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平成28年1月20日付 事務総長定例会見記録

平成28年1月20日付 事務総長定例会見記録

 [配布資料]

有識者と公正取引委員会との懇談会で出された主な意見等について (平成28年1月20日公表資料)

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成28年1月20日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

有識者と公正取引委員会との懇談会で出された主な意見等について

 本日,私からは,昨年10月末と11月中旬に,函館市をはじめとする全国9つの都市で開催いたしました有識者との懇談会についてお話をしたいと思います。
 この有識者との懇談会につきましては,昨年9月9日の定例会見におきまして,あらかじめ開催を皆様にお知らせしたものであります。御案内のとおり,有識者との懇談会は,公正取引委員会の委員などが各地区に赴きまして,有識者との懇談を通じて公正取引委員会の活動を紹介するとともに,各地域の実情や競争政策・公正取引委員会に対する御意見,御要望を伺うことで,今後の独占禁止法,下請法及び消費税転嫁対策特別措置法の適切な運用に反映させていくことを目的としたものであります。今年度は,予定どおり,お手元の配布資料別紙1に記載しました9つの都市で開催したところであります。
 懇談会には,各地区の商工会議所などの経済団体,消費者団体,学識経験者,報道関係者などの有識者の方々に御出席いただきまして,はじめに公正取引委員会の最近の活動状況を説明した後,御出席いただいた方々から御意見・御要望をいただいたところであります。本日は,お手元の資料にあります御意見,御要望の幾つかを御紹介したいと思います。
 まず,独占禁止法や下請法運用に関してでありますが,1ページ目の「1 独占禁止法の運用・競争政策の唱導」の3つ目の途中からになりますけれども,「公正な取引環境の整備のため,とりわけ中小企業の取引環境が少しでも良くなるよう,優越的地位の濫用などが起こらないようにしてもらいたい」という御意見や,次のページになりますが,「2 下請法の運用」の2つ目でございますが,「現在,中小規模の事業者は,円安によって原材料が高騰しているにもかかわらず,これを価格転嫁できないこともあり苦しい状況にある」途中は省略させていただきますけれども,「中小企業にとって適正な取引が確保される必要がある」といった,積極的な調査を公正取引委員会に求める御意見などを頂戴しております。
 また,「3 消費税転嫁対策特別措置法の運用」に関しましては,2つ目で「地方の経済状況はいまだ厳しい状況であり,消費税率の引上げ分を上乗せせずに単価を据え置くとの要請を受けても今後の取引関係を考慮して当該要請に従わざるを得ないとの声を聞くことがある。消費税転嫁対策特別措置法違反行為に対する取締活動とともに,同法違反行為の未然防止のため徹底した周知活動を行ってもらいたい」といった御意見をいただいたところでございます。
 公正取引委員会といたしましては,引き続き,入札談合,カルテル,中小事業者に不当に不利益を与える行為に対し,迅速かつ厳正な対応に努めてまいることはもちろんでございますけれども,加えて,消費税の円滑かつ適正な転嫁のための必要な施策につきましても,事業者からの相談対応や各種の広報活動などを含めまして,引き続き積極的に取り組んでいく所存であります。
 広報活動に関しましては,2ページ目の「4 広報・広聴」の2つ目でありますけれども,「独占禁止法違反事例がメディアに取り上げられることは非常に効果があり,これを見て世の中の人は排除措置命令や課徴金納付命令は非常に厳しいものだということを理解するので,今後も積極的に違反事例を公表してもらいたい」でありますとか,最後でございますけれども,「公正取引委員会の情報発信については,一般の人にも分かりやすいようにイラストを入れてみたり,コンパクトに内容をまとめてみたり,ホームページも動画が入っていたりと,大変努力している」という評価をいただいている一方で,続けて,「他方で,折角の努力が,なかなか一般の人に届くのが難しいということを改めて感じた。いかに一般の人に伝えていくのかという視点が重要だと思う」という御意見をいただいたところであります。
 これまでも地域,時期,対象などによりまして,それぞれに適した形での分かりやすい広報活動に努めてきたところでありますけれども,御指摘いただいた点を踏まえまして,より多くの方々に競争政策や独占禁止法,公正取引委員会の活動に御理解をいただけるように工夫をしながら,積極的に広報活動に取り組んでいきたいと考えております。
 なお,その他にも,お手元の資料にありますように,様々な御意見,御要望をいただいたところであります。公正取引委員会は,このような有識者の方々からいただいた貴重な御意見,御要望を踏まえまして,今後も独占禁止法,下請法,消費税転嫁対策特別措置法を運用してまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) テレビなどの報道でもありましたけれど,昨年1月に公正取引委員会が行政調査をした震災復旧の談合疑惑の件で,今日,東京地検特捜部が一部業者の家宅捜索に入ったということですけれど,改めて震災復興とか復旧工事とかでの独占禁止法違反事案について,公正取引委員会としてどんな姿勢で臨んでいるのかというところの御所見を伺えますでしょうか。よろしくお願いします。
(事務総長) 一般論として申し上げますけれども,かねてより公正取引委員会は独占禁止法の執行におきまして,カルテル,談合あるいは中小企業者に不当な不利益を与える違反行為など,国民生活に与えるインパクトの強い事案に対して,これを積極的に摘発し,それに対して法的処置を採ることにしているところであります。
 今,御質問のありました震災関連の事案につきましても,国民生活に与えるインパクトという観点からみると非常に注目すべき,あるいは重点を置くべき類型の事案の一つだと考えております。今後とも公正取引委員会は,これに限りませんけれども,独占禁止法違反の情報に接した場合には厳正に調査し,対処していきたいと考えております。

以上

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