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下請法の普及啓発に関する取組「下請法基礎講習会」

下請法の普及啓発に関する取組「下請法基礎講習会」

下請法の普及啓発に関する取組「下請法基礎講習会 -オンライン方式による実施-」

令和2年11月10日

 公正取引委員会中部事務所下請課では,親事業者・下請事業者の区別なく,下請法等の基礎知識の習得を希望する方を対象に「下請法基礎講習会」(以下「基礎講習会」といいます。)を開催しています(令和元年度においては,管内で7回開催しました。)。令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の発生に伴い,感染拡大防止の観点から,従来の対面による基礎講習会ではなく,オンライン方式による基礎講習会とし,10月16日に,第1回目(愛知県に所在する事業者が対象)を開催しました。

 オンライン基礎講習会は,公正取引委員会がライセンスを取得しているWeb会議サービスを利用し,当事務所会議室で講師が説明する内容を,受講者にリアルタイムで配信(ライブ配信)する方法で実施しています。

 オンライン基礎講習会では,受講者は,対面による基礎講習会のように1つの会場に集まるのではなく,各自の職場において自ら受講環境を整えて受講するものであるため,パソコンの準備やオンライン基礎講習会のサイトへのアクセス作業を自ら実施する手間が生じます。

 一方で,受講者は,職場を離れることなく講習会に参加することが可能であるため,移動に要するコスト(時間や費用)が節約できるという利点があります。また,対面での基礎講習会は,会場の収容人数の都合上,1社当たりの参加人数を2名までと限定していましたが,オンライン基礎講習会はこの制約を受けないため,社内の会議室に集まって視聴するなどの方法により多くの方に受講していただけるという利点もあります(もちろん,Web会議サービスの能力の範囲内でとの制約はあります。)。実際に,10月16日のオンライン基礎講習会では,24社から96名の方に御参加いただきました。

研修実施に当たり工夫した点

 第一に,Web会議サービスを利用した説明会・講習会においては,対面の場合と比較して,講師の話し方・話す速度が受講者の理解度・満足度を高める上では重要であるとの認識に基づき,事前に,実際にWeb会議サービスを用いてリハーサルを行うこととしました。

 リハーサルにおいては,講師役の職員は本番当日の説明内容と同内容の説明を行い,他の職員は,講師の肉声ではなく,Web会議サービスに接続したPC端末から聞こえてくる音声を確認し,講師の話し方をチェックしました。例えば,文章の語尾を明確に発音できているか否か(語尾が不明確だと,説明内容がyesなのかnoなのか分からないという事態に陥ってしまいます。),話す速度が速すぎて聞き取りにくくなっていないかなどを講師役の職員にフィードバックを行いました。

 第二に,対面の場合と異なり,講師が実際に目の前にいないと受講者のモチベーションが途切れがちになってしまうのではないかと考えました。そのため,どのようにしたら受講者のモチベーションを維持できるかを考え,説明の内容を,抽象的な法律論は必要最小限とし,具体的な事例等を多く紹介する方向にシフトしました。

 第三に,対面の場合であれば,講師は受講者の態度・表情を目視することにより,説明を理解できているか,説明についてきているかを把握できるのですが,オンライン方式では,これを十分に把握することは難しいと考えました。そのため,講師はマウスポインタを使用して,受講者のパソコン画面に映し出されている資料上のどの場所を説明しているのかを示すことにより,受講者を「置いてき(け)ぼり」にすることがないよう心掛けました。

受講者からの評価

 オンライン基礎講習会の終了後,Web会議サービスのアンケート機能を利用したアンケートを実施しました。アンケートの内容は,オンライン基礎講習会の説明時間の長短,理解度,受講人数等を質問するものです。

 このうち,理解度については,「よく理解できた」,「おおむね理解できた」,「あまり理解できなかった」,「理解できなかった」の4段階による評価をお願いしました。10月16日のオンライン基礎講習会では,参加した全ての企業からアンケートの回答(24通)をいただいたところ,理解度については,「よく理解できた」の評価を13社(54.2%)から,「おおむね理解できた」の評価を9社(37.5%)からいただくことができました(肯定的評価の合計は22社(91.7%))。

 前年度に愛知県内の会場で行った基礎講習会(対面式。2回)における理解度の評価(アンケート回収数は2回で計111通)は,受講者が異なること等に留意する必要がありますが,「よく理解できた」が36.0%,「おおむね理解できた」が63.1%でしたので,肯定的評価全体でみると99.1%→91.7%と約7ポイント下げてしまいましたが,「よく理解できた」に限ってみると36.0%→54.2%と約18ポイント上昇となりました。

 今後は,全体的な肯定的評価のアップに向けて,今回のオンライン基礎講習会を振り返ってみて,受講者により理解度を高めていただけるような説明内容・説明方法を工夫していきたいと考えています。

課題・問題点

今回,オンライン基礎講習会を開催するに当たり,開始時刻の約30分前から音声テストを開始しました。しかし,受講者の一部には,所属企業の情報セキュリティー環境等の影響で,開始時刻までにオンライン基礎講習会のサイトに接続ができないというケースが見られました。

当該企業の情報セキュリティー担当部門の協力もあり,結果的に,オンライン基礎講習会に途中から参加することができたのですが,音声テストを含めた接続テストの時間を,講習会の開始前(例えば前日)に十分な時間を確保して行う必要性を痛感しました。

今後のオンライン基礎講習会について

 今年度,中部事務所では,オンライン基礎講習会をあと6回開催することを計画しています。

 今後の予定は,中部事務所のホームページ上で順次公表していきますので,御関心を持っていただけた方は,ホームページを定期的にチェックしていただければと思います。

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