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ケニア競争当局との間の協力に関する覚書

ケニア競争当局との間の協力に関する覚書

日本国公正取引委員会とケニア競争当局との間の協力に関する覚書

 日本国公正取引委員会及びケニア競争当局(以下「両当局」と総称し、個別に「当局」という。)は、競争法・政策の適切かつ効果的な執行が日本及びケニアにおける効率的な市場及び両国国民の経済厚生を維持する環境を強化するために、両当局間の協力及び調整が重要であることを認識し、それぞれの属する国における競争法・政策の効果的な実施について互いに協力することの意義及び重要性を認識し、両当局間において競争法・政策に関する良好な連絡体制を確立することが、両当局間の関係の改善及び強化に寄与することを認識して、以下の共通認識に達した。

パラグラフ1 定義

この覚書の規定の適用上、「競争法」とは、
(a) 日本国については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)、その実施について定める命令及び規則並びにそれらの改正をいう。
(b) ケニアについては、競争法(2010年法律第12号)、その実施について定める命令及び規則並びにそれらの改正をいう。

パラグラフ2 協力の目的

 この覚書は、両当局間の協力関係の進展を通じて、両国の競争法の効果的な執行 に貢献することを目的とする。
 両当局は、それぞれの属する国において効力を有する法令に従って、自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で、及び自己の重要な利益に適合する限り、互いに協力し、及び支援を提供する。

パラグラフ3 協力の範囲

3.1. 両当局は、法令、両当局の共通の利益及び自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で、以下の分野において協力する。
(a) 他方の当局の執行活動に関連する情報を当該他方の当局に提供すること。
(b) 新たな又は提案されている法令に関して、公表文書その他一般に入手可能な文書の交換を含め、情報を交換すること。
(c) 適切な場合には、競争法の執行の経験を交換すること。
(d) 競争政策及び競争法執行に関する情報を相互に求めること。
(e) 両当局によって共同で決定されるその他の形態の協力を行うこと。
3.2. 両当局の職員は、適当な場合には、競争法・政策の分野における経験を共有するために会合することができる。
3.3. 両当局は、この覚書に基づく協力の促進のための連絡窓口を以下のとおり任命し、当該連絡窓口間の効果的な情報交換及び協力を確保する。各当局の連絡窓口は以下のとおりとする。
(a) 日本国公正取引委員会:事務総局官房国際課
(b) ケニア競争当局:政策・調査・広報局
3.4. 両当局間の情報交換は、適切な場合には、電話、電子メール、テレビ会議、会議、又は他の手段で実施することができる。

パラグラフ4 費用及び支出

4.1. この覚書は、両当局に、予算、時間及び人的資源を含む事務管理費の分担に関していかなる義務も課するものではない。
4.2. 訪問及び会合に関して、主催する当局は会合場所を準備し、全ての関連の支出を負担する。日当のほか、旅費、現地での交通費を含む、その他の全ての支出は、訪問する当局が負担する。

パラグラフ5 技術協力

5.1. 両当局は、競争政策の強化及び各国の競争法の実施に関連する技術協力活動において協力することが共通の利益であると認識する。
5.2. この技術協力活動には、両当局の合理的に利用可能な資源の範囲内で行われる次の活動を含めることができる。
(a) 研修のため両当局の職員を交流させること。
(b) 一方又は双方の当局が組織し、又は後援する競争法・政策の実施に関する研修課程において、両当局の職員が講師又はコンサルタントとして参加すること。
(c) 両当局が決定するその他の形態の技術協力を行うこと。

パラグラフ6 情報の秘密性

6.1. 一方の当局は、当該当局の属する国の法令に従い、他方の当局がこの覚書の下で秘密のものとして提供するあらゆる情報の秘密性を保持する。
6.2. この覚書の下で一方の当局から他方の当局に提供される情報(公に利用可能な情報を除く。)については、受領した当局は、その競争法の効果的な執行のためにのみ使用するものとし、かつ、他の当局又は第三者に開示してはならない。
6.3. この覚書の他の規定にかかわらず、いずれの一方の当局も、当該当局の属する国の法令によって禁止されている場合又は自己の重要な利益と両立しないと認める場合には、他方の当局に情報を提供することを要しない。
6.4. この覚書の下で一方の当局から他方の当局に提供される情報(公に利用可能な情報を除く。)については、受領した当局により、当該受領した当局の属する国の裁判所又は裁判官が行う刑事手続において使用されてはならない。
6.5. このパラグラフの規定は、情報を受領した当局が、自国の法令により要求される限度において、この覚書に基づき提供された当該情報の使用又は開示を行うことを妨げない。そのような場合には、当該受領した当局は、可能な限り、情報を提供した当局に対し当該使用又は開示について事前に通報する。

パラグラフ7 雑則

7.1. この覚書に基づく両当局間における全ての協力は、それぞれの属する国において効力を有する法令に従い、自己の合理的に利用可能な資源の範囲内で実施される。
7.2. この覚書のいかなる規定も、両当局又はそれぞれの政府に対して、法的拘束力のある権利又は義務を新たに設けるものではない。

パラグラフ8 期間、修正及び終了

8.1. この覚書に基づく協力は、署名の日から開始される。
8.2. いずれか一方の当局は、他方の当局に対し、少なくとも30日前に文書で通告することにより、この覚書に基づく協力を終了させることができる。
8.3. この覚書は、両当局の書面による同意により修正することができる。

パラグラフ9 紛争の解決

 両当局は、この覚書の解釈又は適用に関するいかなる見解の相違又は紛争についても協議を通じて解決する。


以上の証拠として、両当局の正当に権限が与えられた代表者は、下記のとおり署名する。
2016年6月9日に東京において、英語により、等しい価値を有する2通に署名された。

日本国公正取引委員会のために     ケニア競争当局のために
日本国公正取引委員会委員長      ケニア競争当局委員長  
杉本和行               デイビッド オンゴロ

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