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平成24年1月25日付 事務総長定例会見記録

平成24年1月25日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成24年1月25日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

下請法の違反事件について

 (事務総長)
 本日,私からは,1点,下請法の違反事件についてお話したいと思います。
 本日,紳士服などの衣料品の小売業者である岡山市所在のはるやま商事株式会社に対しまして,下請法に違反する事実が認められたことから,勧告による改善指導を行いました。
 違反行為の内容は,はるやま商事は,自社のプライベートブランドの衣料品等の製造を下請事業者に対して委託しているところ,下請代金の減額や不当な返品を行っていたというものであります。
 本件の詳細については,本日,午後3時から,岡山市において報道機関に対し説明を行い,また,本局においては公表資料の配布を行う予定ですので,詳細についてはそちらで御確認いただきたいと思います。
 最近勧告を行った下請法の違反事件をみますと,卸・小売業者に対する勧告が大変増加しております。
 平成23年1月以降に行いました勧告事件は本日までで20件ありますが,そのうち,11件が卸売業者,小売業者に対するものとなっております。
 卸売業者や小売業者が他の会社に自社のプライベートブランド商品,PB商品の製造を委託したときは下請法の規制対象となりますが,近年,卸売業者や小売業者がPB商品の取扱いを増やしてきております。その一方で,PB商品等の製造委託を行う場合には下請法の規制の対象になるということがまだ十分に認識されていないことが最近の勧告事件における卸・小売業者の勧告事件の割合が高まってきている理由の1つではないかと考えます。
 したがいまして,このような違反事件があった場合には,今後とも,必要な調査を実施しますが,他方で,このような違反事件の未然防止のために親事業者等に対する下請法の講習会などの各種取組を行っているところですが,それらの講習会等において,PB商品の製造委託を行っている場合には,卸・小売業者も下請法の対象になることを説明して理解を深めていただき,違反行為の未然防止に努めてまいりたいと考えています。
 私からは以上です。

 [質疑応答]

 (問) はるやま商事の件ですが,下請法違反で親会社に取材すると,大体,下請法の認識がなかったという説明を受けます。公正取引委員会では,講習会等を行っているということですが,具体的にどのくらいの頻度で,何回程度行っているのでしょうか。また,今回の事件は,負担額がかなり大きいと思うのですが,過去と比べてどのくらい大きいのかということを教えてください。

 (事務総長) 下請法については,どのような事業者が親事業者になるか,資本金が幾らであれば親事業者になるかといったことが法律で決まっております。また,どのような行為が問題になるということも法律で明確になっております。講習会は,中小企業庁とも協力して開催しておりまして,また,毎年11月は下請取引適正化推進月間ということで,昨年の場合ですと,公正取引委員会として全国26か所で下請法の基礎講習会を開催しております。さらに,要望がありましたので,今年に入りましても,1月,2月にさらに4回,基礎講習会を実施することを予定しております。
 また,別途,業種別にも,食料品の製造業者と卸売業者の取引については,昨年,優越的地位の濫用の観点から調査したところですが,卸売業者向けの講習会を,今年に入りまして,1月から3月にかけまして全国8か所で行います。その際にも,優越的地位の濫用,これは独占禁止法の問題ですが,優越的地位の濫用の考え方の説明に併せて,プライベートブランド商品については下請法の対象になるということを説明する予定にしております。
 また,下請法の基礎講習会については,下請法をよく御存知ない方を対象にしておりますが,他にも応用講習会ということで,具体的な事例も含めた講習会を開催しております。加えて,先ほど食料品の話を申し上げましたが,食料品やソフトウエアといった業種別の講習会というものもいろいろ行うことによって周知を図っていきたいと考えております。
 2番目の御質問の金額の規模につきましては,後ほどの説明の場で御確認いただければと思います。

 (問) 先ほど講習会を開くとおっしゃいましたが,小売業者では,PB商品の例がありましたが,PB商品を出すかもしれない小売業者,卸売業者は,積極的に基礎講習会に参加していたのでしょうか。自動車部品などの製品がこれまでの下請法の対象だったので,そのようなところが多かったのではないでしょうか。

 (事務総長) 下請法は特定の業種だけを対象にしたものではないので,今申しましたように,一般的な形で基礎講習会を行ったり,応用講習会を行ったり,また,業種別の講習会を行っております。特に,例えばアパレル業界で昨年は何件かPB商品で下請法違反が目立ったものですから,追加的に下請法の基礎講習会を4回実施するという発表を今年の1月18日に行いました際のホームページを見ていただくと分かりますが,講習会の申込方法のところに,近年,アパレル業界で下請法違反が目立つため当該業界の方々は積極的に参加して違反行為の未然防止に努めてくださいといった,単にお知らせだけではなく,注意喚起を含めたこともホームページに盛り込んで発表しており,いろいろな形で関心を持っていただけるように取組をしてきておりますが,まだまだ十分ではないと思いますので,今後とも手厚く行っていきたいと思っています。

 以上

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