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平成29年12月6日付 事務総長定例会見記録

[配布資料]

「独占禁止懇話会第208回会合議事概要について」(平成29年12月6日公表資料)

[発言事項]

事務総長会見記録(平成29年12月6日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)

独占禁止懇話会第208回会合議事概要について

 本日,まず,私の方からは,11月22日に開催されました独占禁止懇話会の概要についてお話しいたします。
 独占禁止懇話会は,我が国経済の著しい変化に即応して競争政策を有効かつ適正に推進するため,公正取引委員会が広く各界の有識者と意見交換をし,併せて競争政策への理解を一層深めていただくということを目的として,昭和43年11月以降,開催してきているものです。
 今回の独占禁止懇話会のテーマは,お手元の資料にありますように,三つありました。
 一つは,「独占禁止法施行70周年に当たって」,二つ目は「平成28年度における主要な企業結合事例」,三つ目は「液化天然ガスの取引実態に関する調査報告書」です。それぞれにつきまして,公正取引委員会側から御説明をし,会員から御意見等を頂いたところでございます。
 今回の独占禁止懇話会において,会員から頂いた御意見の内容について,お手元の議事概要を御覧いただきながら,幾つか御紹介させていただきたいと思います。
 2頁目以降に別紙として載せておりますけれども,「○」印が付いているものは会員からの御発言,そして,「→」が付いておりますのが公正取引委員会側からの回答でございます。
 一つ目の議題,「独占禁止法施行70周年に当たって」では,例えば,二つ目の「○」にありますように,「公正で自由な競争環境を整え,市場メカニズムを機能させることは企業・国民にとって重要なことである。公正取引委員会の過去の取組を評価するが,更なる取組をお願いしたい。優越的地位にある企業からの不当な要求や,大企業のカルテルによって商品の価格が不当に吊り上げられ,中小企業が高い価格で商品を買わざるを得ないなどの問題がある。取締りの強化のほか,違反行為の未然防止にも取り組んでいただきたい」。
 それから,二つ目の議題でございます。次のページになりますが,「平成28年度における主要な企業結合事例」に関しましては,その一つ目の「○」にございますように,「企業結合審査において,事業再編により削減されるコストについて検証は行われているのか」。これに対しましては,「企業結合審査においては,事業再編により効率性がどの程度達成されるのかという点を考慮する場合があるが,将来予測であるため,これを正確に把握することは難しい。事業再編によりどの程度効率性が高まるのかについて,最も理解しているのは当事会社自身である。そのため,効率性についての当事会社の主張を聞いた上で,その妥当性や企業結合によらなければ達成できないものなのかなどを考慮して判断することとなる。」と回答いたしております。
 それから,三つ目の議題,最後のページになりますけれども,「液化天然ガスの取引実態に関する調査報告書」につきましては,一つ目の「○」,「報告書の内容が複雑であるため,一見すると,公正取引委員会が液化天然ガスの売主に対してどのような内容を求めているのかを読み取ることは難しい。報告書の公表後,公正取引委員会はどのような活動を行っていくことを予定しているのか。」という御発言があり,これに対しましては,「報告書については,先日開催されたLNG産消会議等でも周知を行ったところである。液化天然ガスの売主の多くは海外事業者という事情もあるため,引き続き,積極的に国内外の事業者に対して周知してまいりたい。」と回答しております。
 公正取引委員会としましては,今回頂いた御意見も踏まえ,今後とも適切な制度設計及び法運用に努めてまいりたいと考えております。

地銀統合案件等に係る企業結合審査の考え方について

 それから,次の資料でございます。独占禁止懇話会でも議題の一つになっておりましたが,企業結合審査の考え方について御紹介いたしたいと考えております。
 公正取引委員会が行います企業結合審査の考え方につきましては,「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」,いわゆる「企業結合ガイドライン」というものを公表しております。企業結合は,二つ以上の企業が統合して,それが市場に対してどういう影響を与えるのかということが問題になるわけですけれども,独占禁止法では,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる企業結合を禁止することができるということになっております。
 その際には,需要者がどの範囲の供給者から商品・役務を調達できるのかという観点から市場画定を行った上で,企業結合により需要者にとって十分な選択肢が確保できなくなるような状況になるかどうかという観点から,独占禁止法上の問題の有無の検討を行っております。
 1枚紙と,それから,パワーポイントの資料がございますけれども,パワーポイントの資料の4頁目を御覧ください。企業結合審査の第1段階としては,市場の画定を行うことになります。
 この市場画定に当たりましては,SSNIP,スニップテストといわれる考え方が採られております。これは,英語の翻訳なので,かなり硬い表現にはなっていて,そこに記載されておりますけれども,考え方としましては,地理,場所的な範囲をどう捉えるのかという点につきましては,ある地域の全ての供給者が一つになって,5~10%程度の価格の引上げを1年程度実施した場合に,需要者が購入先を他の地域に振り替える程度について検討するという考え方であります。商品範囲を画定する場合にも同じような考え方で,他の商品に転換することができるのか,その程度ということが検討されることになります。
 また,5頁に,「競争を実質的に制限することとなる」場合の具体例を記載しています。
 例えば,A社とB社が企業結合を行うことにより,需要者にとって購入先の選択肢が狭まり,値上げ等の行為が行われた場合に,それへの対抗ができなくなるというような状態になることが独占禁止法上問題となる,競争を実質的に制限することになる場合に該当することになります。
 公正取引委員会が企業結合審査を行います場合には,合併等の統合が1件という場合であっても,当該企業結合を計画する当事会社の事業が多岐にわたる場合などにおいては,複数の市場を画定し,それぞれの市場において競争を実質的に制限することになるかどうかということを検討することになります。
 その結果,その中から,競争を制限することとなると判断された市場が出てくる場合がありますが,それによって,当該企業結合全体が認められなくなるというわけでは必ずしもなく,問題があると判断された,その市場において,事業譲渡などの問題解消措置を採っていただくことを前提に企業結合を認めるということが通常でございます。
 先ほどの1枚紙の方を御覧いただき,2パラのところですが,今申し上げましたようなSSNIPテストに基づく市場画定や独占禁止法上の問題の有無の判断基準について,これは欧米等の諸外国の競争当局においても採用している判断基準と同様であります。そういう意味で,国際的に見て標準的なものとなっております。
 各国の競争当局も,このような国際標準の判断基準に基づいて企業結合審査を行っており,公正取引委員会が現在審査中の銀行業における統合案件に係る企業結合審査も同様の判断基準に基づいて審査を行っております。
 また,先ほど若干触れましたけれども,有効な問題解消措置が講じられれば,当該統合が認められるといった手法も,各国共通するやり方でございます。
 参考資料に戻っていただいて,その8頁目と9頁目に,諸外国における銀行の統合案件について,問題解消措置や禁止決定が行われたものを一覧にしております。全部ではありません。最近のものでございます。
 例えば,上の方,アメリカの競争当局でございます司法省は,複数の地域の銀行の統合案件について,先ほど申し上げましたSSNIPテストの考え方に基づいて,一つ又は複数の郡からなる特定の地域における事業性融資という市場を画定して,当該市場において競争上の問題が生じるとして,統合を計画している銀行の店舗を第三者に譲渡するということを条件に統合を認めています。ヨーロッパにおいても同様の例はございます。
 翻って,日本でございますけれども,地方銀行の統合案件については,平成2年及び平成3年に,店舗譲渡を条件に統合が認められた案件がそれぞれ1件ございましたが,それは禁止されたというわけではなく,その他の全ての案件におきましては無条件で,独占禁止法上,問題はないという判断がされてきております。
 先ほどの参考資料7頁目は,最近10年間の地方銀行の統合案件の一覧でございます。14件ありますが,いずれも第一次審査で店舗等の譲渡を条件とせずに,独占禁止法上,問題ないと判断されております。その中には,2番目にありますように,同一県内の地方銀行であります第三銀行および三重銀行の統合案件も含まれております。
 また,同じ参考資料の3頁を御覧ください。件数を載せております。最近の届出の状況をまとめてここに記載しておりますけれども,平成28年度に届出があった319件のうち,詳細な審査が必要として第2次審査に移行したものは3件,すなわち1%未満であり,ほとんどの案件は30日間の第1次審査で終了いたしております。
 1枚紙の資料の最後のところに,なお書きを付しております。地方銀行は,事業活動を行う地域が本店が所在する県などに限定されているわけではなく,実際に県域を越えて事業活動を行っている地方銀行や,他県の地方銀行との連携や統合を行う地方銀行は多数存在しています。また,金融庁が11月に公表しました「平成29年事務年度金融行政方針」においても指摘されていますように,地方銀行の競争手段は多様であるというふうにいえると考えております。
 公正取引委員会としましては,引き続き迅速かつ的確な企業結合審査に努めるとともに,透明性,予測可能性を向上させるため,企業結合審査の考え方について積極的な情報発信を行ってまいりたいと考えております。

質疑応答

(問) この考え方をこのタイミングでお示しになられた理由というのを教えていただけますか。
(事務総長) 今,私の発言の中でも幾つか触れておりますけれども,最近,地方銀行の統合案件について,種々の報道等がなされております。その点についてかなり関心が集まっている,また,先ほど申し上げました独占禁止懇話会においても,その問題に関して御質問等がございましたので,この際,公正取引委員会の考え方をお示しして,従来から採っている考え方ではありますけれども,そのことをきちんと御説明しておいた方が良いのかなと考えたものであります。
(問) もう1点なんですが,この1枚紙のなお書き,一番最後の5点目のところなんですけれども,地銀は県に限定しているわけじゃなくて,県域を越えて事業活動を行っている銀行は多数存在とありますけれども,今回,二つ,地銀の統合ケースがあるんですけれども,九州の場合はこのケースに当たるかと思うんですけれども,その審査が,今現在は長崎県内に限ってのシェアなりというのを審査されているやに伺っておるんですけれども,そのお考えを変える,あるいは九州全体に市場を広げて審査をされるというお考えはないでしょうか。
(事務総長) 先ほど申し上げましたように,今の御質問は,取引分野のうち,主に地理的な範囲に関わる話だと思います。冒頭の御説明の中,参考資料の中にもありますけれども,その取引分野を認定するに当たっては,どういった具体的な事業活動が行われていて,それが需要家サイドから見て,どの範囲で取引,それぞれの商品・サービスを購入することが可能なのかということで判断していくことになります。ですので,それは個別のケースごとに詳細,多くの場合には先ほど申し上げた第1次審査で済んでいますから,それほど詳細には行っていませんけれども,何らかの問題があるのではないかという場合については,その点を詳しく検討して,どの範囲までが,例えば地理的範囲であれば,どの地域までが競争が行われている場として考えるべきなのかというのを見ていくことになります。
 個別のケースに関してでございますので,今,お尋ねのあったケースについて,現在,どういうふうな取引分野で考えているのかというのは,今の段階では差し控えさせていただきたいと思いますけれども,第2次審査に行った案件でございますので,公正取引委員会の結論を出した場合には,当然,その内容については公表させていただきますので,その中においては,どういう考え方を採ったのかというのは明らかにさせていただくことになります。
(問) 長崎の案件に関しては,県内だけでなく,県外も含めても一つの選択肢として審査をされていると,そういう認識でよろしいんでしょうか。
(事務総長) そのことをお答えすること自身が,個別案件についてお答えにすることになるのでですね,考え方は先ほど申し上げたようなことですので,そうした観点から,どういう取引分野と考えるのが適切なのかということを基準に置いて,審査を行っているということです。
(問) じゃあ,飽くまでも県だけに限った話ではないということですか。そういうことでいいんですか。
(事務総長) それは,実際にどのような取引が行われているかに依存するということになります。

(問) 全体的な話になるんですけども,結局,この2件の審査が続いていて,なかなか統合できないというですね,一部批判めいたような意見もあるんですが,改めて公正取引委員会の立場,考え方を教えていただきたいのと,あと,このなお書きに書かれている地方銀行の競争手段は多様であるということは,言い換えれば,統合以外の手段を考えるべきだということを御主張されているのか,その辺りをお聞かせください。
(事務総長) まず,最初の点につきましては,私どもとしては,先ほど申し上げた競争を制限するような統合であれば,それは認められないということになりますし,個別案件においては,それがそういうものなのかどうかというのは,実態に即して判断していくということになります。また,公正取引委員会の企業結合審査全般に関して,それから特定の案件に関して,いろいろと御批判や御意見等が出ているのは承知しておりますけれども,その一つひとつに何か反論していくというのは必ずしも適当ではないと思っておりますので,今回もそうですし,時をとらまえて,私どもの企業結合審査の考え方がどういうふうになっているのかというのを御理解していただくということが大事なのかなと思っています。
 なお書きのところの記載でございますが,先ほど,最近10年間でも地方銀行の統合がそこそこありますということを申し上げましたように,統合自身を頭から否定するというものではありません。ただ,今後,その統合によって利用者に大きな不便なり,不利益を生じさせるというものがあるのであれば,それはほかの手段も考慮していただいた方がいいのではないかという趣旨です。

(問) 地銀の統合を判断するときにですね,競争的な要素ももちろん重要だとは思うんですけれども,一方で結合することによって金融機関の体力が増して,より安定的に金融機関システムが運営されるといったような観点は考えられるんでしょうか。
(事務総長) 企業結合審査においては,基本的には競争を実質的に制限することとなるかどうか,それは先ほど申し上げたような形で考えていくことになります。
 ただ,その一方で,当該統合によってプラスの要素が生じるということも当然あります。それは,そのプラスの要素が具体的にどういうものであって,それがきちんと利用者に還元されるものであり,また,その統合を行うことによってでないとそうした効果が得られないかどうかということが企業結合審査においても判断する一つの要素になってまいります。ただ,それが少しでもそういうことがあればいいんだ,ということにはならないというふうには思います。
(問) 例えば,ただ銀行が生き残るためだけの統合であれば,それは検討に値しないというところですか。
(事務総長) 誰のための統合かということだと思います。

(問) 地銀の結合について少し教えてください。
 まず1点目はですね,新潟で今,第2次審査に入っている案件が1件ございます。その地銀の統合について,今,取引先7000社に公正取引委員会がアンケートをされているというふうに聞いていますが,このアンケートの進捗といいますか,いつごろに集計が終わりそうなのかということと,彼らは,自分たちの統合が地域の人たちから非常に支持されていると主張しているんですが,そのような意見がアンケートからも読み取れるのでしょうか。
(事務総長) アンケート調査については,回答率100%ではないですけれども,回収は終わっております。個別にどういう意見があったのかというのは,今の段階ではまだ差し控えさせていただきたいと思います。
 先ほどの御質問と同じような答えになってしまいますけれども,これも第2次審査に移行した案件でございますので,最後,結論を出した段階においては,どういった考え方,場合によっては,競争業者であるとか,それから利用者がどういう見方をしているのかという点とかですね,そういうことも最終的な公表の際に触れることもあろうかと思います。どこまで触れるのかというのはケース・バイ・ケースですので,本件で必ず触れるとお約束するわけではありませんけれども。
(問) もう1点,ちょっと全体的な話になりますが,今回,独占禁止法施行70周年のところにも意見として書かれていますが,いわゆる歴史の古さは良いことばかりじゃないと,過去を振り返るのも重要だけど,未来志向で競争政策に取り組むことも重要であると書かれています。最近,寄せられる批判の中に,いわゆる独占禁止法というものが,今の競争政策というものが過去の右肩上がりの時代,企業がどんどん増えている中で,あるいは経済が良くなっている中での独占禁止を志向しているのであって,最近の右肩下がりの市場の中で,下手したらどちらかが倒れてしまうというような状況もあり得る中での競争政策は,過去のものを引きずっている,公正取引委員会のやり方は古いんじゃないかと,もっと右肩下がりの,地銀もそうですけど,そういう統合しようとするのを,考えるべきじゃないかという意見があるんですけど,それについてはいかがでしょう。
(事務総長) 独占禁止法が施行されて70年になります。今,右肩上がりの経済とおっしゃいましたけれども,それは70年間のうちでも,その一部の時期だろうと思います。その70年間の中には経済が成長した時期もあれば,停滞,低成長といわれた時期もありますし,また,成長率がどんどん下がっていったというような時代もあったかと思います。独占禁止法は,生きた経済を見て,それに対して判断を加えていくものでございますので,そうした経済の現状認識というのは我々が法律を運用したり,様々な意見を述べていく上での前提となるというふうに考えております。
 ですので,そうした経済に対する認識というものはきちんと持っているつもりでありますし,また,それはきちんと,我々自身も勉強して持たなければいけないものだというふうに思っておりますので,今おっしゃられたようなことというのは当たらないんじゃないかと考えています。
(問) 御指摘の金融行政方針の中でですね,競争政策について,金融庁としてもですね,ふさわしいものというのを検討していくというようなくだりがあるんですが,競争政策について,金融当局がですね,そういうことを言うことについて,どのように受け止めておりますでしょうか。
(事務総長) 各省庁がそれぞれの所管行政を適切に運営するに当たって,様々な事項を検討されるということはあることだと思います。ですので,金融庁の方が,御自身の行政を運営するに当たって,そうしたことに対する研究が必要だというのであれば,それをなさること自体は否定するものではないというふうに思います。
 ただ,飽くまで私どもは競争政策,競争法を実施する官庁でございますので,私どもは私どもとしてきちんとした考え方を持っているということでございます。

(問) さっきのアンケートのお話と関連するんですが,金融庁が地銀に対して,顧客の理解を求めなさいということを常々言っているんですが,顧客が独占でもいいと,それでもいいから統合をお願いしますと言った場合,顧客の意見というものは,公取の審査においてポイントとなるんでしょうか。
(事務総長) 先ほど申し上げたような意味での企業統合による競争の実質的な制限が起こるかどうかということを判断する際の一つの要素にはなりますけれども,顧客が皆いいと言っているから大丈夫なんだということでは必ずしもないと思います。

(問) 先ほどの発言で,誰のための統合かというような点もありましたけれども,地域にとってプラスになるんだということのちゃんとした説明というか,方針が示されれば,公正取引委員会としても少し認めやすくなるというか,判断しやすくなるという部分もあるんでしょうか。
(事務総長) ちょっと言い方が悪かったのかもしれませんけれども,それは,競争が存在して,その果実がきちんと需要者に均てんされることがあるのかどうか,顧客利益に沿うのかどうかという意味で申し上げたつもりです。
 ですので,そういった意味では,当事会社の方がですね,この統合によって,こうした便益が生じるんだ,顧客には不利にならないんだということを説明されること自身は,必ず有効とは言いませんけれども,あってもおかしくないものだというふうには思います。
(問) もう1点,世界各国の事例も挙げていらっしゃいますけれども,例えば,全体ではどうのではなくて,個別の地域で見た場合に何か問題があって,そこを解消,店舗の譲渡なりという形で,何かをやれば認めますよと書かれているというのは,これは一つの解決方法として,可能性があるということでしょうか。
(事務総長) 先ほど申しましたけれども,企業結合の審査においては,その審査の結果,あるいは途中経過ということもあるかもしれませんけれども,どこに競争上の問題が生じているのかというのは,当然,当事会社との間で,コミュニケーションをとりながら審査を進めていきますので,それが統合全般にわたるような場合であれば,かなり大がかりなことをしていただかなければいけないということになりますし,先ほど,一つの統合でも市場が複数認定されることがあり得ると申し上げましたけれども,部分的なところで問題が生じているというのであれば,その問題が生じているところにおいて,解消措置が講じられれば,ほかのところは問題ないということを前提とすれば,そういった解決の仕方はあり得るのかなと思います。一般論ですが。

(問) 2点お伺いしたいんですけれど,まず1点目ですけれども,本日の公表資料を拝見させていただくと,まず独占禁止法に関する懇話会のところでは,長崎の案件を指していると思うんですけれども,統合が無期延期になって,地方が疲弊しているんだという指摘が出て,それに対して公正取引委員会サイドとしては,これは公正取引委員会の問題ではなくて,向こう側で報告をしてこないので,時計が今止まっているんですということで,そういうお話があったり,あるいは,こちらのパワーポイントの資料等を拝見させていただくと,要するに,長崎や新潟それぞれの当事行に対して,再度統合の枠組みを考え直して,県内にこだわるんではなくて,県外のいずれかの金融機関との統合等を検討してはどうかとか,世間的には公正取引委員会が阻止しているように受け止められているけれども,当事行が公正取引委員会ときちんと対話に乗ってきていないのではないかとか,そういう問題意識を感じるんですけれども,その点はいかがでしょうか。
(事務総長) まず,御質問の前半に関わる点としましては,参考資料2頁のところに企業結合審査のフローチャートがございます。話題になっていますので,具体的に名前を出してしまいますけれども,長崎や新潟の案件というのは,この真ん中にあります「審査に必要な報告等の要請」が行われて,その下にあります「報告等の受理」がまだ行われていないという状態になります。
 公正取引委員会が最終的に判断するのは,この報告が提出されてから90日以内ということになりますので,そういう意味で,まだ時計が動いていないという状況でございます。
 資料をどの程度のタイミングで出すのかと,私の方で何か申し上げることはできない話でありますので,懇話会における御説明でもそういった趣旨で申し上げたところです。
 今,御質問いただいた,ほかのやり方を考えてみてはどうかということについてですが,これはやはり当事会社がまずどういうふうに考えるのかという問題でございますので,私どもの方から,ああした方がいいんじゃないか,こうした方がいいんじゃないかというふうに申し上げるのは適当でないと考えております。
 ただ,当事会社とは,これまでもコミュニケーションはとってきており,私どもの考え方,それから,どういったところが問題になりそうなのかということは,当事会社に対しては伝えておりますので,その上で,こういうやり方はどうか,こういう問題解消措置ではどうかということも御提示があれば,それに対しては,それでいいのかどうかというコミュニケーションをとることになっていますし,本件についてもそういったやりとりは現在でも続いていると考えています。
(問) そうすると,報告がまだ来ていないということは,決定打になるような問題解消措置というのが当事行から上がってきてないので,当事行としても時計の針を進めるわけにいかないのでという,そういう理解でいいんでしょうか。
(事務総長) その辺も当事会社側の御判断だと思います。
(問) 今回の統合についての審査の考え方を丁寧に御説明いただいたんですけれども,これはおそらくいかなる産業についても,こういう考え方でお進めになっていると思うんですけれども,銀行側の論理として,金融というのは,ある意味,公共性といいますか,金融機関の健全性も重要ですし,それは第一義的にはその金融機関のためなんですけれども,健全性を維持することは,ひいては地域の利用者のためになるんだと,あるいはコスト削減にもなるんだということで,銀行としては統合というのも一つ選択肢に挙げているということだと思うんですけれども,企業結合審査に当たって,金融業の,銀行業の特殊性といったものは,どういうふうに考えられるんでしょうか。
(事務総長) 特殊性ということを言い出すと切りがなくて,どの産業でも特殊性というのは存在するので,それはもう程度問題なんだろうと思います。
 ただ,それを全く考慮しないというわけではありませんので,先ほど申し上げましたように,そういうことも含めた需要者の利益がどうやって図られるのか,そのためには企業統合しかないのか,そういった点はコミュニケーションの中で出てくる話だと思います。

(問) 先ほど,お答えの中で,個別の案件について考え方を説明するのは結論が出たときとおっしゃられたんですが,たしか排除措置命令を過去に出したことはなかったと記憶しているんですけど,話題になっている案件について,排除措置命令という結論が出ることもあり得るということの前提のお話というふうに理解してよろしいんでしょうか。
(事務総長) 排除措置命令という制度になってから,10年ぐらいでありますけど,その間に,企業結合に関して排除措置命令が出されたことがないのは事実です。
 少なくとも,これまでの統合案件では,第2次審査に進んだ案件であっても,特に問題解消措置を講じることもなく認められたケースが半分弱ありますし,残りの案件についても,一定の問題解消措置を講じるということで統合は認めており,そうした経緯や考え方については,それぞれ各案件ごとに公表してきております。
 では,排除措置命令を出すのかという御質問ですけれども,それは独占禁止法の違反の要件に該当するということであれば,それは可能性としてはございます。飽くまで可能性の話です。

(問) スケジュールの観点で,ちょっと教えてほしいんですけれども,例えば九州の例ですと,1年ぐらいですから,かなり長い期間審査されていらっしゃると思うんですけれども,90日はボタンを押してないということで,まだ話を御協議されていらっしゃる中で,いついつまでにやらなくてはいけないということは,全く考える必要はないということでよろしいでしょうか。
(事務総長) 私どもが法律上課せられている義務というものは,報告等要請に対する報告が全部揃った段階から90日以内で判断をしなければいけないということでありますので,あとは,むしろ当事会社の方が全体のスケジュールをどういうふうにお考えになっているのかということだと思います。
 ちょっと直接御質問とは関係ないことになってしまいますけれども,一般に企業結合審査は届出が行われて,第1次審査は30日間ですし,第2次審査は今申し上げたような,後ろは必ずしもはっきりしませんけれども,そういった期限の設定の仕方をしている。第1次審査の30日間というのは,その30日間は統合を実行できないという期間でもありますので,第1次審査で問題ないという案件の中で,当事会社が必要とされる場合には,その期間の短縮というのを認めることもございますので,今の御質問とは直接関係ないんですけれども,当事会社のスケジュール感というのがむしろ大事なのかなと思います。

(問) 店舗譲渡に対する考え方なんですけれども,銀行さんなどに聞くと,取引先にあっちに行ってくださいっていうふうに言うのは難しいという声があるんですけれども,海外ではいろいろな事例がある中で,これをどのように整理すればいいのか。店舗譲渡というのは有効だという考え方はあると思うんですが,難しいという声もある中で,この点,どう考えていらっしゃいますでしょうか。
(事務総長) 銀行に限りませんけれども,店舗譲渡だけが問題解消措置になるというわけではないと思います。
 競争の状況をより競争的な状況に持っていくためには,競争単位がきちんと存在するということが最も有効なわけですから,競争のための資源が第三者の手に渡るというのを構造措置というふうに言ってますけれども,その構造措置が採られるのが一番効果が強いものだというふうには思います。
 お配りした資料の中にもございますように,こうした手法が採られるのは国際的に別に奇異なことではありませんし,余り例がないとはいえ,日本でもそうしたことで実施した場合がございますので,それは正に個別ケースで,そういうことができるかどうかという判断があるということで,一般的に難しいといえば難しいんだと思います。一般の企業でも生産設備を他に売却しろと言われれば,まず第一には,難しいという答えが返ってくるのではないかと思いますので,そこをどういうふうに,当該統合を実現するためにやらなければいけないこととして捉えるかどうかということなのではないかなというふうに思います。

(問) 地銀の統合に関して,例えば店舗譲渡とかのような競争環境になるような措置ではなくて,独占とか,多少寡占の,競争が制限される状態にはなるけども,それによる弊害が出てこないように,例えば銀行でいえば金利が上がらないように誰かが監視するとか,そういう別の措置によって弊害が出ないようにするというのは,考え方としてあり得るんでしょうか。
(事務総長) 今おっしゃられた措置が適当かどうかはともかくとしてですね,構造的措置以外の措置によって統合を認めているケースも,ほかの産業ですけれども,ございます。ですから,構造措置でなければならないということは一概にはいえないと思いますけれども,それがきちんと競争が機能する状態に持っていけるような措置でないと意味がないということだと思います。

(問) 2点ほど伺いたいんですけれども,まず,そもそも地銀の統合にも幾つかパターンがあると思いますけれども,例えば広域連携するとかですね,都市部で,八千代銀行とかがそうだったと思うんですけど,下位行同士がくっついて都銀とかに対抗していくとかですね,そういう統合というのもある一方で,今回問題になっているというのはかなり特殊な事例なのか,それとも,何かそういう類型によっての考え方というのはあるんでしょうか。
(事務総長) 類型の定義のような気もしますけれども,同じ市場で競争している事業者同士の統合,統合を代表して合併と言えばですね,それは水平合併といい,それから,取引関係のある事業者同士での合併は垂直合併といいますし,それから,そのいずれにも該当しないものは混合型と言ってます。
 それは一番最初に申し上げた市場画定をどういうふうにするかということに一つはかかっていて,同じ市場の中にいるのかどうかというのが,まず判断の要素になると思います。
 極端な例を言えばですね,それがものすごく離れた地域や商品を扱っている,このようなものに統合のメリットがあるかどうか分かりませんけれども,離れた地域や商品を扱っているもの同士であれば,普通は競合が消えるということは余りないので問題は生じにくいでしょうし,それが近ければ近いほど問題が生じる可能性は高まってくる。その意味でのタイプの違いというのはあると思いますけど,頭からこれは何型だというふうに決めてかかってるわけではないのでですね,ちょっと,なかなか御質問に答えにくいんですけれども。
(問) 先ほどコミュニケーションというふうにおっしゃいましたけども,製造業とか,慣れている業界と不慣れな業界があると思うんですが,金融業はどうなんでしょうか。
(事務総長) 一概に申し上げられないので,あまりコメントするのは適当じゃないのかなと思います。

(問) 配布資料の「5」のなお書きのところでですね,企業結合どうこうではなくて,ほかにも方法があるんじゃないかと書いてありますが,これは企業結合審査をする立場からしたら,やや脱線というか,踏み込み過ぎな気がしたのですが,この点はいかがですか。
(事務総長) 先ほど,その統合自身が頭から悪いものだというふうに決めつけてるわけではないと申し上げましたけれども,逆に統合ありきということもないだろうと。企業結合審査という意味であれば,企業結合が行われるということがまずあって,それに対して審査を行うという順番になりますけれども,競争政策全般,競争をより促進していくという立場からすれば,できるだけ競争制限的にならないやり方で事業なり業界の発展をしていただくというのがベターだと思いますので,おっしゃるとおり企業結合審査という枠からはちょっとはみ出しているかもしれませんけれども,いろんなやり方があるんじゃないですかということは申し上げておきたいというふうに思ったものです。
(問) 要するに,消費者利益と比較考量する中での要素だということですかね。
 もう一つ,市場の範囲の話なんですけれども,事業性融資の市場を基に,市場範囲を考えるという御説明だったと理解したんですが。
(事務総長) そこまで申し上げてはいないと思いますが。
(問) アメリカの事例ですか。
事務総長 アメリカの事例です。
(問) ちなみに金融は特区とか作れないんですよね。エリアが限定されないわけですから。市場の範囲というときに,インターネット融資とか,そういうことも考慮はされているものなんでしょうか。
事務総長 先ほど地理的範囲のことを言いましたけれども,まず考え方の順番としては,理論的にですけれども,ごく狭い地域で供給者が1社しかいないという状態で,他の供給者に乗り換えられるか。他の供給者に乗り換えられるのであれば,その供給者がいるところまで含めて一つの市場とし,今度,その市場の中に供給者が1社しかいなくなったとして,その外側まで行けるのかどうかという,今,場所の話をしていますけれども,そういった考え方になります。その中には,物理的にそこに存在していなくても,需要者の側がアクセスすることができるというのであれば,それは考慮の対象にはなります。一般論としてはです。ただ,それが有効な供給先として機能するものかどうかというのが前提にはなりますけど。

(問) フローチャートでちょっと1点確認したいんですけども,「意見聴取手続」まで行って,「排除措置命令を行わない」というふうになったということは,統合が認められたということなんでしょうか。
(事務総長) 独占禁止法では,一定の取引分野の競争を実質的に制限することとなる合併などはしてはいけないということになりますので,基本的にまず排除措置命令のタイプとしては統合してはならないというのが一番典型的なケースになります。あり得るべき手続としては,そうしたもので排除措置の案を相手方に送って,その後,意見聴取手続を経て,排除措置命令を行わないということは,統合を禁止しないということになりますので,統合にゴーサインが出たということです。
(問) 例はあるんですか。
(事務総長) そもそもこの手続まで行ったことがないので。
(問) 海外の事例で,問題解消措置で店舗譲渡というのがあるんですけれども,これは不動産の売却ということですか。それとも,店舗が持っていた債権も含めてということですか。
(事務総長) それも含めてです。

(問) 資料で,当事会社から報告が行われていないため,時計の針が進んでいないというのが懇話会の中で出されたんですが,実質的に競争を制限することを解消する措置の報告がないというふうに捉えてよろしいですか。
(事務総長) 先ほどの,参考資料2頁目のフローチャートにありますけれども,当該企業結合が独占禁止法上問題になるかどうかということを審査するために,いわゆるデータであるとか,周辺の資料であるとか,そうしたものの提出を求めるというのが「審査に必要な報告等の要請」になりますので,普通,その要請自身の中には,問題解消措置というのが入っているわけではありません。むしろ,先ほど来出ていますように,当事会社との間でコミュニケーションを進めていくと,どういった点で我々が独占禁止法上問題があると考えているのかというのは相互に伝わっていきますので,この資料云々ということではなくて,そのコミュニケーションの中で,当事会社の方から,ここが問題なのであれば,ここをこういうふうに直したいというふうに考えているんですけど,どうでしょうかといったコミュニケーションが始まる,そういうプロセスになります。ですから,今の御質問のお答えとしては,この報告等要請の中に問題解消措置を出せとか,そういうことが入っているわけではありません。

以上

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