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平成23年7月27日付 事務総長定例会見記録

平成23年7月27日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成23年7月27日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

 [発言事項]

独占禁止法教室について

 (事務総長)
 本日,私からは,学生向けに公正取引委員会が開催しております独占禁止法教室についてお話ししたいと思います。
 この独占禁止法教室というのは,中学校,高校,大学の授業に公正取引委員会の職員を講師として派遣しまして,競争の重要性や,独占禁止法・公正取引委員会の役割について分かりやすく説明し,競争政策に対する学生の理解の増進を図ることを目的として,平成14年度から実施しているものです。
 お手元にお配りしている資料は,今月,ある大学の経済法の授業におきまして,独占禁止法教室を開催した際に用いましたもので,授業のイメージを持っていただこうと思いましてお配りしたものですが,スライドの3にありますように,企業が競争することによって,消費者は商品の低価格化,サービスの充実,機能の改良といったメリットを受けていること,またスライドの5にありますように,企業としても,競争を通じて,よりよい商品をつくるための努力が行われ,企業の成長や市場規模の拡大といったメリットがあること,ただし,消費者や企業がこうしたメリットを受けるためにはルールある競争,すなわち,公正で自由な競争が行われる必要があることを説明しています。
 そして,スライドの7から独占禁止法が禁止している行為にはどのようなものがあるかということを説明し,スライドの14にありますように,独占禁止法に違反する行為があった場合,どういった措置が採られるかといったことを説明した上で,実際の事例として,どのような事件があったかということについて,防衛省の官製談合事件や,幾つかの不公正取引事件について,分かりやすく説明しているところです。
 このような独占禁止法教室は,昨年度は中学,高校,大学全体で82回,大学だけで見ますと46回開催していますが,競争政策に対する国民の理解の増進を図っていくという活動の一環として,今後とも力を入れていきたいと考えているところです。

 [質疑応答]

 (問) 昨日,審査局の犯則審査部が家宅捜索を行ったという報道がありましたが,それについて,3年半ぶりの捜索ということを踏まえ,重大事件で捜索された意義をお話しいただければと思います。

 (事務総長) 公正取引委員会が昨日,ベアリングの製造販売事業者による価格カルテル事件について,犯則事件として調査を開始し,関係箇所の捜索等を行ったことは事実であります。今,御指摘のありましたように,犯則調査は3年半ぶりということになりますが,犯則事件につきましては,「独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針」を平成17年に公表しておりまして,価格カルテルや入札談合といった国民の生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な事案などについて,犯則事件の調査を行うこととしているということを明らかにしています。
 これまでも,公正取引委員会は,この方針に基づいて,従来から取り組んできているところで,若干,前回の犯則調査を行った事件から期間が経ちましたが,今後とも,このような告発方針に該当するような事件があった場合には積極的に取り組んでいきたいと考えているところです。

 (問) 昨日,家宅捜索入ったばかりで,質問は時期尚早だと思いますが,告発への見通しについて総長の見解を教えていただければと思います。また,課題についても,教えていただければと思います。

 (事務総長) 今後の見通しや課題ということは,これから進めていく調査の結果,どのような事実関係がはっきりするかということに尽きますので,今後,公正取引委員会として,事実関係を明らかにするために,一生懸命調査をしていきたいと考えているところです。

 (問) 総長の自信の程はどうですか。前回,1度,告発を見送っている経緯があるようですが,意気込みがあれば,教えてください。

 (事務総長) この犯則事件に限らず,通常行っております行政事件も含めまして,私ども違反の疑いのある端緒に接した場合には,調査に着手して,事実関係を明らかにし,違反事実があれば行政処分や刑事処分を求めた告発を行うという姿勢で,全力で取り組んでいるところです。どの事件でも一生懸命やっていきたいという思いは,現場の審査の担当官も同じ思いだと思います。

 (問) 今回のベアリング各社の犯則事件について,価格表が存在していたということですが,価格表が存在していたことは,同じ犯則事件としても,悪質さに随分違いが出てくるものなのか,価格表の意味を教えてください。

 (事務総長) 昨日,調査を開始した段階ですので,具体的な点について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが,今,御指摘のあったベアリングという製品の市場規模は,4000億円から5000億円に上り,非常に大きな規模であり,また,その用途も,自動車や産業機械など非常に多岐にわたる製品であり,国民生活に広範な影響を及ぼす事案だと考えられることから,調査を進めたもので,今後,事実関係について明らかにして,審査を進めていきたいと考えているところです。

 (問) 価格表はどのように評価されるのですか。

 (事務総長) 今,個別の証拠や事実関係については,調査に着手した段階ですので,コメントは差し控えさせていただきたいと思います。

 (問) 個別ではなく,一般的にカルテル事件で,価格表が存在したということは,今後の調査をする上で,事件の悪質性などを判断する上でも違いが出てくるものでしょうか。

 (事務総長) 一般的に言えば,価格表は,製品の数が多い商品ですとか,また,事業者によって作る場合もありますし,作らない場合もありますので,価格表が作られていることが,すぐ違反かどうかという話には直接は結びつかないと思いますが,価格カルテルが行われる場合に,そのようなものが1つの手段となることは従来からあります。ただし,それはあくまで一般論でありまして,本件についてどうかという御質問であれば,これから審査を進めていきますので,今の段階で,それについて何か申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

 (問) 新日鉄と住金の合併の審査ですが,現在の状況を教えてください。

 (事務総長) これについては,6月30日に,私どもが報告等を当事会社に求めまして,現在,当事会社で,私どもが求めました報告等の提出の準備を進めている段階だと思います。

 (問) まだ,報告は出てきてないということですか。

 (事務総長) はい。

 以上

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