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平成29年10月11日付 事務総長定例会見記録

平成29年10月11日付 事務総長定例会見記録

[発言事項]

事務総長会見記録(平成29年10月11日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

ICNカルテルワークショップについて

 本日,私の方からは,先週開催されましたICNカルテルワークショップについてお話しいたします。
 ICN,国際競争ネットワークのカルテルワークショップが,先週10月4日から6日までの日程で,カナダのオタワで開催され,公正取引委員会からは,杉山審査局犯則審査部長ほかが出席いたしました。このワークショップには,競争当局関係者のほか,民間の弁護士など,約50の国・地域から230名以上の方が参加いたしました。
 ICNは,競争法執行の手続面,実体面の収れんを促進することを目的としまして,各国・地域の競争当局のネットワークとして設立されております。設立は平成13年でございまして,現在では122の国・地域から135の当局が参加する競争法の分野におきましては最も大きな国際組織となっております。
 ICNカルテルワークショップでございますけれども,加盟国の競争当局がカルテル審査の手法や課題を共有し,また,経験の浅い当局がカルテル審査の手法等を学ぶ機会を提供することを目的としまして,平成16年以降,毎年開催されてきており,今回が14回目ということになります。
 今回のワークショップのテーマは,「公共調達におけるカルテルとの戦い」でございました。そして,カルテルの「探知・発見」,「審査・調査」及び「抑止」の各段階における論点について議論が行われました。公正取引委員会からは,カルテルの「抑止」に関する全体会合において,杉山犯則審査部長がスピーカーを務めたほか,カルテルに対する制裁に関する小会合や,私的訴訟における当局の役割に関する分科会におきまして,職員がスピーカーを務めてまいりました。また,日本からも非政府アドバイザーとして参加した弁護士の方がおられまして,小会合や分科会において,モデレーター,スピーカーとして貢献をされておられます。
 今回のワークショップは,先ほど申しましたように,公共調達がテーマでありましたことから,競争当局や弁護士だけではなくて,調達を行う立場として発注官庁からの出席者も見られました。競争当局と発注官庁との間で直接,活発な意見交換が行われた点が特徴となっております。また,入札談合を探知するためのデータのスクリーニング手法,すなわち入札データから入札談合の兆候を察知する手法や,立入検査時,また,その後の電子データの収集,電子データの分析手法といった新しいIT技術を活用した先進的な審査手法に関するセッションが複数開催され,より効率的,効果的な時代に即した審査手法を取り入れようとする各国当局の積極的な姿勢が見られたところでございます。
 ICNは,年次総会を始めとしまして,このカルテルのほか,単独行為ですとか,企業結合に関するワークショップの開催など,活発な活動を展開してきております。当委員会としましても,競争当局間の協力関係の強化の観点から,引き続き,ICNの活動に積極的に貢献してまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) 他省庁の話で恐縮なんですが,来週10月18日に,日本でLNG産消会議が開かれることになっていて,そのプログラムを見ますと,公正取引委員会の経済取引局の取引部長が講演されるようなんですけど,LNGの取引を巡っては,この前も公正取引委員会も適正化に向けた意見というか,見解を出されたと思うんですが,この会議に向けて何か期するものなどがあれば,一言お願いします。
(事務総長) 今,御質問にもございましたけれども,LNG取引に関しましては,先般,競争政策の観点から報告書,それから,その中で一定の提言をさせていただいております。今回の,今御指摘の会合におきましても,その報告書の内容について,報告させていただくことになっていたはずでございます。
 私どもの考え方としましては,その報告書に尽くされておりますので,今後,関係者,民間の方,それから関係する省庁の方々が,それぞれいろんな取組をされて,LNGの取引,それから競争環境というのがより活発になっていくことを期待しております。
(問) 報告書を出されてから数か月経っていると思うんですけれども,何か手応えのような,民間の方の反応は実際にあったんですか。
(事務総長) この間,私どもも報告書の内容をいろいろな方々に説明してきております。少なくとも需要サイドからすれば,好感を持って受け止めていただいているのではないかと思っております。基本的な考え方,競争法の考え方というのは,我々は別に特殊なことを言っているわけではございませんので,そうした共通理解というものが得られていくのではないかと思います。

以上

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