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令和7年1月29日付け 事務総長定例会見記録

令和7年1月29日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和7年1月29日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

映画・アニメ分野の制作に携わるクリエイターと制作会社との取引等に関する情報提供フォームの設置について

 本日は、公正取引委員会が現在実施しております、クリエイター支援のための取引適正化に向けた実態調査の一環として、皆様から情報提供をしていただくための情報提供フォームの設置について紹介いたします。
 公正取引委員会は、これまでも人材分野・芸能分野における公正かつ自由な競争を促進するための様々な取組を進めてきておりまして、昨年12月26日には、音楽・放送番組等の分野の実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査報告書を公表いたしました。
 そして、今月からは、映画・アニメの制作現場におけるクリエイターの取引環境に係る実態調査を開始しております。映画・アニメの制作現場においては、多重下請構造も多く、制作現場には十分収益が還元されていない旨の指摘がございます。クリエイター個人の創造性が最大限発揮される取引環境を整備することは喫緊の課題であります。関係各位におかれましては調査に御協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
 お手元にお配りしました資料に記載のとおり、本日、今回の調査の一環として、公正取引委員会のホームページ上に専用の情報提供フォームを設置いたしました。例えば、契約書や発注書面がない、発注者から一方的に著しく低い対価を押しつけられた、理由もないのに発注を取り消された、報酬なく無理なリテイクを依頼されたなどの問題につきまして、映画・アニメの制作現場で働く方々からの情報提供を広くお待ちしております。
 なお、本件の担当は取引部取引調査室です。
 私からは以上です。

質疑応答

(問) 昨年末には、音楽・放送分野についての実態調査を公表されて、今回、映画・アニメ分野ということですが、世界的にも日本はいろいろ注目されているということも含めてこの順番になったのでしょうか。
(事務総長) クリエイターの方々が自由に経済活動を行う、かつ、その中で高い付加価値を生んでいるということが指摘をされておりまして、それが日本にとっても代表的な産業になり得るというような指摘がございます。こういった観点も踏まえまして、新しい資本主義実現会議などにおいて、クリエイターに収益が還元されるためには、取引慣行を適正化する必要があるなどの指摘がございまして、このような観点も含めて、幅広く実態を把握していこうということで今回の調査に至ったということでございます。
(問) 寄せられた情報の中で、悪質な情報が寄せられた場合、事件化というのもあり得るのでしょうか。
(事務総長) 今回は、ある一定の領域についての実態調査ということでありますので、今回集まった情報によって、それがそのまま事件につながるというわけではございません。
(問) 前回の芸能の調査では、例えば、優越的地位の濫用に当たるおそれがあるというような形で報告書を公表されており、今回も同じような形の取りまとめになるとは思いますが、特にこの業界だと、下請法やフリーランス法についても該当するものが多岐にわたると思います。そういう観点も含めて分類していくことになるのでしょうか。
(事務総長) 先ほども申し上げたように、こういった映画・アニメの制作現場については、多重下請構造も多いということがございますので、それに付随した一般的な問題が起こり得ることが考えられますし、実際そういう指摘も受けているということでございますので、その辺りの実態をよく把握して、独禁法上、あるいは下請法、フリーランス法の観点からどういう問題があるのかということをよく整理していきたいと考えています。
(問) 実態調査については、報告書の取りまとめなど、具体的なめどはありますでしょうか。
(事務総長) 実態調査を行って、最終的には、何らかの形で調査の報告書というものを作ろうということを考えております。結果の公表時期につきましては、現在調査を開始して間もない段階でございますので、確定的なことは申し上げられませんが、令和7年内をめどに公表できればと考えています。
(問) 調査対象としては、基本的に下請というよりは、個人のフリーランスの方を対象としていて、個人の方と映画・アニメの制作会社との取引というイメージでしょうか。下請のような中小企業を対象とした調査ではないということでしょうか。
(事務総長) 先ほども申し上げたように、映画・アニメの制作現場については、多重下請構造となっていて、何段階かの取引段階があるということで、その全体像について、実態を把握したいと考えておりますので、必ずしもクリエイターの部分だけに着目しているわけではないということです。
(問) 今回の調査結果を報告書にまとめた上で、更にガイドラインのようなものを策定する予定はございますでしょうか。
(事務総長) 昨年末に公表した実演家と芸能事務所との取引等に関する実態調査につきましては、今後、ガイドラインを策定していく予定となっておりますが、映画・アニメの分野において、今後どのようにするかというのは、それぞれの分野の取引実態を把握した上で、どういったことが必要なのかをよく見極めた上で対応したいと思っています。
(問) 今回の実態調査の対象である映画やアニメなどの領域でのクリエイターの方々の取引実態についての調査というのは、過去にも行ったことがあったのでしょうか。
(事務総長) 平成21年1月に、アニメーション産業に関する実態調査報告書というものを公正取引委員会で出しております。
(問) 今回改めて実態調査をするということですが、前回の実態調査の結果の課題と、今回の調査の意義についてお聞かせください。
(事務総長) 前回の調査においては、例えば、取引条件について協議が十分になされているかどうか、発注書面が交付されているかどうか、あるいは発注後の取引の在り方について、取消しがあったり、やり直しがあったり、そういう問題があったというような指摘がされておりますけれども、今回も同様の視点は持っていきたいと考えております。前回は、平成21年ということで、そこから時間もたっておりますし、業界を巡る様々な状況も変わっていると思いますので、新たな最新の情報に基づいて、問題を整理し、必要があれば提言をしていきたいと考えております。
(問) 多重下請が多い業界だということですが、その多重下請けが多い業界であるということの背景には何があるのでしょうか。
(事務総長) その点については、正にそれぞれの業界の実態だということだと思いますので、現段階で我々として考えがあるものではなく、そこはよく実態を見極めていきたいです。

以上

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