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平成26年7月2日付 事務総長定例会見記録

平成26年7月2日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

(平成26年6月25日)独占禁止懇話会第198回会合議事概要

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成26年7月2日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

独占禁止懇話会第198回会合議事概要について

 皆さん御案内のとおり,昨日の異動で,広報官はじめ広報のスタッフも一部変更がございましたので,今後はこの体制でいきます。よろしくお願いを申し上げます。
 本日は,まず私のほうから,6月12日に開催されました,独占禁止懇話会の概要についてお話をさせていただきたいと思います。
 御案内のように,独占禁止懇話会は,我が国経済の変化に即応して,競争政策を有効かつ適切に推進するため,公正取引委員会が広く各界の有識者と意見交換をいたしまして,併せて競争政策の一層の理解を深めることを目的として,昭和43年11月以降開催しているものであります。会員の方々は学識経験者,産業界,法曹界,消費者団体,中小企業団体など,各分野における有識者25名で構成されております。現在,会長には東京大学大学院経済学研究科の伊藤元重教授にお願いをしているところでございます。
 今回,6月12日の第198回独占禁止懇話会では,平成25年度における独占禁止法違反事件の処理状況,平成25年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組,さらには平成25年度における主要な企業結合事例の3つにつきまして報告し,それぞれ会員の皆さんから御意見を頂いたところでございます。
 今回の独占禁止懇話会において,会員から頂いた御意見等の内容につきましては,本日お配りをしております,6月25日付けの議事概要を御覧いただければと思いますが,ここでも幾つかの御意見を紹介させていただきたいと思います。
 まず,最初の議題であります,「平成25年度における独占禁止法違反事件の処理状況」につきましては,例えば,お手元の資料の一番上の丸に書かれておりますが,「公正取引委員会の努力にもかかわらず,カルテル,談合等が例年並みに起きているというのは残念である。カルテル,談合等は,公正で自由な市場経済を歪める反社会的な行為であるという一般の認識が足りないのではないか。違反を少なくするという長期的な視点に立ち,啓発活動の1つとして,学校での教育もする必要があるのではないか。また,優越的地位の濫用事件の内容について正確に記載しようとするがゆえに,違反行為の悪質さが伝わりにくくなっていると考える。外部に対して説明する際には,違反行為の悪質さをわかりやすく伝えるべきである。」という御意見が出されました。これに対しましては,お手元の資料に書いてありますように,当方からは,「学校での教育については,出前授業や独占禁止法教室という形で行っておりまして,引き続きこれらを積極的にやっていきたいと考えております。また,公表文における違反行為の概要の記載ぶりについては,正確に記載するという点から難しい面はあるものの,迫力不足という指摘は受け止めて,悪質さが分かるよう工夫してまいりたい。」と回答したところであります。
 その下の丸にありますけれども,「課徴金減免制度を導入したときの趣旨を踏まえ,現状狙っていた効果が出ているのか。」という御質問がありました。これにつきましては,お手元の資料2ページ目に書いてありますけれども,当方から,「平成17年の課徴金減免制度導入当初から,かなりの申請件数があり,これを基に摘発された件数も多い。実際,課徴金減免制度の適用が公表された法的措置件数をみますと,平成25年度は入札談合,価格カルテル等の法的措置件数17件のうち12件,平成24年度は20件のうち19件となっておりまして,課徴金減免制度の存在により,カルテルの発掘,摘発が進んだと考えられる。」とお答えしたところでございます。
 2つ目の議題であります,「平成25年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組」につきましては,例えば,「飲食業界では下請,あるいは業者という言葉は使わない,この辺りから変わっていく必要があるのではないか。また,これだけ支払い遅延,割引などが行われているのは驚きである。」との御意見を頂きました。
 この下請という言葉につきましては,その下の機械製造業の方からも,同じ御意見を頂いたところでございます。これに対して,公正取引委員会からは,「法律上,下請事業者と規定されていることから,私どもとしてこれを使用しておりますけれども,下請事業者に対する書面調査時に,我々は下請事業者ではなくパートナーであるという話をよく聞くところでございます。とはいえ,現状,申告等を通じて我々が把握している限りでは,名実ともにパートナーと言えるような関係はまだまだ一般的ではないのではないかと考えており,事件数にも劇的な変化は見られない。」と応答したところであります。
 次,3つ目の,「平成25年度における主要な企業結合事例」につきましては,2つ目の丸でございますけれども,「企業結合審査のスピードが以前よりも速くなり,産業界としては感謝している。今後,政府の産業競争力強化策の影響で,企業結合の件数が増加すると考えられるけれども,審査期間を短縮するための施策について検討はされているのか。」という質問を頂きました。
 これに対しては,当方からは,「企業結合課では業種ごとに班を作り,審査することで,業界特有の商品知識等を蓄積して,効率的な審査ができるようにしている。また,特定の分野について業務の繁閑が生じないよう,機動的に見直すなどの対応もしております。さらに,案件によって審査にもメリハリを付けて,競争上の問題が生じ得る案件に有効に資源を配分するように努める。」と回答したところであります。
 また,その下の丸にありますが,「国内の人口減少等により,生き残りをかけて企業が統合するなど,これから企業結合案件が増加していくと考えられる。グローバル企業とローカル企業とでは状況が違うとは思うが,企業結合の際に地理的範囲を考える上で,ダイナミックな視点を持ち,これからどうなっていくのかを考えて審査することが必要となっているのではないか。」との御質問を頂きました。
 これに対しまして,公正取引委員会からは,「ダイナミックな視点を持つことは,企業結合審査では重要なポイントである。公正取引委員会としては取引の実態をみて判断しており,例えば平成25年度においては,携帯電話等に使われる電子部品を扱う事業者の企業結合案件では,地理的範囲は世界市場と画定したところでありますし,ダイナミックな視点という意味では,今現在だけではなく,今後,業界がどうなっていくか,将来的な輸入の増加を見込めるかどうかという点も考慮に入れている。」という回答をしたところであります。
 公正取引委員会といたしましては,今回頂いた御意見等も踏まえまして,今後とも適切な審査に努めてまいりたいと考えているところであります。

消費税率引上げ後における公正取引委員会の集中的な広報について

 それから,もう1点は,お手元に資料をお配りしていると思いますが,消費税転嫁対策の広報の取組についてお話をさせていただきたいと思います。
 御案内のように,4月1日に消費税率の引上げが実施され,引上げ後の税率8%に基づきましてして,実際に,商品,役務の提供が開始され,その後,これらの取引の代金の支払が本格化しているところであります。この中で,公正取引委員会は,これまでも繰り返し申し上げてきましたように,転嫁拒否等の行為に対して,厳正かつ迅速に取り締まりをしてきているところでございますが,また,これと併せて,消費税の転嫁拒否等の行為を未然に防止するための周知活動も積極的に行っているところであります。この周知活動を徹底するという観点から,消費税率引上げ後の本年6月から7月にかけて,広報活動を集中的に実施することとしたところであります。
 具体的には,消費税の転嫁拒否は法律で禁止されていること,それから消費税の転嫁拒否等の行為に対しては厳しく監視していること,そして,転嫁拒否を受けた場合に,積極的に情報提供を求めるということを周知するため,新聞広告,雑誌広告,インターネット広告を,お手元の資料にあるように実施しているところであります。本件の担当課は取引部取引企画課でございますので,もし,この詳細についてお問い合わせがある場合は,そちらのほうにお申し出いただければと思います。
 私からは以上です。

以上

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