[配布資料]
「確約手続に関する対応方針」(案)及び「企業結合審査の手続に関する対応方針」の一部改定(案)に対する意見募集について(平成30年7月11日公表資料)
[発言事項]
事務総長会見記録(平成30年7月11日(水曜)13時30分~於官房第1会議室)
確約手続に関する対応方針案等の意見公募について
本日,私の方からは,独占禁止法に新たに導入されることになります確約手続に関する対応方針案等の意見公募についてお話しいたします。
確約手続は,独占禁止法の違反の疑いについて,公正取引委員会と事業者との合意により自主的に解決するための手続です。この確約手続は,6月29日に成立し,今月6日に公布されましたTPP整備法改正法によりまして,TPP11協定の発効の日に施行することになりました。そのため,公正取引委員会は,この確約手続の施行に向けて,その法運用の透明性及び事業者の予見可能性を確保する観点から,「確約手続に関する対応方針」(案)等を作成し,本日,意見公募手続を開始いたしました。
お手元の資料にありますように,今回,意見公募の対象となりますのは,新たに作成します「確約手続に関する対応方針」と,確約手続の導入によりまして一部改正が必要になると考えております「企業結合審査の手続に関する対応方針」でございます。
概要の資料もあるかと思いますが,そちらもご覧ください。中心となります「確約手続に関する対応方針」(案)では,例えば,どのような事案が確約手続の対象外になるのかという対象事案に関する事項や,排除措置計画に記載されることが想定される典型的な排除措置の例,手続中に行う可能性のある意見募集の位置付け,認定後に公表される内容などを記載しています。
対応方針案の内容のうち,対象事案を例に若干御説明を加えておきます。概要の資料の2つ目の箱にございますように,確約手続の対象となります行為というのは,独占禁止法に違反する行為が広く含まれているわけでありますけれども,そのうち,公正取引委員会が公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があると認めるものということになっております。
そこで,入札談合,価格カルテル等のいわゆるハードコアカルテルである場合,違反被疑行為に係る事件について10年以内に同一の違反行為を行ったことがある場合,刑事告発に相当するような国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質・重大な違反被疑行為である場合には,違反行為を認定して法的措置を採ることによって厳正に対処する必要があり,公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要であると認めることができないため,確約手続の対象としないことを明らかにしています。そのほかにも先ほど申し上げたような項目について記載をしております。
今後のスケジュールでございますけれども,本日から8月10日までの間,意見を募集いたしまして,その後,寄せられた意見を踏まえて再度内容を検討した上で,本年の秋頃には成案を策定し,公表できるように作業を進めてまいりたいと考えております。本件の担当は経済取引局の参事官付及び企画室でございます。
質疑応答
(問) 一部報道で出ているアップルと携帯電話についてなんですけれども,今回,iPhoneの契約などを巡り,アップルの方から契約内容を見直す方針を公正取引委員会に伝えたというふうに報道されているんですが,こちらの問題は,この間出た携帯の報告書の中では触れていなかったと思うんですけれども,これは公正取引委員会が問題視していなかったということで報告書では触れていなかったんでしょうか。教えてください。
(事務総長) 今朝ほど,そうした報道がなされていることは承知しておりますけれども,それは違反に関する調査の内容に関わる話でございますので,その報道の内容自身については,コメントは差し控えたいと思います。
また,先般の携帯電話取引に関する調査につきましては,2年ほど前に行いましたもののフォローアップ調査ということで,そのスコープは,それと,その後生じた問題に対応するためということで記載しておりますので,その趣旨は報告書の冒頭のところで明らかにしていたかと思います。
(問) 確約手続の対象のところで,ハードコアとか繰り返しとか刑事告発は対象としないけども,これ以外のものが全部対象になるかというと,そういうわけでもないんですよね。
(事務総長) ここでは,対象とならないものというものは明示しておりますけれども,法律自身では,広く独占禁止法違反に関わるものについては,違反の事実関係,そうした疑いのあるものについては対象となるということとされております。あとは,個別のケースにおいて,どのような事案をこの確約手続にのせるのが適当かということは,ケース・バイ・ケースで判断していくことになると思います。 ただ,基本的には,この法律の中にも書いてございますように,公正取引委員会が公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要であると認める場合ということがございますので,全ての案件で確約手続が使われるというわけでもございません。
(問) では,確約手続の対象としないものは除いて,この案件は確約手続にしようかするまいかというのは,最終的にはもう公正取引委員会の裁量というか,判断になるわけですよね。
(事務総長) 個別事件ごとの判断になるということでございます。
(問) ちょっと別の話題になってしまうんですけれども,金融庁の森長官が17日付で退任されて,次は遠藤さんに変わるという人事が発表されたんですけれども,森長官とは特に地銀の統合を巡って考え方がぶつかるようなところもあったように見受けられたんですけれども,今回のこうした長官が変わられた人事についての受け止めをよろしければお聞かせいただけますでしょうか。
(事務総長) 金融庁の人事に関することでございますので,私が何か申し上げるのは適当ではないと思います。
以上