(正本とは形式面で異なります。)
第四章 反競争的行為の規制
第十一条 目的
1 この章は、基本協定第百三十二条に規定する協力の実施に関する細目及び手続を定めることを目的とする。
2 この章の規定の適用上、「実施当局」とは、
(a) 日本国については、公正取引委員会をいう。
(b) マレーシアについては、国内取引・消費者省をいう。
第十二条 透明性
各締約国の実施当局は、次のことを行う。
(a) 反競争的行為を規制する自国の法令の改正及び新たな法令の制定について他方の締約国の実施当局に速やかに通報すること。
(b) 適当な場合には、反競争的行為の規制に関連して発出し、及び公表したガイドライン又は政策声明の写しを他方の締約国の実施当局に提供すること。
(c) 適当な場合には、締約国の実施当局の年次報告又はその他の公表資料であって一般に利用可能なものの写しを他方の締約国の実施当局に提供すること。
第十三条 技術協力
1 両締約国政府は、反競争的行為の規制に関連する技術協力活動において協力することが両締約国の実施当局にとって共通の利益であることに合意する。
2 この技術協力活動には、各締約国の実施当局の合理的に利用可能な資源の範囲内で行われる次のことを含めることができる。
(a) 研修のため実施当局の職員を交流させること。
(b) 各締約国の実施当局が組織し、又は後援する競争法令に関する研修課程において、他方の締約国の実施当局の職員が講師又はコンサルタントとして参加すること。
第十四条 討議
両締約国の実施当局は、いずれかの締約国の実施当局の要請があった場合には、反競争的行為の規制に関連して生ずることのあるいかなる共通の関心事項についても、討議する。
第十五条 見直し
1 両締約国政府は、いずれかの締約国において反競争的行為を規制する新たな法令が制定される場合には、相互の合意により、この章の規定に基づく協力について見直しを行い、及び当該協力を拡大する。
2 1に規定する協力のいかなる拡大も、各締約国の関係法令及び各締約国政府の利用可能な資源の範囲内で行われる。
第十六条 雑則
1 この章の規定を実施するための詳細な取決めは、両締約国の実施当局間で行うことができる。
2 この章のいかなる規定も、両締約国政府の間で有効な他の二国間又は多数国間の協定又は取極に従って両締約国政府が相互に支援を求め、又は与えることを妨げるものではない。
3 この章のいかなる規定も、他の国際的な協定若しくは取極又は各締約国の法律に基づく各締約国政府の権利及び義務に影響を及ぼすものと解してはならない。