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平成25年11月27日付 事務総長定例会見記録

平成25年11月27日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

(平成25年11月22日)下請取引の適正化について

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成25年11月27日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

下請取引の適正化について

(事務総長)
 本日,私からは,下請取引の適正化に向けて親事業者に対して行いました要請についてお話ししたいと思います。

 これから年末にかけましての金融繁忙期においては,下請事業者の資金繰りなどについて厳しさが増すことが懸念されますことから,公正取引委員会は,毎年11月,下請代金の支払遅延,下請代金の減額,買いたたきといった行為が行われることがないように,親事業者とその関係事業者団体に対しまして,公正取引委員会委員長と経済産業大臣の連名の文書によりまして,下請法の遵守の徹底を要請しております。

 今年度におきましても,我が国の景気は,緩やかに回復しつつあるものの,海外景気の下振れ等が,引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっており,下請事業者の多くが依然として厳しい対応を迫られていることから,下請事業者が不当にしわ寄せを受けることがないよう,親事業者に下請法の遵守を促すため,親事業者約18万9000社に対し,今月11月22日付けで要請を行いました。あわせて,関係事業者団体約650団体にも要請を行ったところであります。
 
 要請の内容ですけれども,具体的には,[1]下請法の遵守,[2]金融繁忙期の資金繰りへの配慮,[3]下請事業者の利益の確保,[4]原材料価格等の上昇への配慮,[5]今般の消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保といった5点をポイントとした要請をしたところであります。

 公正取引委員会としては,下請事業者が不利益を受けることのないように,下請法違反行為に対し迅速かつ積極的に対処してまいりますが,今後とも,違反行為の未然防止のための取組として,本件もそういった取組の1つですけれども,いろいろな形で下請法の普及・啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上です。

質疑応答

(問) 改正独禁法の今国会での審議状況と成立の見通しについて,現時点でお分かりの範囲で構いませんので教えていただけますか。
(事務総長) 独占禁止法改正法案の国会における状況ですけれども,独占禁止法改正法案は,先週11月20日に衆議院の経済産業委員会において審議,可決いたしまして,翌日の11月21日に衆議院の本会議において可決されたところです。そして,同日の11月21日に参議院に送付されております。ですから,今,参議院に送付された状況でございまして,今後の法案の取扱いでございますけれども,国会の日程も限られておりますが,法案の取扱いは国会においてお決めいただく問題ですので,いろいろ申し上げられないのですけれど,公正取引委員会としては,できるだけ早く審議していただきたいということを期待しております。

(問) 消費増税の転嫁・表示カルテルの申請状況についてなんですけれども,改めてなんですが,3%から5%に上がったときと比べて,何か違いなどがあれば,教えていただきたいのですが。
(事務総長) その違いとおっしゃるのは全般的にということですか。
(問) はい。
(事務総長) まず,消費税の導入時,また,消費税を3%から5%に引き上げたときと比べて一番大きな違いと申しますのは,消費税の円滑かつ適正な転嫁が行われるよう環境整備をするために,消費税転嫁対策特別措置法という法律ができたことが,今回一番大きなポイントになるわけです。消費税の転嫁拒否等の行為が行われないように,そういった行為を禁止するということで法律ができたわけです。10月に入って法律が施行されて,一方では来年4月の消費税の引上げを見据えて,今後,価格交渉等が本格化していく時期ですので,いわゆる中小の事業者向けに約15万通の調査票を送って,これは中小企業庁と共同でやっておりますけれども,そういったしわ寄せを受けるようなことが行われていないかどうかという情報を収集しているところです。
 それから,他方で11月に入りまして,約20万社のいわゆる親事業者とか大規模小売事業者に対して消費税の転嫁拒否といった行為が行われないようにという要請文書を送って,違反行為の未然防止を行っているところです。
 それから,もう1つ,公正取引委員会の関係では,消費税の導入当時にも認められました消費税の転嫁カルテル・表示カルテルといったものを今回も事業者が行えるようにということを特別措置法で手当てしております。この届出の状況につきましては,10月に届出の受付を開始しておりまして,10月分につきましては11月1日にホームページに掲載いたしましたけれども,転嫁カルテルが5件,表示カルテルが6件の合計11件の届出を受け付けております。この転嫁カルテル・表示カルテルについても現在いろいろな事業者なり事業者団体から相談が来ていまして,それについては丁寧な対応をしておりまして,徐々にそういった点についても取組が進んでいるのだと思います。
 今申し上げた転嫁カルテル・表示カルテルについては,毎月月末の段階の集計を行って,翌月の頭に公表するということで進めたいと思っておりますので,今月分につきましては,来週2日が月曜日ですから,11月分の受付の状況については12月2日をめどに公表していきたいと考えています。

(問) 下請取引の適正化についての呼びかけというのは,中身を見させていただくと,5番に消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保というものがありますけれども,例年と違う部分というのはこういうところなのでしょうか。例年,この要請はおやりになっているのでしょうか。規模等で何か違いがあれば教えてください。
(事務総長) まず規模で申し上げると,例年3万社程度に送付しておりましたけれども,今年度は消費税の引上げの円滑かつ適正な転嫁の問題も図っていくということもあって,本年は,これまでの年を大幅に上回る要請文書を送っております。
 それから,要請の中身としては,今おっしゃったような5点目として消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保ということで要請しております。これについては,前回,この記者会見の場でも申し上げたように,別途,消費税の円滑かつ適正な転嫁のため事業者の方々に要請文書を送っておりますけど,消費税転嫁対策特別措置法というのは,消費税率の引上げの際に行われることが見込まれる減額とか買いたたきとか,いわゆる協賛金といった行為を規制の対象としているわけです。他方で,消費税転嫁対策特別措置法で規制の対象となっている行為のほかに,下請法でよく問題になるような受領の拒否とか支払い遅延といった行為も行われることが考えられますので,今回の下請取引の適正化の要請文書においては,そういった消費税に関する要望も含めて要請したところであります。
 ただ,消費税の要請文書のほうは,来年4月の消費税率の引上げを踏まえて,そういった減額なり買いたたきといった行為が行われないようにということが主たるポイントですけど,今回の下請取引の適正化の要請文書というのは,年末にかけての金融繁忙期に,下請事業者の資金繰りについて厳しさが増すという時期ですので,特に,こういった時期においては下請代金の支払い遅延とか減額といった行為が行われないようにということを狙いとしておりますので,時期的な違いはございますけど,消費税転嫁対策特別措置法と下請法の要請文書,両方を進めて,違反行為が行われないよう,下請事業者に不当なしわ寄せが行われないようにということで取り組んでいきたいと考えているところです。

以上

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