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令和6年7月17日付け 事務総長定例会見記録

令和6年7月17日付け 事務総長定例会見記録

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和6年7月17日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

第227回 独占禁止懇話会の議事概要の公表について

 本日は、本年6月7日に開催いたしました、第227回独占禁止懇話会の概要についてお話しいたします。独占禁止懇話会は、我が国経済の変化に即応して、競争政策を有効かつ適切に推進するため、公正取引委員会が国民各層の意見を広く聴取するとともに、独占禁止法の運用について、国民各層の理解を深めることを目的といたしまして、昭和43年11月以降開催しているものであります。今回の会合では、事務総局から3つの議題について御説明いたしました。昨日公表したお手元の議事概要の中から、各議題における主な御意見などを御紹介いたします。
 1つ目の議題の「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案」について、同法律案は6月12日に成立しておりまして、6月19日に公布されているものでございます。4頁目の一番上の丸にございますけれども、「今回の法律が施行された後、ユーザー側がどのように対応していくのがよいのかといった点に関するユーザーのリテラシーを向上させる方策について、見通しを教えていただきたい。」といった御質問を頂き、これに対し、「本法律案を実効的に運用していく上で、ユーザーの選択を通じた競争の促進やユーザーの安心・安全を確保した上での競争環境整備が重要であり、例えば新規参入事業者のセキュリティ上の措置の内容やセキュリティ上の問題発生事例等の情報について、ユーザーに適切に提供していく方法について検討していきたい。」旨を御説明しております。
 2つ目の議題の「令和5年度における下請法の運用状況及び中小事業者等の取引公正化に向けた取組(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の施行に向けた準備状況を含む)」について、この議題では、5頁目の一番上の丸にありますように、「フリーランス法の11月の施行に向けて、中小企業にとって分かりやすく広報が行われているところ、11月が下請取引適正化推進月間であるため、下請法とともにフリーランス法について広報するなど、引き続き広報を強化していくようお願いしたい。」といった御意見を頂戴しており、これに対し、「現状として、フリーランス法の名前は知っていても中身までは把握していないという場合も多く、周知・広報に関する下請法との連携対応も含めて、しっかり広報を行っていきたい。」旨を御説明をしております。
 3つ目の議題の「令和5年度における独占禁止法違反事件の処理状況」では、5頁目の一番下の丸ですけれども、「電力・ガスの自由化については、経済産業省で検討が進められ、制度設計がなされているが、公正取引委員会で事件として取り上げたものをきっかけとしたものも多く、引き続き、電力・都市ガス分野における法執行を適正に行っていただきたい。」といった御意見を頂きまして、これに対して、「引き続き、電力・都市ガス分野における競争制限行為に対して注視していきたいと考えている。」旨を御説明をしております。
 公正取引委員会といたしましては、今回頂いた御意見なども踏まえ、今後とも競争政策を有効かつ適切に推進してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 生成AIについての実態調査を始めることを検討しているという報道がありましたが、これについて、まず事実かどうか教えてください。
(事務総長) 現状の生成AIの関連市場につきましては、毎週のように新たな情報がアップデートされているなど、非常に流動的な状況でございます。そうした状況を踏まえ、公正取引委員会としては、高い関心を持って、生成AIの動向を注視しているところでございます。その上で、現在、生成AIの関連市場に関して、実態調査を実施することを検討しているということでございます。
(問) 関連市場というのは、具体的にどのような市場になりますか。
(事務総長) どういうところを対象にするかも含めて、現在、どのような調査を行うかを検討しているということでございます。
(問) 開始時期について、何か目途があれば教えてください。
(事務総長) 現在、生成AIの関連市場に関する実態調査の実施を検討している段階ということでございますので、具体的な段取りについては、現状、何も決まっていないということでございます。ただ、調査を実施するに当たっては、一定の準備期間は必要と考えております。また、イタリアで、この秋に開催されるG7においても、生成AIを巡る競争上の論点というのが一つの中心的なテーマとなることが見込まれますので、そういった事情を踏まえて、具体的なスケジュールを決めていくと考えております。
(問) 去年のG7の競争当局エンフォーサーズ・ポリシーメイカーズサミットのコミュニケの中でも、人材と計算能力を持っている既存の巨大プラットフォームが競争優位にあって、それを生成AIの開発市場でも行使して、非競争的な行為をしないか注視していくというような文章が入りましたけれども、生成AIに関連して、隣接市場との関連も含めて、反競争行為や競争排除など、具体的にどういった懸念点が現時点であり得るか、コメントいただいてもよろしいでしょうか。
(事務総長) G7においてということでしょうか。
(問) 公正取引委員会としてどのようにお考えでしょうか。
(事務総長) 生成AIの開発、提供、活用に関して、想定される独占禁止法上及び競争政策上の論点につきましては、例えば、アクセス制限の問題として、既存のビッグテックなど、少数の事業者に集中していると考えられる半導体、あるいはクラウド、専門人材、大量の良質なデータなどのリソースの競争者への提供が人為的に制限されることで、基盤モデルの分野における競争が制約されるといった論点や、自社優遇の関係で、基盤モデルの提供事業者が、自社が提供する商品やサービスが有利に出現するように当該基盤モデルを開発する可能性があるといった論点、さらには、抱き合わせや囲い込み、企業結合や提携、エコシステムの形成といったところについては十分予想される論点ということで、公正取引委員会としても考えておりますので、そういったことを十分に念頭に置いて、今後とも状況を注視してまいりたいと考えています。

以上

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