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令和8年3月4日付け 事務総長定例会見記録

令和8年3月4日付け 事務総長定例会見記録

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[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和8年3月4日(水曜)13時30分~於1106会議室)

マイクロソフト・コーポレーションらによる独占禁止法違反被疑行為に関する第三者からの情報・意見募集の開始について

 本日は、公正取引委員会が、マイクロソフト・コーポレーションらに対する独占禁止法違反被疑行為について、事件審査を開始したこと、また、第三者からの情報・意見募集を開始したことについてお話しいたします。
 今回の違反被疑行為は、マイクロソフト・コーポレーションらが提供するソフトウェアやサービスを、同社以外の事業者、つまり競合他社が提供するクラウドサービス上で利用する場合の利用条件に関するものです。
 マイクロソフト・コーポレーションらは、Windows Server、Windowsクライアント、Microsoft SQL Server、Microsoft365、Visual Studio等と称するソフトウェア又はサービスを提供しています。ここからは、これらのソフトウェア又はサービスを総称して、「本件サービス」と言います。
 そのマイクロソフト・コーポレーションらが、本件サービスの利用者等に対し、
 ① 本件サービスをMicrosoft Azureと呼ばれる同社のクラウドサービスと競合するクラウドサービス上で利用することを認めない、
 又は、
 ② 本件サービスを競合クラウドサービス上で利用する場合には、Microsoft Azure上で利用するよりも、利用者等の金銭的負担が高額となるように本件サービスの取引条件を設定・変更する
ことによって、競合クラウドサービス提供事業者のクラウドサービス取引の獲得を妨げている疑いがあり、このことが独占禁止法の規定に違反する疑いがあるというのが、本件違反被疑行為の概要です。
 このような疑いがあるということで、公正取引委員会は、マイクロソフト・コーポレーションの子会社である日本マイクロソフト株式会社に対して立入検査を行うなどして、マイクロソフト・コーポレーションらに対する審査を開始しました。そして、本件の審査活動の一環として、本日、第三者からの情報・意見募集を開始し、その旨を当委員会のホームページにて公表いたしました。
 なお、当委員会が本件審査を開始したこと及び本件情報・意見募集を開始したことは、現時点において、当委員会が独占禁止法に違反する行為が存在すると認定したことを意味するものではありません。
 本件情報・意見募集については、当委員会のウェブサイトで詳細を御案内しております。トップページにある「マイクロソフト・コーポレーションらによる独占禁止法違反被疑行為に関する第三者からの情報・意見募集の開始について」から飛んでいただいた先のページに詳細を記載しております。こちらを御一読いただいた上で、ページ記載のメールアドレス宛にメールを送付いただくことにより情報提供いただけます。
 寄せられた情報・意見は本件審査のためにのみ使用し、それ以外の目的では利用いたしませんので、是非ともありのままの、そして、具体的な情報をお寄せいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 報道機関の皆様におかれましても、本件情報・意見募集の周知に御協力いただけますと幸いです。
 冒頭、私からは以上になります。
 

質疑応答

(問) 情報・意見募集は、主にどういった方を対象として想定していらっしゃるでしょうか。
(事務総長) 先ほど申しました本件サービスを利用している事業者の方々が中心になりますが、システムインテグレーターのようなマイクロソフト・コーポレーションらからライセンスを受けて、本件サービスを用いたサービスを利用者に提供する事業者といった方々も含まれると思っております。
(問) 事件の調査を実施している旨を公表した上で行う情報・意見募集はアマゾンとグーグルに続いて3件目で合っているでしょうか。
(事務総長) 3件目です。
(問) 先日の定例会見で、犯則調査を開始した旨をお話しされましたが、それは情報・意見募集の対象には入らないという理解でよいでしょうか。
(事務総長) 御指摘の件は、情報・意見募集についてお話したものではありません。今回のような意見募集を行うのは、おっしゃった2件に続いて、3件目ということになります。
(問) 御説明ありがとうございます。マイクロソフト本社も調査対象になっていると思います。御覧になっているのは基本的に日本の市場かと思うのですが、他方で、マイクロソフトは同様のサービスを全世界で提供していると思いますので、海外の市場も見ながら調査するということになるのでしょうか。
(事務総長) 事件の審査がスタートしたばかりですので、市場の範囲がどこまでかというのはこれから検討する話になります。もちろんその中に日本が含まれないということはないわけですけれども、先ほど申し上げた情報・意見募集で寄せられたものを含め、いろいろな情報も踏まえ、事実関係や契約関係を見た上で考えていくということになると思います。
(問) ありがとうございます。公正取引委員会が行ったクラウドサービス分野についての実態調査に加え、海外においても、例えば、UKが市場調査をしていますし、ブラジルでは違反被疑行為に対する審査が行われています。このような海外の調査で参考になったものなどはありますか。
(事務総長) 今おっしゃったようなブラジルやUK、その他の当局でも動きがあると思いますので、それらも参考にしながら、審査を進めていくことになると思います。
(問) お話しできる範囲で結構ですが、既に海外の当局との連携等を行われたり、今後行っていく予定はあるのでしょうか。
(事務総長) 今現在どうかについてのお答えは控えたいと思いますが、一般論として、必要に応じて、海外当局と情報交換なり意見交換をすることはあると思います。
(問) クラウドサービスの市場を巡っては、2022年に公表された実態調査もあり、その時にもいろいろと聞取り等をされていると思いますが、今回の意見募集では特にこういう情報が集まればよいなどイメージするところについて、御説明をいただければと思います。
(事務総長) 今回の事件審査は、先ほども申しました二つのポイントの観点で行っていくことになります。一つ目は、マイクロソフト・コーポレーションらが、本件サービスの利用者等に対して、Microsoft Azureと呼ばれるクラウドサービスと競合するクラウドサービス上で本件サービスを利用することを認めないことが実際にあるのかどうか、あるいは、本件サービスの利用はどういった形で行われているのかという点であり、二つ目は、本件サービスを競合クラウドサービス上で利用する場合には、Microsoft Azure上で利用するよりも利用者等の金銭的負担が高額となるように本件サービスの取引条件を設定・変更するといった事実があるかどうか、あるいは、競合クラウドサービス上で利用しようとする場合にどういったことが起きるのかといったところです。
 数年前の実態調査では、もう少し広く、いろいろな実態を把握することに主眼が置かれていたと思いますが、今回は違反の疑いがある行為についての審査ということで、今申し上げたところを中心に調べていくことになりますので、いただきたい情報というのも、そういったところが中心になってくると思います。
(問) ありがとうございます。かなり具体的に、例えば、「このぐらい価格をプラスして払わなくてはならない」など個別の事案も拾い上げていくイメージでよろしいですか。
(事務総長) そういうものも含まれるでしょうし、マイクロソフトとのやり取りの中でこういったやり取りがあったであるとか、結果としてこういった契約になっているといった情報を寄せていただければと思います。
(問) ありがとうございます。今回で(情報・意見募集は)3例目であり、いずれも巨大ITに関する事件審査で行われてきたかと思いますが、通常の事件に比べてこういう側面があるので意見募集をする、といったような特色に関しては、どのように考えればよろしいでしょうか。
(事務総長) 特に、デジタルやビッグテックに限定しているというわけでは必ずしもありません。デジタル以外でも、必要に応じて、こういった意見募集、情報提供のお願いをすることはあると思います。ただ、今回のようなやり方というのは、取引の中で行われる行為として外形的に明らかであるもの、あるいは、世界的に見てもこのようなことが行われていると指摘されていて、実際に、各国の競争当局でも関心を持って動いているというように、外から見ても、行為の中身がある程度明らかなものであることが前提となっております。
 いわゆるカルテル事件の審査などとは違って、秘匿されている情報を明らかにするというものとはタイプが違うものであるということが、今回のようなやり方を採り得る背景になります。
(問) 本日の御発言とは別のことになりますが、今日、軽油のカルテルの関係で、東京地検特捜部とともに家宅捜索を始めたということが各社から報じられておりますが、これについてコメントはいただけるでしょうか。
(事務総長) 石油販売会社8社が運送業者に軽油を販売する際に価格カルテルを結んだ疑いがあるということで、公正取引委員会が昨年来、犯則調査を行っているということは事実なわけでありますが、今日報道されている内容に関しましては、審査中の個別事案に関することになりますので、私からのお答えは差し控えたいと思います。
(問) 1点だけ、その捜索先に長野のガソリンカルテル事件で課徴金納付命令を受けた業者が含まれておりますが、長野のガソリンカルテルとの関連について何か言及いただけるでしょうか。
(事務総長) その点についてもお答えは控えたいと思います。
(問) マイクロソフトの件ですが、第三者からの情報提供があった際に、その情報のエビデンス、事実なのかどうかの確認が必要だと思うのですが、それはどのように行う想定でしょうか。第三者が情報提供するときには、メールのキャプチャーなどを送ってもらうなどするのでしょうか。
(事務総長) メールで情報が寄せられた場合に、必要に応じてということにはなりますけれども、情報を寄せた事業者の方からヒアリングをするということは考えられます。いただいた情報の背景としてどういうことがあるのかなどを追加的に確認し、事実関係をさらに深く確認していくというやり方は、あると思っております。
(問) 今回の締切りが5月29日18時までと書かれています。その後、公正取引委員会での調査結果の取りまとめなどがあった後には、公正取引委員会からその公表をする予定はありますでしょうか。
(事務総長) いつ頃にということまで申し上げることは難しいですが、公正取引委員会として本件の審査について何らかの結論が出せる段階になったときには、その旨をオープンにしていくことになろうかと思います。
(問) 情報提供を求めるということは、前委員長の古谷さんが言い出したものと思いますが、これは制度変更によるものなのでしょうか、それとも単に審査方法について運用を変えたということですか。
(事務総長) そうですね。令和4年ぐらいであったと思いますが、公正取引委員会がステートメントを出しまして、その中で、こういった情報提供の呼び掛けを必要に応じてやっていきますということをアナウンスしております。第三者に情報提供を求めていくことは法律を変えないとできないものではありませんし、審査の運用においてそのような手法をやっていくこととしたということかと思います。
(問) もう一つ、全く話が変わるのですが、先週、フリーランス法違反で共同通信への勧告がありました。業界の知り合いからも、皆他人ごとじゃないと思っているけれども、自分たちはどうすれば大丈夫なのかいまいちわからない、というようにいろいろなところで相談されるのですが、結局どうしたらいいのでしょうか。
(事務総長) フリーランス法は全業種に共通するもので、特にメディアに特化した法律ではないというのが前提のお話になるのですが、こういった会見の場でも時々申し上げておりますけれども、フリーランス法という名前は大分知れ渡ったと思っていますが、中身については、まだ十分認識されていない、あるいは会社単位では認識されているとしても、実際にフリーランスの方とやり取りする部門で十分認識されていないということが、まだあるのかなと思っております。特に、明示すべき事項をちゃんと明示していないという問題は、取引の入口の部分の話なわけで、そのレベルの対応がまだ十分でない事例があるという印象です。まずは、こういう法律があり、何が求められているのかを、しっかり認識していただくことが第一歩だと思います。そこから先もいろいろな細かい法解釈の話はもちろんありますが、その前に、例えば、義務としてこういうことをしなければいけないと認識していただくことから、是非始めていただければと思っております。
(問) 意見募集の関係で質問します。先ほどの質問にもあったとおり、たまたまのようですが、過去にも本件と同じビッグテックの案件で意見募集をされており、審査している事実を公表して意見募集するという従来と違う珍しいやり方をしているということで、スポットライトを浴びている感じだと思います。過去2回では一定の情報が集まり、審査に生かされたという評価をした上で、継続的に3件目を実施するという流れになっているのでしょうか。
(事務総長) 具体的にどのようにというところまでは申し上げられませんが、過去2回の取組では一定程度の情報が集まって、審査活動に役立てられました。今回も是非、そのように審査に資するような情報をいただければと考えております。
(問) 審査の中身に立ち入るかもしれないのでコメントできないかもしれないのですが、本件は、不公正な取引方法の中の取引妨害などいろいろな類型に該当する可能性があるものと思うのですが、クラウド基盤サービスで大きなシェアを持つアマゾンであったり、同じくグーグルであったり、そういったところにも今回の審査の関連で相手方として話を聞くということはあり得るものでしょうか。
(事務総長) 本件の取引に関連する事業者から広くお話を聞くということはありますし、それは必要なことだと考えておりますけれども、具体的にどこからということにつきましてのお答えは控えたいと思います。
(問) もう1点、フリーランス法に関連する質問で恐縮ですが、この間の、共同通信や中部電力に対する勧告もそうですが、大きな会社や著名な会社に対する事案も少しずつ出てきていると思います。中部電力は、勧告を受けた日にホームページで詳細な違反内容を自ら公表していて、そこに書かれていた内容を見ますと、例えば、(フリーランスとの契約締結時点で役務提供の実施日となる)イベントの日が決まっていなかったとか、フリーランス法の規定を網羅的にカバーして対応することが、事業者の努力の中ではなかなか難しい側面もあるのかなと思いました。大企業に対する勧告もなされている状況で、施行から1年半ぐらい経った今、発注者側の対応がどういった現状にあるかなど、御認識を含めてお伺いできればと思います。
(事務総長) 先ほどのお話とも少し重なる部分がありますけれども、フリーランス法の違反で勧告を出した件数が徐々に積み上がってきています。その多くは先ほど少し申しましたとおり、ちゃんと明示しなければいけない事項が十分明示されていなかった、あるいは全く明示されていなかったものかと思います。
 法律が施行されて1年半というタイミングなわけですが、もう1年数か月も経ったという考え方もあれば、まだそのぐらいしか経っていないという受け止めもあると思いますが、明示義務違反は、取引する上でかなりベーシックなところである、こういった条件で仕事をお願いしますよということが明示されていないというもので、そのようなものですら十分に対応されていない状況が未だあるということかと思います。フリーランスの方は多くの場合、弱い立場にありますので、そこがきちんと明示されていない、あるいは口約束だけで行われているということになると、フリーランスの側が不安定な立場に置かれることが非常に多くなると思います。そのため、その点は是非しっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、「こういうやり方はどうだろうか」、「この時点では明示する内容がまだ明確になってないときに、どういった形でフリーランスに対してお話をすればいいのだろうか」など、判断に迷うことがあれば、もちろん弁護士の方に相談というのもあるでしょうけれども、公正取引委員会にも相談窓口がありますので、御相談いただき、会社内の発注の在り方を改善していくやり方もあると思いますので、是非対応の方をお願いしたいと思っております。
(問) 申し訳ないのですが、マイクロソフトの件に話を戻しまして、過去、公正取引委員会は2回行政処分を出していると思います。そのときは、1件は日本法人に対して排除勧告を出していて、もう1件は大元のアメリカ法人に出しているということであったかと思います。いずれに対して措置が採られるのかといった意味で、今回の行為をしている主体が日本法人なのかどうかということも含めて、今調査しているという理解で合っていますか。
(事務総長) そうですね。冒頭に、マイクロソフト・コーポレーション「ら」に対する、という言い方をしましたけれども、途中でお話があったように、日本マイクロソフトなども含めての調査になります。具体的に、どの事業者が問題となる行為をやっていたのかということももちろん含まれますけれど、そもそも問題となる行為があったのかどうかもこれから調べることになりますので、現段階で誰が主体なのかについては、お答えを控えたいと思います。

以上

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