その他

オーストラリア

ACCC、新たに設けられた不当な価格設定の禁止規定に対するスーパーマーケットの遵守状況を監視へ

2026年6月26日 オーストラリア競争・消費者委員会 公表

原文

【概要】

1 オーストラリア競争・消費者委員会(以下「ACCC」)という。は、7月1日に新たな不当な価格設定の禁止規定が施行されるのに合わせ、スーパーマーケットの価格設定の監視を開始する。 

2 この禁止措置は、年間売上高が300億豪ドルを超える非常に大規模なスーパーマーケット小売業者(very large supermarket retailers)に適用され、現時点ではコールズとウールワースのみが対象となる。

3 本日(2026年6月26日)公表された新たなガイドラインにおいて、ACCCは、どのように禁止規定の遵守状況を監視するか、また、コールズやウールワースが不当な価格設定を行っているかどうかをどのように評価するか、概説している。

4 この禁止規定では、食料品について「過度な価格」とみなす基準となる既定値は設けられていない。その代わりに、ACCCはスーパーマーケットの価格情報を監視し、消費者に商品を供給するためのコストやスーパーマーケットにとって妥当な利益率など、あらゆる関連事情を考慮した上で、その食料品の価格が過度であるかどうかを判断する。

5 ACCCは、消費者や供給業者からの通報や、価格、利益率、売上高等のスーパーマーケットから得た情報に基づき選定した特定の商品群を優先的に監視する。 

6 今後数か月の間に、ACCCはより詳細に調査する最初の重点商品を選定し、公表する予定である。

7 ACCCは、スーパーマーケットの価格設定に関する透明性を高めるため、禁止規定に基づく法令遵守の監視状況について定期的に最新情報を提供していく。 

8 ACCCのキャトリオーナ・ロウ委員長代行は、次のように述べた。 
(1) 食料品の価格は、依然として各世帯にとって大きな懸念事項であることを認識している。この不当な価格設定に対する禁止規定は、消費者を保護し、スーパーマーケット業界における競争を促進するための、我々の幅広い取組に新たな手段を加えるものである。 
(2) この禁止規定に関する当面の重点は、コールズとウールワースの価格情報を監視し、両社が義務を遵守していることを確認することに置かれる。
(3) 我々は、不当な価格設定が消費者に最も大きな損害を与える可能性のある商品に注力する。
(4) スーパーマーケットが食料品を過度に高値で販売している疑いがある場合は、消費者や供給業者に対してACCCへの通報を呼びかけたい。こうした通報は、更なる調査が必要な商品を特定する上で役立つだろう。
(5) スーパーマーケットが法律に従って行動するよう確保するためのACCCの継続的な取組に対し、大きな社会的関心があることを認識している。 

背景
9 2025年12月14日、オーストラリア政府はスーパーマーケットにおける不当な価格設定の禁止を発表した。この禁止措置は、「食品・食料品コード」の改正として実施された。

10 この禁止措置により、「食品・食料品コード」に新たな目的が導入された。それは、非常に大規模な小売業者による食料品への不当な価格設定を禁止することで、食料品市場において実効性のある競争環境を促進し、消費者の福祉を保護することである。

11 ACCCは、「食品・食料品コード」(不当な価格設定の禁止を含む)の遵守をさせる責任を負っている。

12 この禁止規定には、ACCCが遵守状況を評価する際に考慮すべき様々な要素が含まれており、具体的には以下のとおりである。 
・ 当該小売業者が非常に大規模な小売業者であるかどうか
・ 小売販売を通じて、ある種の食料品が消費者に供給された又は供給を申し出されたかどうか
・ 当該食料品の種類
・ 当該食料品の供給価格
・ 当該食料品の供給にかかる非常に大規模な小売業者のコスト
・ 関連する状況を考慮した上で、供給コストに合理的な利益を上乗せした金額と比較して、その価格が「著しく過度」であるかどうか

13 ACCCは、価格設定を行う際に、何が認められているかについての情報を、同委員会のウェブサイトで提供している。

14 ACCCは、食品・食料品コードの遵守を促進するため、事業者向け及び消費者向けの教育活動を実施するとともに、関係者や他機関と緊密に連携しながら多角的なアプローチを展開している。

15 「食品・食料品コード」に違反した場合、多額の制裁金が科される可能性があり、ACCCには、裁判所による裁定、違反通知、裁判所による執行可能な誓約など、その他の様々な執行手段も用意されている。

16 ACCCは、通報された全ての事案に対処できるわけではない。ACCCの役割は、脆弱性を持つ消費者に影響を及し、又は及ぼす可能性がある事案や、競争プロセスに害を及ぼしたり消費者や中小企業に広範な不利益をもたらしたりする事案に焦点を当てることにある。
     
 

英国

CMA、英国のパブリッシャーに対するより公正な取引を確保するべく、グーグルの検索サービスを改善

2026年6月3日 英国競争・市場庁 公表

原文

【概要】

1 本日(2026年6月3日)、競争・市場庁(以下「CMA」という。)は、グーグル検索に対して新たな行動要件を課した。これにより、グーグルは、英国のデジタル市場競争制度の下で、特定の措置を講じる義務が生じた。この行動要件は、パブリッシャー及び消費者に対するより公正な取引を確保し、英国におけるグーグルの検索サービスを改善するものである。 

2 当該行動要件は、CMAが一般検索サービスにおいてグーグルを「戦略的市場地位(SMS)」に指定する決定を行ったことを受けて課されたものである(注1)。この指定により、CMAは、公正な取引、オープンな選択肢、又は信頼及び透明性を確保する目的のために、グーグルの検索活動について「行動要件」と呼ばれる対象を絞った規則を導入することが可能となる。 
(注1)CMAが事業者をSMSに指定するには、当該事業者がデジタル活動において、実質的かつ持続的な市場支配力を有し、かつ戦略的に重要な地位にあると認定する必要がある。グーグルをSMSに指定したからといって、同社が反競争的行為を行ったことを意味するものではない。CMAが事業者をSMSに指定した場合、CMAは、追加的なパブコメの実施や措置の比例原則の遵守を含む法的枠組みに従うことを条件として、競争を活性化し、イノベーションを促進し、消費者を保護するための介入措置(本日の決定で示された措置を含む)を講じることが可能となる。 

3 世界で初めて、パブリッシャーは今後、AI Overviews(注2)のような検索におけるAI機能に自社のコンテンツが利用されることを防ぐ有効な手段を有することになる。これにより、報道機関などのパブリッシャーは、コンテンツの取引についてグーグルと交渉する上で、より強い立場に立つことになる。 
(注2)グーグルが2024年4月に発表した生成AI搭載検索エンジンのことである。ユーザーが検索バーに入力した検索内容について、AIが複数の情報源から要約を生成し、その要約が検索結果として表示されるものである。 

4 消費者の信頼を高めるため、グーグルは今後、AIが生成した検索結果において、明確なリンクを用いてパブリッシャーのコンテンツの出典を適切に表示することが義務付けられる。 

5 意見募集で寄せられた意見を踏まえ、グーグルは今後、AIモデルに「ファインチューニング(追加学習)」されることに自社のコンテンツが使用されることについて、パブリッシャーがオプトアウト(拒否)できるようにしなければならない。これにより、パブリッシャーは、自社のコンテンツがAIで利用されるあらゆるケースを管理できるという確信を得られる。

6 2026年5月、グーグルは、(検索結果等に)AI技術を更に組み込むため、検索プラットフォームを大幅に変更することを公表した(注3)。これは、英国のユーザーに対する検索結果の表示方法を根本的に変える可能性がある。今回の行動要件は、この変更にも適用される。ただし、CMAは、グーグルがこれらの変更をどのように実施しているかについて、事業者への影響の評価を含め、活発な監視を継続していく。CMAは、必要に応じて、グーグルとパブリッシャーが双方にとって相応の対価を受け取ることができるよう、更なる措置に向けた取組を進める。 
(注3)グーグルは、AIを中心とした新しい検索方法を導入したとし、検索ボックスを、「自然な文章による長い質問」、「画像」、「ファイル」、「動画」等で入力できるよう刷新し、AIモードの基盤モデルにGemini3.5 Flashを導入することとし、AIモードとAI Overviewsとの連携を強化するとした。更に、情報収集を行うAIエージェント機能を導入するとした。

7 CMAのチーフエグゼクティブであるサラ・カーデルは、次のように述べた。
(1)  本日、我々は、英国におけるグーグルの検索サービスに対し、世界初の行動要件を導入した。これにより、事業者及び消費者に対して、公正な取扱い、透明性の向上及び実効性のある選択肢を確保する。
(2)  AI Overviewsのような機能がオンライン検索を急速に作り変えている中で、報道機関を含むコンテンツ・パブリッシャーが、自社コンテンツがどのように利用されるかについて適切な交渉力を有することが極めて重要である。同時に、これらの措置は、英国の何千万人もの検索ユーザーが、提示される情報をよりよく理解し、信頼することを助けるものとなるだろう。
(3)  検索サービス分野で我々が講じるあらゆる措置が、時代の変化に合わせて柔軟に対応できるものであることも重要である。グーグルは最近、検索事業に関する変更を公表しているが、本日我々が導入した行動要件は、グーグルが現在行っていること及び将来行うことに対応するよう設計されている。また、我々は、英国の規制制度が持つ独自の柔軟性を引き続き活用し、将来の懸念が生じた場合には、それを監視し対処していく。また、今後数週間以内にグーグルの検索事業に関する更なる措置を公表する予定である。

8 CMAは、グーグルが検索サービスに新たな行動要件をどのように適用するかについて、活発な監視活動を展開する。グーグルには、全ての変更を実施するために9か月の期間が与えられるが、CMAは、これらの是正措置の重要な部分が、実装に十分に先立ってパブリッシャーが利用できるようになることを期待している。また、グーグルは、実施した変更内容及び遵守状況について説明するコンプライアンス報告書を、主要なデータや指標による裏付けを伴って提出し公表することが義務付けられる。これらの報告書は、初年度は6か月ごとに提出期限が到来し、その後、CMAは利害関係者からのフィードバックも踏まえつつ報告する頻度を見直す。これらの変更が行われるに当たり、CMAは利害関係者からのフィードバックを歓迎する。

9 デジタル市場競争制度が昨年施行されて以降、CMAは、主要テクノロジー企業であるグーグル、アップル及びマイクロソフトに対し、4件の戦略的市場地位調査を開始している。行動要件は同制度の重要な要素であり、行動要件により、CMAは、指定事業者がデジタル市場を改善し、競争を保護するよう行動することを確保するため、適切であり、証拠に基づく措置を講じることができる。本日課された行動要件は、今後数週間から数か月にわたって行われるCMAのデジタル市場業務に関する一連の進捗の一部である。  

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