ホーム >報道発表・広報活動 >事務総長定例会見 >令和6年 >4月から6月 >

令和6年5月22日付 事務総長定例会見記録

令和6年5月22日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

無し

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和6年5月22日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

委員等による工場等訪問及び懇談会の実施について

 本日は、公正取引委員会の委員及び事務総長による、工場等訪問及び懇談会についてお話しいたします。
 公正取引委員会では、独占禁止法の厳正かつ迅速な執行と併せて、独占禁止法や競争政策の考え方を広めるための広報・広聴活動に精力的に取り組んでおります。このうち、広聴活動の一環といたしまして、公正取引委員会の委員及び事務総長が、直接、事業者の工場等を訪問し、懇談するという取組を行っております。
 近年は、政府全体が中小企業の適正な価格転嫁の実現に力を入れておりますが、原材料費や労務費、エネルギーコスト等の費用は上昇する一方で、適正な価格転嫁の実現に向けた取組が一層重要となっておりまして、そのために事業者の置かれた状況をより正確に理解することが求められております。こうした問題意識の下、公正取引委員会においては、第一に、全国各地の独占禁止政策協力委員の皆様から御意見・御要望を伺うといった活動や、第二に、全国の主要都市を訪れて地方の有識者の皆様から御意見・御要望を伺うといった活動を行っております。これら広聴活動に加えまして、委員及び事務総長が各地を訪れる機会を活かしまして、実際の事業活動の場を訪れる取組を行っております。この取組におきましては、事業者の工場等を訪問して企業活動の現実を肌身で体験するとともに、事業者を取り巻く環境をより正確に理解するため、事業者から「生の声」を伺うこととしております。
 令和6年度においては、北海道から沖縄まで全国の9箇所におきまして、公正取引委員会の委員及び事務総長による、事業者の工場等訪問及び懇談会を実施し、事業者の皆様からの「生の声」を直に聴き取ってまいる予定でございます。
 公正取引委員会は、引き続き、広報・広聴活動を意欲的に行うとともに、地方に所在する事業者の御意見・御要望もしっかりとお聴きしまして、公正かつ自由な競争の実現に向けた競争政策に反映してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 今朝報道もありましたけれども、昨日、自民党の部会において価格転嫁の実現に向けた提言案が取りまとめられ、今後政府に提出されると思いますが、下請法の改正、特に転嫁が進んでいない運輸業界への取組について、今後どのように検討されていくのか、教えていただければと思います。
(事務総長) お尋ねの件につきまして、報道は承知いたしております。自民党中小企業・小規模事業者政策調査会、競争政策調査会合同会議におきまして、価格転嫁を新たな商習慣として定着させていくという観点から、下請法改正について議論され、その項目の一つとして、発荷主と物流事業者との間の取引についても下請法の対象とすることを検討すべき、との内容を含む提言が取りまとめられる予定と承知しております。公正取引委員会といたしましては、取引慣行の実態や価格転嫁の状況を検証しつつ、こういった与党の議論等も踏まえまして、下請法改正の要否を含め、幅広く必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

(問) 3月に公正取引委員会が下請法違反として日産自動車に勧告を行いましたが、報道によると、その後も下請事業者の中には今も価格が据え置かれているとか、状況が変わっていないという声もあるようです。公正取引委員会においては、このような報道についてどのような見解をお持ちでしょうか。
(事務総長) 日産に対しましては、下請法に違反する減額行為があったとして、本年3月7日に勧告を行っております。勧告に先立ちまして、当委員会が下請法違反を認定した36社への下請代金の減額行為については、既に返金がされたことを確認しております。他方、当該勧告におきまして、日産に対しては、「今後、下請法に違反することがないよう」法務担当者による定期的な監査など、所要の改善措置を採ることを求めているところでございます。報道されておりました個別の行為につきましては、この場で言及することは差し控えたいと思いますが、まずは日産における改善措置の実施状況について注視してまいりたいと考えております。
 今般、「今後、下請法に違反することがないよう」「経営責任者を中心とする社内遵法管理体制の整備のために必要な措置を講ずること」という勧告を行っているところでございます。日産におかれましては、同社における経営トップのリーダーシップの下、購買部門等の現場を含め隅々に至るまで、こういった問題の根絶に向けた改善措置が採られる旨の報告が行われるものと考えております。

以上

ページトップへ