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平成24年4月18日付 事務総長定例会見記録

平成24年4月18日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成24年4月18日(水曜)13時30分~ 於 官房第1会議室)

独占禁止法教室について

 (事務総長)
 本日,私からは,中学生,高校生,大学生向けに行っております出前授業である独占禁止法教室の取組についてお話したいと思います。
 独占禁止法教室は,将来を担う学生に対して,公正取引委員会から講師を派遣しまして,競争の重要性や独占禁止法の内容,公正取引委員会の役割について分かりやすく説明して,競争の意義に対する学生の理解を深めることを目的に実施しているものです。
 この取組は,平成14年度に,当初,中学生を対象として始めましたが,その後,平成18年度から高校生と大学生にも対象を拡大して実施しております。
 平成23年度は,中学校が32校,高校が9校,大学が55校で独占禁止法教室を開催しておりまして,延べ約7,600名の学生に受講していただきました。また,この取組を始めました平成14年度からの累計を数えますと,延べで約3万名の学生が受講しております。
 本日は,中学生向けの授業内容の例を御紹介したいと思います。
 中学生向けの授業では,はじめに,「市場経済」や「競争」といったキーワードを示して市場経済の仕組みや競争の役割,独占禁止法のポイントといったことについて分かりやすく説明を行います。
 その後,クラスを生徒ごとに複数の家電量販店という売り手のグループと,買い手であります消費者グループの二つに分けて,家電量販店グループは,企業の経営者の立場になってライバルの家電量販店よりも多くの消費者を獲得できるように,例えば,1万円の値引きや20%ポイント,3年間保証などの付加価値の内容が記載された競争カードの中から販売方法を選んで消費者グループに提示して価格競争やサービス競争を行ってもらい,消費者グループがどの店から購入するか選んでもらうことで,競争の必要性や競争による消費者のメリットというものを理解してもらうシミュレーションゲームを行っています。
 この競争カードには,カルテルなどの独占禁止法違反行為を行う裏の手カードも用意してありまして,独占禁止法違反を行った場合の消費者のデメリットについても理解してもらうために,修学旅行カルテルのような生徒にも身近で実際にあったカルテル等の独占禁止法違反事件の事例を新聞記事などで紹介しています。
 その後,生徒や先生に公正取引委員会の審査官や違反企業の社長さんに扮してもらいまして,寸劇で模擬の立入検査や事情聴取を実演して公正取引委員会の業務を理解していただきます。
 そして,最後に,まとめとして,授業で学んでいただいた市場経済の仕組み,競争の重要性,独占禁止法と公正取引委員会の役割等について,生徒の皆さんと公正取引委員会の職員とで質疑応答を行いまして授業が終了となります。
 このような構成で中学生向けの独占禁止法教室を行っておりまして,授業に参加した生徒の皆さんからは,授業が終わった後に授業に関するアンケートを実施して感想などを書いていただいております。アンケートに書かれていた感想などを見ますと,「自分たちで行うシミュレーションゲームや模擬の立入検査,事情聴取などは面白く,とても分かりやすかった。難しい公民の授業なのに,こんなにも分かりやすくてびっくりしました。」とか,「会社は売るためにいろいろ工夫をしているということが分かった。会社の競争があるから今の豊かな暮らしにつながっていると思うので,これからも会社には競争し合いながらがんばってほしい。」といった意見をいただいております。また,先生からの感想としては,「経済の領域は子供にとっては身近な学習なのですが,家計や税に比べると企業の学習というものは理解が難しいのですが,具体的な活動から概念化でき,大変良かったと思います。」といった感想をいただいております。
 このような感想や意見を見ますと,独占禁止法教室の取組が独占禁止法についての理解を深め,また,公正取引委員会を身近なものとして感じていただく良い機会になっていると感じております。
 公正取引委員会としては,独占禁止法教室につきましては,競争政策に対する国民の理解の増進を図るための活動の一環として,今後とも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
 独占禁止法教室につきましては,開催を希望する中学校,高校,大学を募集しておりまして,開催を希望される方は,公正取引委員会の官房総務課広報係までお問い合わせいただくか,公正取引委員会のホームページの「教育支援」というバナーをクリックしていただきますと独占禁止法教室に関する問い合わせ先が掲載してありますので,お確かめの上お問い合わせいただければと思いますし,広く活用いただければと思います。
 私からは以上です。

 以上

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