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令和8年1月21日付け 事務総長定例会見記録

令和8年1月21日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和8年1月21日(水曜)13時30分~於1106会議室)

有識者と公正取引委員会との懇談会で出された主な意見について

 本日、私からは、昨年11月と12月に全国8都市で開催しました、有識者と公正取引委員会との懇談会についてお話しいたします。
 この有識者との懇談会は、公正取引委員会の委員や事務総長が、全国の主要都市の有識者の方々と直接意見交換を行い、独占禁止法の運用を始めとする競争政策への理解を一層深めていただくとともに、各地域の実情や公正取引委員会への御意見・御要望を承り、今後の独占禁止法等の適切な運用に生かしていくことを目的として、毎年開催しているものです。
 昨年の10月22日の定例会見で、一日公正取引委員会と併せて開催の御案内をさせていただいておりまして、本日はその懇談会でいただいた御意見を御紹介するものでございます。ここからは、有識者からいただいた主な御意見について御紹介させていただきます。
 まず、今回の懇談会では、中小事業者等の取引適正化に関する御意見を数多くいただきました。
 適正な価格転嫁の実現に向けた取組に関して、配布資料の1(1)にありますように、サプライチェーン全体で適切な価格転嫁が実現できるよう、更なる取組の強化を求める御意見、また、配布資料の1(2)にありますように、取適法の対象とならない取引における商慣習の適正化を求める御意見や、現在企業取引研究会においても議論されております知的財産・ノウハウの取引適正化に係る御意見もいただきました。さらに、配布資料の1(3)にありますように、フリーランス・事業者間取引適正化等法に関して、受注者及び発注者の双方への啓発活動が重要であるとの御意見もいただきました。
 次に、独占禁止法の運用に関しては、配布資料の2にありますように、悪質な入札談合やカルテル事案に対しては、さらに重たいペナルティを科すことで抑止力を高めるべきといった御意見をいただきました。
 また、昨年12月に施行されたスマホソフトウェア競争促進法に関しては、配布資料の3にありますように、消費者への影響に関する情報提供や海外当局との連携を求める御意見をいただきました。
 公正取引委員会といたしましては、今回の懇談会でいただいた様々な御意見を踏まえ、今後とも、独占禁止法等に違反する行為に厳正かつ効果的に対処するとともに、公正で自由な競争環境の整備に取り組んでまいります。
 冒頭私からは以上でございます。
 

質疑応答

(問) テーマとは異なる質問なのですけれども、茶谷委員長が、年頭所感で、来年度末に委員も含めると1,000人体制になることも踏まえた体制制度の見直しについての意欲を示しておられ、最近の日経のインタビューでもそのようなことを話されていました。公正取引委員会の中で、人員が増えたことで、どのような課題が生じていて、どのように対処すべきだとお感じになっているのでしょうか。
(事務総長) 最近では、デジタル関係、それから取適法や価格転嫁の関係といった新たな課題に関するものについて、特に重点を置いて人員を増強してきているところであります。まずは、そういった新たな取組を円滑に進めていくというのが大きな課題になります。ただ、中長期的にみれば、今後もいろいろな課題が出てくるのだろうと思いますし、競争政策上の業務が増大するということもあるのだと思います。そういったものにも対応していく上で、公正取引委員会自体の最適な形についての検討も並行してやっていく必要があるのかなというふうに思っております。もちろん、具体的なことにつきましては今後の話であって、まずは、来年度に増強されることが見込まれている人員をいかに活用していくかというところに注力していくのですけれども、それと並行して中長期的なことも考えていくというところかと思っております。
(問) 近年、価格転嫁であるとか、取引適正化に関する動きが非常に強まっていて、そちらの分野での人員の強化がされていると思うのですけども、取引適正化担当の審議官が、取引部に関わることにも対応しているし、優越的地位の濫用に関わる部分にも対応しているかと思います。2局と部と官房という現在の体制で不便なところがあるのでしょうか。
(事務総長) 今、直ちに、体制の問題で仕事が回らないとかいったところまでの問題があるというわけではないのかもしれませんけれども、より長い目で見て、どういった体制がふさわしいかという検討は不断に行っていく必要があるのかなと思っております。
(問) 配布資料の2頁目のところで、トラック運送業者にとって、独禁法違反行為があったとしても、取引を切られることを恐れるので公正取引委員会に相談することは難しい、公正取引委員会の方で積極的に動いてほしいというようなことが言われています。私が現場で見聞きしているところでも、まさにそのとおりだと思います。やはり密接な関係を持っていれば持っているほど、それを違反ではないかというようなことを問題提起するというのは非常に難しいし、かなり追い詰められて、倒産の瀬戸際に立つようなことにならないと、なかなか公正取引委員会に申告をすることはできないという現状を目の当たりにしています。公正取引委員会は、このことについてどんなふうにお考えでしょうか。
(事務総長) 荷主と運送事業者の問題については、長年、指摘をされているところだと思います。まず、従来の取組でいいますと、荷主と運送事業者との間の取引は、独禁法に基づく特殊指定で規制していて、実態調査なども行ってきたところであります。今年の1月からは、旧下請法、現在では取適法ですけれども、荷主と運送事業者との取引もその適用対象になりましたので、取適法の運用というところでも積極的に対応していく必要があると考えております。
 昨年まで独禁法で対応してきた中でも、やはり、こういう違反行為がありますよとか、こういうことで困ってますという情報がなかなか来ないこともあるということも踏まえて、実態調査的な手法も使ったりして情報を集めるということもしていましたし、あるいは、新しく取適法となった旧下請法の運用においても、同様に申告はなかなか見込めないということがありますので、広く書面調査という形で、質問票を発注側と受注側の両方に送ることによって情報を集めるということもしてきたところであります。
 そういった、いろんなツールを使いながら事実関係を把握していくことが、これからも必要なのだろうと思っております。また、さらにどういった工夫ができるかということはこれからも継続して考えていく必要があると思っております。
(問) 配布資料の5の「地域経済の実情と競争政策上の課題」という項目に、事務総長が行かれた長野地区の懇談会で出た、ガソリンスタンドの経営者さんからの声のお話が挙げられています。人口減少で地域経済が厳しい状況にあるからといって独禁法違反行為をしていいという話ではないのですけれども、実際に事務総長が現地に行かれてお話をお聞きになられて、ここに挙げられている点について感じられた点について、コメントをお願いします。
(事務総長) 配布資料のガソリンスタンドに関する御意見の部分に長野地区とありますとおり、この御意見は私が長野地区の懇談会に行ったときに伺ったものになります。長野のガソリンカルテル事件があった少し後の時期であったものですから、こういった話題も出たところであります。おっしゃるとおり、いずれにせよ独占禁止法に違反するような行為、特にカルテルや談合が許容されるわけではないというのがまず大前提であると思っております。一方で、過疎地などでのガソリンスタンドの経営が難しい局面に来ているということにつきましては、いろいろなところで言われているところでありまして、今回の懇談会でも御指摘があったところであります。
 公正取引委員会は競争政策という視点からアプローチをするわけですけれども、今申し上げた問題についていえば、例えば資源エネルギー庁であるとか、関係する他の省庁などの力も必要な領域かなというふうに思っているところでございます。
 公正取引委員会の視点でできることというのはどうしても限られるわけですけれども、我々としては、カルテルや談合などの行為に対して、我々に与えられたツールをしっかり使って対応していき、それ以外の問題については、事業所管省庁などにおいてできることをやっていくという、それぞれの省庁がそれぞれに必要な取組をしていくことが必要かなと思っているところでございます。
(問) 今、事業所管省庁との連携のようなお話も若干出たんですけれども、今回の懇談会での意見の紹介の中でも、取適法の周知が必要だみたいなことが出ていたと思います。昨年に発表された取適法の解説動画について以前お話をお伺いした当時には、再生回数が980万回を超えたということでしたが、今確認すると1127万回まで増えています。ショートバージョンの動画の再生回数ではありますけれど、ここまで増えていて、さらに何かやるというのはなかなか難しいのではないかとは思うのですけれども、その周知徹底を図るために今年重点的にやる施策であるとか、何か新たに導入することとしている方策とかがあれば、教えてください。
(事務総長) 旧下請法が改正された前後というところで、この秋から今頃にかけて、様々な周知活動を行ってきたところであります。おっしゃったような動画もそうですし、各種の説明会なども積極的に行ってきたところであります。まずはそういうところに注力していくというところかなと思っております。御指摘のあった動画にしましても、それを入口にして、さらに詳しい資料まで関心を持って読んでいただくといいと思っております。そのような、さらに詳しい内容について知識として持っていただいたり、あるいは、会社の中で取適法に関する情報を共有していただけるような仕組み作りの取組を不断に考えていかなければならないと思っているところでございます。

以上

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