[配布資料]
なし
[発言事項]
事務総長定例会見記録(令和8年4月15日(水曜)13時30分~於1106会議室)
「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」(案)及び「契約書ひな形」(案)に対する意見募集について
本日、私からは、先月30日から開始しました、いわゆる「知財取引指針」の案に対する意見募集について、お話しをしたいと思います。
政府一体となって価格転嫁対策に取り組んでいることは御案内のとおりですが、適切な価格転嫁をサプライチェーン全体で定着させていくに当たり、解決されるべき課題というものはいまだ残っておりまして、中小企業等の取引上の立場の弱い事業者から、知的財産権・ノウハウ・データを無償又は低廉な価格で吸い上げる行為というのが、その一つとして挙げられます。
このため、取引環境を整備する観点から、優越的地位の濫用規制の在り方を中心に検討している企業取引研究会の下で、知的財産・ノウハウの取引適正化に関する専門的な議論を行うため、令和7年8月以降、公正取引委員会、中小企業庁、特許庁を共同事務局とする「知的財産取引適正化ワーキンググループ」を開催し、知的財産等の取引における優越的地位の濫用規制の在り方等について、議論を重ねてきました。
先月の3月11日(水)には、指針の策定の方向性等についての同ワーキンググループにおける議論の内容を取りまとめた「知的財産取引適正化ワーキンググループ報告書」、それから、公正取引委員会が主体となって行った調査の結果である「知的財産権・ノウハウ・データを対象とした優越的地位の濫用行為等に関する実態調査報告書」を公表したところです。
公正取引委員会では、これらを踏まえ、中小企業庁及び特許庁と連名で、知的財産権等の取引環境の整備によりイノベーションを促進するため、知的財産権等の不当な吸い上げ行為を中心に、独占禁止法上の考え方のほか、適切な取引を実施する上での対応策等を示すことを目的として、「知的財産権・ノウハウ・データの適切な取引のための優越的地位の濫用等に関する指針」、いわゆる「知財取引指針」と呼んでおりますものですけれども、これを作成し、同指針の附属資料である「契約書ひな形」と併せて、先月の3月30日(月)に、これらの案についての意見の公募手続を開始しました。現在、デジタル庁が運営する電子政府ポータルサイトのe-GOV上と、電子メールの2つのチャネルで御意見を受け付けております。
意見提出期限は4月28日(火)としておりまして、広く関係各方面から意見を受け付け、その後、寄せられた意見を踏まえて検討を行い、6月頃に最終版の指針を公表したいと考えております。
公正取引委員会としては、中小企業庁及び特許庁とともに、引き続き、知的財産・ノウハウなどの取引適正化に関する取引環境の整備を進めてまいります。
詳細につきましては、企業取引課までお問い合わせください。
質疑応答
(問) 今回、問題となる事例の紹介もあると思いますが、これまで、課徴金納付命令なり、行政処分とまでにはならずとも行政指導が行われた案件は、この分野であったのでしょうか。
(事務総長) この新しい指針案は、優越的地位の濫用の観点からの考え方を中心にまとめております。優越的地位の濫用という行為類型全体でみますと課徴金を課している事例はありますが、ここに挙げているような知財・ノウハウ・データ関連での優越的地位の濫用事案で課徴金が課された事案は、私の記憶する限りではなかったかと思います。
以上