ホーム >報道発表・広報活動 >事務総長定例会見 >平成26年 >10月から12月 >

平成26年11月26日付 事務総長定例会見記録

平成26年11月26日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成26年11月26日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

入札談合等の防止に関する取組について

 本日は,私からは公正取引委員会による入札談合等の防止に関する取組について御紹介をしたいと思います。
 言うまでもなく,入札談合は独占禁止法が禁止します広い意味でのカルテルの典型事例でございまして,最も悪質な独占禁止法違反行為の一つとされております。また,その入札談合に国や地方公共団体等の発注機関側の職員が関与する,いわゆる官製談合は,発注機関の利益,ひいては納税者であります国民の利益を追求すべき職員が,その利益を自ら損なうこととなるものでありまして,あってはならない行為であります。
 公正取引委員会は,かねてより入札談合の摘発に積極的に取り組むとともに,近年は,入札談合等関与行為防止法,いわゆる官談法に基づき官製談合に対して厳正に対処してきているところであります。本年は,既に御案内のとおり,3月19日に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が発注します北陸新幹線に関する工事に関しまして,入札参加業者8社及びその従業員8名を刑事告発したほか,同機構鉄道建設本部東京支社の職員の入札談合等関与行為を認定し,同機構に対して改善措置要求を行ったところであります。
 入札談合や官製談合の防止を徹底するためには,法執行面での取組に加えまして,発注者側の取組が極めて重要であると私どもは考えておりまして,この観点から,国や地方公共団体等の発注機関の職員の独占禁止法等に関する知識,コンプライアンスの向上,発注機関と公正取引委員会との連携強化に資するための取組にも力を注いできているところであります。
 具体的には,まず,公正取引委員会と国等の発注機関との間で連絡担当官会議を開催してきております。連絡担当官とは,独占禁止法違反の可能性のある行為に関しまして,発注官庁等から私どもに対し情報が円滑に提供されるよう発注官庁等の会計課長等が指名されているものであります。その連絡担当官との連絡・協力体制を一層緊密なものとするため,平成5年度以降,公正取引委員会は,「公共入札に関する公正取引委員会との連絡担当官会議」を開催してきております。その際,最近の官製談合を含む入札談合事件を紹介することなどによりまして,これらの行為の未然防止のための取組を進めていだたくよう働きかけているところであります。本年度につきましては,12月9日に中央省庁の本省との連絡担当官会議の開催を予定しているほか,沖縄を含みます8つの地方事務所等におきましても,各省庁の地方のブロック機関との間で,11月以降順次,連絡担当官会議を開催する予定としております。
 さらに,公正取引委員会は,発注機関の職員を対象とした研修を開催してきております。公正取引委員会は,入札談合や官製談合の未然防止を図るため,地方公共団体等の職員を対象といたしまして,独占禁止法及び官談法に関する研修会を平成20年度以降全国各地で開催してきております。本年度は10月末時点において5回開催しております。また,これら公正取引委員会主催の研修会のほか,国や地方公共団体等が主催する職員向けの研修会にも公正取引委員会の職員を講師として派遣しておりまして,今年度は10月末の時点において,全国各地に171回の派遣を行っているところであります。
 これらの研修会におきましては,参加者に対しまして,研修終了後にアンケート調査をお願いしておりますが,その調査の結果では,多くの参加者から,この研修によりまして,独占禁止法,官談法の理解が「深まった」,あるいは今後の業務に「役に立つ」との御回答をいただいているところであります。
 冒頭にも申し上げましたとおり,官製談合を含め,入札談合の事件はなかなか後を絶たない状況であります。これを根絶することは必ずしも容易なことではありませんが,公正取引委員会といたしましては,厳正な執行と併せて,今申し上げたような取組を通じまして,発注機関における入札談合等の防止のための取組を今後とも積極的に,かつ粘り強く支援していきたいと考えております。

以上

ページトップへ