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平成29年2月15日付 事務総長定例会見記録

平成29年2月15日付 事務総長定例会見記録

 [発言事項]

事務総長会見記録(平成29年2月15日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

APEC/競争政策・競争法グループ(CPLG)会合及び関連ワークショップについて

 本日,私からは,先週紹介いたしましたICNの取組に続きまして,公正取引委員会の国際的な取組の一例として,APECに対する取組についてお話をさせていただきたいと思います。
 APECにはその下部組織の一つとして,競争政策・競争法グループ,CPLG(Competition Policy and Law Group)が置かれております。CPLGは,APEC域内における競争法及び競争政策の推進を目的といたしまして,競争関連当局間での議論や情報交換,域内途上国への競争法に関する技術支援等を行っております。
 具体的には年に1回程度,全体会合としてのCPLG会合を開催しているほか,関連のワークショップなどを開催し,実務に携わっている者がそれぞれの知見を共有し合う場を設けております。
 公正取引委員会はこのような活動を行っているCPLGにかねてより参加しております。来週2月20日から26日の1週間,コンペティションウィークと称してCPLG会合及び三つの関連ワークショップがベトナムのニャチャンで開催される予定であります。当委員会からも5名の職員が出席いたします。
 この競争週,コンペティションウィークでは,競争政策の最近の進展等についての意見交換や経済学が競争政策に用いられた事例,電子証拠の収集・分析等の調査手法に関する経験の共有等が行われる予定であります。当委員会からは職員がスピーカーとして議論に参加し,当委員会の実務経験等を紹介することが予定されております。
 この種の海外競争当局との協力,連携関係の構築に当たりましては,何よりも様々な機会を捉えて,継続的に取り組んでいく必要があると思います。公正取引委員会といたしましては,引き続き,本日申し上げましたCPLGを始めとしたAPECにおける競争政策に関する活動,先週紹介いたしましたICN,さらにはOECD等の活動に積極的に貢献していくことを通じて,各国地域の競争当局との協力,連携関係の強化に取り組んでまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) 今日のテーマとは別の話なんですけども,JASRACとの関係で,前々回,課徴金の対象になるのか,ならないのかといったことをお尋ねした記憶があるんですけれども,それとは別で,今,当初出した排除措置命令が最新で有効だというようなお話だったと思うんですけれども,一般的に命令を出した後というのは,命令に基づく是正措置の執行とか,承認申請というんですか,そういったものが採られると思うんですけれども,JASRACの件に関しては,今,その辺りはどうなっているんでしょうか。
(事務総長) 一般的に排除措置命令を出しましたら,その命令の執行ということで担当審査部局の方からその命令をきちっと執行しているかということを相手方に確認をするわけでありまして,JASRACにつきましても,当然,命令事項について,大分時間が経っておりますので,その中身についてはそのときの経過を踏まえた上で柔軟に解釈していく必要があると思いますけれども,きちっと命令が執行されているかということを確認しているところだと思います。
(問) JASRAC側からも承認申請がなされたという理解でいいんでしょうか。
(事務総長) これは個別の話になりますので,具体的なことは差し控えますが,いずれにせよ我々としては,きちっと命令が執行されているかどうかを確認するということだと思います。
 ただ,一般的に命令がきちっと執行されましたというのは,我々は特段の発表しておりません。逆にいえば,もし執行されていなければ,確定命令違反ということで我々としては次のステップに進まなければならない,逆に,そのようなことがなければ,きちっと執行されているというふうに御理解いただければと思います。
(問) 個別の話という部分にもなってしまうのかもしれないんですけども,JASRAC自体が,音楽著作権業界での影響力とかですね,あと,審判とか裁判での過程を踏まえて,それなりに社会的に影響のある事案だということで,伺うんですけれども,公取側としても,JASRACの執行が仮にされていて,それを認めたというわけでもないんですか,今の段階では。
(事務総長) 先ほど申し上げましたように,個別事例で,その執行を行った,行っていないということを今まで言ったことはないと思いますし,申し上げたことの繰り返しですけれども,例えば,命令をどのくらいの期間で実施しなければいけないのかということは区々でございますので,違反の中身によっては,それなりの期間が必要だということもあります。ですから,先ほど申し上げた命令の名宛人と我々との間でやり取りは必要なわけでございます。しかし,それが私どもの観点からいって,命令が執行されていないということになれば,先ほど申し上げたような独占禁止法で定めている次のステップに入るのだと思います。
 したがって,それがないということは,完了しているかどうかはともかくとして,執行に向けて動いているというふうに御理解いただきたいと思います。
(問) 勉強のため,次のステップというのは,確か90条とかの罰金とかの話ですか。
(事務総長) 確定命令違反になればですね,当然のことながら,刑事罰になりますので,それを科していくという動きになると思います。
 あるいは,もう一つ言えば,もし今においても違反行為があるのであれば,また新しい事件としてやるということも状況によっては一般論としては考えられますけれども,JASRACの場合はもう新しい動きがありますから,平成21年に出した命令書の内容が事実上きちっと守られているかということを見ていくのだと思います。
(問) 先ほどのお話に出た2月20日から26日までのAPECのCPLGですか,どなたが出席されて,どんなワークショップなり,セッションに参加されるのか教えてください。
(事務総長) 私どもからは国際課の大矢企画官ら5名が出ます。CPLG会合というのは年に1回の総会みたいなもので,大矢企画官の方から,最近の公正取引委員会の執行状況について御説明申し上げる予定です。
 そのほか,三つテーマがあると申し上げましたけれども,一つが規制影響分析,レギュラトリーインパクトアナリシスに関してOECDが作ったチェックリストのようなものがあるんですけれども,それを紹介して,それぞれ各国の規制が競争にもたらす影響というものについて,どのように分析しているかというのを話し合うセミナー。あと,先ほど申し上げましたように,競争政策における経済学の活用,最後は審査能力ということで,特にデジタルフォレンジックについて話をするということになっております。

以上

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