[配布資料]
なし
[発言事項]
事務総長定例会見記録(令和6年11月6日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)
労務費転嫁指針の普及啓発動画について
本日は、昨年11月に内閣官房と連名で策定いたしました、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」、略して「労務費転嫁指針」と呼んでおりますけれども、こちらの普及啓発動画についてお話しいたします。
この動画は10月9日の定例会見におきまして、下請取引適正化推進月間の実施についてお話しした際に、「現在作成中で11月に公開する予定」と御説明していたものです。労務費転嫁指針は、労務費の価格転嫁を通じて、中小企業の賃上げの原資を確保することが極めて重要であるとの認識の下、その取引環境の整備の一環として、発注者、受注者それぞれの立場から、価格交渉の際に採るべき行動、求められる行動を12の行動指針として示したものであります。この指針をより多くの方々に分かりやすく周知するための動画を作成し、下請取引適正化推進月間でもある今月に公開いたしました。
動画の内容につきましては、指針に基づき、発注者、受注者それぞれの立場で、価格交渉においてどのような行動が望ましいか、○×クイズ形式で紹介するものとなっております。百聞は一見にしかずと申しますので、ここで動画の実物を御覧いただきたいと思います。
「労務費転嫁指針○×クイズ~入門編~」
今御覧いただきましたのは、導入問題ということでございますけれども、こちらに加えまして、12の行動指針に対応した12問の合わせて13問を、問題ごとに確認できる1分程度の動画13本と、動画と同じ内容のYouTubeショートを同じく13本公開しております。また、このようなクイズにそれぞれ解説を加えた10分程度の解説動画も1本公開しております。
それでは、皆様に1問出題したいと思いますので、一緒に考えていただきたいと思います。
「労務費転嫁指針○×クイズ ~Q1~」
○と思われる方はいらっしゃいますか。では、×と思われる方はいらっしゃいますか。それでは、続きを見てみます。
「労務費転嫁指針○×クイズ ~Q1~」
いかがだったでしょうか。当委員会の取組をよく知っていただいている皆様には簡単だったかもしれません。これらの動画を全て、公正取引委員会のホームページやYouTubeにて御覧いただけるようにしております。
それから、周知の方法でございますけれども、政府広報とも連携し、電車やタクシーなどの交通広告でも、来週11日月曜日から放映予定になっております。そのほか、テレビCMや全国ネットでのラジオCM、ウェブ広告などでも周知をしております。また、中小企業庁とも連携の上、10日日曜日に放送予定のTBSラジオ番組におきまして、こうした取組内容の紹介をいたします。
公正取引委員会としましては、引き続き分かりやすい情報発信を行い、労務費転嫁指針を始めとする価格転嫁対策の取組について、積極的な周知広報に努めてまいりたいと考えております。メディアの皆様方におかれましても、引き続き当委員会の取組についての御理解、御協力をお願いいたします。
私からは以上です。
質疑応答
(問) これまで労務費の転嫁について、国を挙げて、半ば国策的に行われているところもあるかと思いますが、ここまでの手応えや反響というものに関して、感じられているものがあれば教えてください。
(事務総長) 価格転嫁の状況全体について、これまでどのように分析してるかということですけれども、令和5年に実施した特別調査の結果、協議を経ない取引価格の据置きなどが確認された事業者に対して、注意喚起文書を送付いたしておりますが、令和4年の緊急調査と令和5年の特別調査を比較すると、回答者数に占める送付件数の割合は、4.1ポイント減少しているような状況でございました。この観点からみますと、一定程度、価格転嫁円滑化の取組が進んでいると考えられると思います。一方、発注者側から積極的に価格協議の場を設けることが重要であるということを周知徹底していくとともに、経営トップから価格協議の担当者まで、また、大企業だけではなく我が国の雇用の7割を占める中小企業、そして、都市部だけでなく、地方にも取組を浸透させていくことが重要と考えております。正に、そうした方たちに向けた周知活動として、今回公開した動画というのは効果的かと考えております。
労務費転嫁指針につきましては、これまで様々な周知徹底の方法を用いまして、日本の隅々まで情報を届けるようにしてきております。全体の状況というのは、今後特別調査の結果、年内に特別調査の結果を出していこうと考えておりますけれども、その中で分析できるかと考えております。ただ、様々な声が聞こえてまいりますけれども、原材料のところは転嫁できるけれども、なかなか労務費は難しいといった声がまだ存在するということはございます。
以上