ジンバブエ(Zimbabwe)

最新の情報については,当局ウェブサイトを御確認ください。
※ 以下の概要については,作成時期が古く,その後更新は行っておりませんので,その旨御留意ください。

1 根拠法

 ジンバブエの競争法は,1996年競争法(the Competition Act 1996)である。

2 執行機関

 ジンバブエの競争法執行機関は,産業及び取引競争委員会(the Industry and Trade Competition Commission)である。 委員会は,5名~10名の委員から成り,その中から,委員長及び副委員長を大統領が任命する(第6条, 第12条)。委員長及び副委員長の任期は大統領がこれを定める(第12条)。

3 規制の概要

(1) 不公正取引行為

ア ジンバブエの競争法は,以下の不公正取引行為を禁止しており,これらの不公正取引行為に参加した者等は罪に問われる,と規定している(第42条)。
(i) 誇大広告
(ii) 虚偽取引
(iii) 広告の値段を上回る値段による商品又は役務の流通
(iv) 商品又は役務を流通することの不当な拒絶
(v) 入札談合
(vi) 競争者間における共謀協定
イ 一定の行為の法的効果の否認
 不公正取引行為を構成する又は不公正取引行為の促進に関わる又はこの法律若しくはこの法律の下のいかなる命令若しくは告示に違反する,いかなる協定,取決め,約束,行為又は不作為も,無効となる(第43条)。

(2) 制限的行為

 以下に掲げる行為は,直接又は間接的に市場の競争を制限する行為として禁止されている(第28条)。
(i) 商品又はサービスの生産又は流通の制限
(ii) 生産又は流通に必要な施設の制限
(iii) 商品又はサービスの価格引き上げ又は価格拘束
(iv) 効率的な手段での商品又はサービスの生産又は流通の妨害
(v) 商品又はサービスの技術の発達又は導入の妨害
(vi) 商品又はサービスの生産又は流通の参入妨害に関する2者以上の合意,取決め,事業慣行等

(3)合併

 合併とは,生産・流通に関する事業,又は,生産又は流通に利用され又は関連する資産の支配権を獲得し,すでに支配権を獲得する事業者が,同様の商品又はサービスにおいて,関連する事業について支配権を有することという。

(4)独占的状態

 1社又は実質的に経済的関係にある2社以上の事業者が,いかなる商品又はサービスにおいて実質的な市場支配力を有することを,独占的状態という。

4 法執行手続

(1)調査権限

ア 委員会が必要と考えるとき,以下の行為に対する調査をなしうる。
(ア) 制限的慣行及び独占的状態
 1委員会が違反の存在を信じるにつき理由がある場合,又は違反に至るかもしれない場合
(イ) 合併
 合併がなされたとき,又は合併計画が提案されるとき
イ 委員会は,調査開始前に官報又は委員会が適当であると考える地域の新聞に,告示を出さなければならない。告示の内容は,調査案の性質,調査案の主題事項について,関係者に対し書面を提出するよう要求するものである。
ウ 委員会は,身柄を拘留する権限のほか,委員会調査法に基づく調査権限を有する。
エ 審査官は,不公正取引行為,独占的状態,合併,制限的慣行に関するいかなる書類,記録,文書についてコピー又は抜粋を提出するよう関係者に求めることができる。
オ 立入検査は,建物の責任者が同意しなければ行使してはならない。

(2)制裁措置

ア 制限的行為が存在し,又は存在するかもしれない場合,若しくは公共の利益に反する場合,委員会は以下の命令(order)をなしうる。
(i) 制限的慣行の従事への禁止
(ii) リストプライスの提示の要求
(iii) 命令の名宛人の設定価格の規制
(iv) 商品又はサービスを供給する際における,推奨価格又は希望価格の提示の禁止
イ 合併又は独占的状態が存在し,又は公共の利益に反する場合,委員会は以下の命令をなしうる。
(i) 当該合併又は独占的状態の違法宣言
(ii) 独占的状態にある事業者に対し適当な措置を取るよう要求すること
(iii) 資産獲得の禁止又は制限
(iv) 分離を保証するため適当な措置を取るよう要求すること
(v) 第三者に対し,禁止又は制限事項の遵守につき監視するよう要求すること
ウ 不公正取引行為を行った者が,個人の場合には,5万ドル以下の罰金若しくは2年以下の懲役又はそのような罰金及び懲役の双方を科され,それ以外の場合には,15万ドル以下の罰金を科される(第42条)。

(3)不服申立規定

 委員会の決定により不当に権利を侵害された者は誰でも,行政裁判所に対して控訴することができる。この控訴は,1979年の行政裁判所法の下で作られたルールに規定されている時期,形式及び方法により為されなければならない(第40条)。
 

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