EU
欧州委員会,Microsoftに対し,2009年の確約を遵守しなかったとして,審査を開始
2012年7月17日 欧州委員会 公表
【概要】
欧州委員会は,Windowsのユーザーが,使用したいブラウザを簡単に選択できる画面を提供するとした2009年の確約の遵守を怠った疑いがあるとして,Microsoftに対する審査を開始した。
欧州委員会が入手した情報によると,Microsoftは,2011年12月に欧州委員会に提出した年次遵守報告書(annual compliance report)の中で全ての確約を遵守しているとした記述に反し,同年2月から販売が始まったWindows 7 Service Pack 1において,この選択画面を提供しなかった疑いがある。実際,Microsoftは,2011年2月から今日まで,選択画面が表示されていなかったことを認めている。
Microsoftは,同社製のウェブブラウザであるInternet ExplorerのWindows OSへの抱き合わせ販売が,市場支配的地位の濫用に該当するおそれがあるとする欧州委員会の懸念に対し確約を提示し,2009年12月,欧州委員会はそれを法的に拘束する決定を下した。当該確約は,Microsoftが,欧州経済領域において,Windowsのユーザーが同社のウェブブラウザに加えて,又はそれに代えて,インストールしたいウェブブラウザを,必要な情報を与えられた上でかつ公平に選択できるような「選択画面」について,5年間(2014年まで)提示するというものであった。2010年3月時点においては,この選択画面は,初期設定のウェブブラウザとしてInternet Explorerが設定されている欧州のWindowsユーザーに提供されていた。
欧州委員会は,今後,特にWindows 7のユーザーに対し,この選択画面を提供するとする確約が遵守されていたかどうかについて審査を行う。