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令和8年3月18日付け 事務総長定例会見記録

令和8年3月18日付け 事務総長定例会見記録

[配布資料]

なし

[発言事項]

事務総長定例会見記録(令和8年3月18日(水曜)13時30分~於1106会議室)

「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」改正案等に対する意見募集について

 本日、私からは、「物流特殊指定」と呼んでおります「特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法」の改正案等に対する意見募集について、お話します。
 サプライチェーン全体での適切な価格転嫁の環境整備や支払条件の適正化、物流に関する商慣習の問題に対する更なる対応などの課題に対応し、取引環境を整備する観点から、優越的地位の濫用規制の在り方を中心に検討することを目的として、中小企業庁と連携して令和7年7月以降、「企業取引研究会」を開催し、議論を重ねてきました。
 先週3月10日の第4回企業取引研究会では、①サプライチェーン全体での適切な価格転嫁の環境整備、②サプライチェーン全体での支払条件の適正化、③物流に関する商慣習の問題に対する更なる対応、の三つの各課題について、事務局においてこれまでの議論を取りまとめた対応の方向性及びスケジュールをお示しし、委員の皆様から了承が得られました。
 公正取引委員会では、これを踏まえ、
〇 着荷主による契約外の荷役・荷待ち等に対応するための、物流特殊指定改正案
〇 サプライチェーン上の取適法対象外の取引における支払期間を60日とするための、新たな支払告示案
〇 今回定めようとしている支払告示に関する運用基準
〇 サプライチェーン全体での適切な価格転嫁の環境を整備するための優越ガイドラインの改定案
の四つを作成し、先週3月12日から、これらの案についての意見公募手続を開始しました。
 4月13日までを意見提出期限としまして、広く関係各方面から意見を受け付け、その後、必要に応じてその意見を案に反映させて、6月頃に最終版を公表したいと考えております。また、物流特殊指定改正案及び新たな支払告示案につきましては、独占禁止法に基づき、4月14日に公聴会を開催することを予定しております。
 詳細については企業取引課までお問い合わせいただければと思います。冒頭、私からは以上になります。

質疑応答

(問) 今回、物流特殊指定を改正して着荷主規制を入れるということですが、取適法では、対象取引に特定運送委託が入り、発荷主の責任が非常に重くなっていて、着荷主側の事情で無償の附帯業務や長時間の荷待ちが起きた場合でも、発荷主の責任として契約を見直すなり、費用負担するなりしなさいという立て付けになっていると思います。これが今回、物流特殊指定で、着荷主側の事情で長時間の荷待ちや無償の附帯業務をさせることについて、着荷主の禁止行為であるとはっきり明示されます。今後、着荷主側で違反行為が行われた場合、法規は別々ですが、着荷主だけではなくて発荷主側も処分されるという理解でよいでしょうか。
(事務総長) いろいろなケースがあると思いますので一概には言えませんが、今回の物流特殊指定で新たに対象にしようとしている行為は、着荷主が不当な荷待ちやその他附帯業務を、運送事業者に行わせることを通じて発荷主の利益を不当に害する行為ということになります。
 したがって、発荷主側は、運送事業者との間できちんと契約に基づいて、その範囲内で対応しているにもかかわらず、着荷主側による不当な行為によって問題が発生している場合を念頭に置いています。
 今回の改正では、一義的には着荷主の問題にフォーカスを当てていますので、着荷主の行為が物流特殊指定において明記している行為に該当するということで、何らかの違反に問われることはあるとして、それがイコール発荷主も問題になる、ということではありません。取引全体として発荷主にも問題があるケースもあるのかもしれませんが、それはケース・バイ・ケースで見ていくことになるかと思います。
(問) 着荷主については、運送事業者と直接の契約関係にない部分が一つの壁となっていて、なかなか規制ができないというのがこれまでの構造であったと思います。今のお話ですと、取適法によって発荷主の責任の範囲が拡大したことによって、着荷主側で何かあった場合は発荷主さんが責任を負いなさいよっていう構造に変わったので、結果的に、着荷主が長時間の荷待ちや無償の附帯業務をやらせた場合は、発荷主がその費用等を負担しなければいけない構造になって、発荷主側にとってみれば本来払わなくてもよい費用等を負わされることになり、それは、発荷主から見ると、着荷主が不当な経済上の利益を提供させることに当たるという理屈で、着荷主が規制されるという構造なのでしょうか。
(事務総長) 発荷主と運送事業者の間というのは、今回、新しく取適法の適用対象になった部分であるわけですが、他方で、これまで何も規制がなかったわけではありません。物流特殊指定による一定のルールがこれまでもありました。したがって、発荷主と運送事業者の間に新たに規制が入ることによって、着荷主との関係において新しい構図が発生しているわけではありません。
 発荷主と運送事業者との間にある規制をしっかり守ってもらうことを前提として、その上で、着荷主と発荷主の関係を規律することによって、物流全体としてのあるべき姿にしっかり対応していくという流れだと思っております。
(問) ありがとうございます。物流特殊指定による発荷主側についての規制はこれまでもあったとのことですが、過去の物流特殊指定の適用事例は、警告事例が3件、確約計画の認定例が1件の、4件に留まっています。業界的には「抜かずの宝刀」と言われるような部分も一部ではありました。
 今回、着荷主規制が物流特殊指定で入ることになり、その実効性の担保はどのようにお考えなのでしょうか。
(事務総長) まず、従来どうであったかについてですが、先ほど申しましたとおり、発荷主と運送事業者との取引を規制するものとして物流特殊指定がありまして、お話にあった措置が行われたもの以外にも、毎年のように実態調査を広くやって、その中で、問題につながるおそれのある行為が認められた場合には、注意喚起の文書を送るなどの形で未然防止を図る取組を行ってきたところであります。事案によって、おっしゃるような確約の認定をしたり、独占禁止法の手続に沿った形での対応をしてきたところであります。
 今回、着荷主との取引が物流特殊指定に入ってくるわけですが、同様のやり方は、一つ考えられるのかと思っております。お示ししている案の形で物流特殊指定が改正されれば、実態調査の中身も改正を踏まえた形で少し変わってくる部分はあると思いますけれども、そういった実態調査を行いつつ、問題につながるおそれがあるような行為があれば注意喚起をしていく形で未然防止を図っていくことになろうかと思います。そして、そのような形では対応が不十分な場合もあるでしょうから、そういった場合には、よりフォーマルな手続に沿って厳正に対処することもあるのではないかと思っております。
(問) 禁止行為が行われないことが一番望ましい状況であって、そのためには、事業者側が、具体的にどういった行為をやってはいけないのかを容易に把握できることが、一つの重要なポイントになると思います。例えば、物流効率化法のガイドラインなどでも荷待ちについて、2時間以内にするように記載があったりするのですが、今回、禁止行為とされた荷役や荷待ち等の要請行為に関して、今後、より具体的に、公正取引委員会でガイドラインなどを策定されることはあるのでしょうか。
(事務総長) 今の段階で、ガイドラインなどをつくる予定まではないのですが、物流特殊指定が改正されるとして、事業者にも準備していただく期間を取る必要があると思っております。そういった期間において、公正取引委員会としてもいろいろな周知活動等を行う必要があり、その際には、物流特殊指定の考え方をより丁寧に説明することも必要になってくると思います。物流特殊指定がスタートするまでに、パンフレットなどいろいろな形で考え方をクリアにしていく作業をやっていく必要があると思っております。

以上

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