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中国商務部との協力に関する覚書

中国商務部との協力に関する覚書

日本国公正取引委員会と中華人民共和国商務部との間の独占禁止協力に関する覚書

 日本国公正取引委員会及び中華人民共和国商務部(以下「両当局」と総称し、個別に「当局」という。)は、
それぞれの属する国における競争法・政策の効果的な実施を促進するための競争分野における協力の重要性を認識し、以下の共通認識に達した。

1 協力の目的

 この覚書は、競争法・政策及びその執行の分野における連絡及び協力のための適切な枠組みを規定することによって、両当局のパートナーシップを強化することを目的とする。

2 協力の範囲

 両当局は、必要に応じて、自国の法令の範囲内で、共通の利益に従って、以下の分野において協力する。
2.1. 競争法制、執行及び政策における進展に関して情報を交換すること。
2.2. 両当局が適当と考える場合には、競争法執行の経験を共有すること。
2.3. 両当局が同意した場合には、両当局が同時に審査を行っている個別事件について相互に情報を交換すること。
2.4. 各自の執行担当職員の能力開発に関して、実務及び経験を共有すること。
2.5. 多国間における競争法・政策事項に関する国際協力について意見を交換すること。

3 協力の形式

 別段の決定を行わない限り、両当局は、それぞれの競争法・政策に関する最近の動きを伝え合い、共通の関心を有する事項について意見を交換するため、少なくとも年1回、日本国及び中華人民共和国において交互に会合する。
 前記の会合に加えて、両当局は、訪問、電話又はテレビ会議によって、幹部又は実務レベルで情報交換を実施することができる。

4 技術協力

 両当局は、両国の競争政策及び競争法の執行を強化することを目的として、技術協力活動において協力することが共通の利益であると認識する。
 両当局は、この覚書に基づく詳細な作業計画を作成する意図を有する。当該作業計画には、法執行に係る能力開発及び他の活動を含めることができる。また、両当局は、必要に応じて当該作業計画を改定及び更新する意図を有する。

5 連絡窓口

 両当局は、効果的な連絡を確保するため、各当局の連絡窓口を以下のとおり指名する。

日本国公正取引委員会:事務総局官房国際課

中華人民共和国商務部:独占禁止局競争政策課

6 費用分担

 この覚書は、両当局に、資金、時間、人員その他の運営資源の投入に関して、いかなる義務も課すものではない。
 会合及び訪問に関して、主催する当局は会合場所を準備し、関連の支出を負担する。訪問する当局は、旅費、現地での交通費及び日当を負担する。電話又はテレビ会議の費用は、そのような費用を生じさせた当局が負担する。

7 情報共有及び情報の秘密性

 いかなる情報の伝達も両当局の裁量に委ねられている。
 いずれの当局も、自国の法令によって禁止されている場合又は自己の利益と両立しないと認める場合には、他方の当局に対する情報提供の要請を断ることができる。
 一方の当局は、他方の当局が書面によって事前に同意しない限り、関連する法令及び規則に従い、この覚書に基づき他方の当局から提供された情報を秘密として扱い、当該情報(公に利用可能な情報を除く。)については、受領した当局は、その競争法の効果的な執行のためにのみ使用するものとし、かつ、他の当局又は第三者に開示してはならない。

8 解釈及び適用上の見解の相違

 両当局は、この覚書の解釈又は適用に関するいかなる見解の相違についても協議を通じて解決する。

9 法的拘束力

 この覚書は、法的拘束力のあるものではなく、両当局に関する既存の協定から生ずる両当局の権利及び義務に影響を与えるものではない。

10 開始及び終了

 この覚書に基づく協力は、署名の日から開始する。
 いずれか一方の当局は、他方の当局に対し、少なくとも30日前に文書で通告することにより、この覚書を終了させることができる。両当局は、書面による同意によりこの覚書を修正することができる。

 

 2016年4月11日に東京において、等しい価値を持つ日本語及び中国語により署名された。


日本国公正取引委員会のために   中華人民共和国商務部のために

日本国公正取引委員会委員長    中華人民共和国商務部部長助理
杉本和行             童道馳

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