常、刑事手続の後に行政部門における審査を行うということになりますけれども、本件について、行政上の審査を行い、措置を採るかどうかにつきましては、現段階ではお答えは差し控えたいと思います。

以上

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