洋服の小売業を営むA社(資本金5000万円)は,A社ブランドの洋服の製造をB社(資本金1000万円)に委託した。A社はB社との取引に当たり,商社であるC社(資本金5億円)を通じて商品の受取り及び代金の支払い等の事務手続を行うこととした。C社は,A社から受け取った下請代金について,実費を超える振込手数料を差し引いた上でB社に支払った。この場合において,下請法の違反行為(減額)の主体について正しく述べているのはどれか。
(1)A社が違反行為主体である。
(2)B社が違反行為主体である。
(3)A社とC社が違反行為主体である。
(4)A社とC社は違反行為主体ではない。
(2) ×
(3) ×
(4) ×
設問においてC社は商品の受け取り及び代金の支払等の事務手続を行っているにすぎず,A社が親事業者としてB社に対して製造委託を行っているものである。親事業者が下請事業者との取引において商社を介在させる場合には,親事業者が,商社と下請事業者との取引内容を確認し,商社を指導する立場にある。
小売業者であるA社(資本金4億円)は,メーカーであるB社(資本金1億円)に対し,B社のメーカーブランドの商品(各メーカー等が自ら仕様等を決定し自社ブランドとして販売している商品)を発注した。この取引について,以下の2つの状況がある場合に,下請取引に該当するか否かについて正しいことを述べているのはどれか。
①A社はB社に対し,商品にA社の社名を印刷したラベルを付すよう依頼した。
②B社はA社に対し,A社向けの特注仕様の商品の生産を申し出たが,A社は申出を断り,B社の仕様の商品の生産を依頼した。
(1)①,②いずれの場合も下請取引に該当する。
(2)①の場合は下請取引に該当するが,②の場合は下請取引に該当しない。
(3)①の場合は下請取引に該当しないが,②の場合は下請取引に該当する。
(4)①,②いずれの場合も下請取引に該当しない。
(2) ○
(3) ×
(4) ×
小売業者によるメーカーブランド商品の発注については,納入業者が発注を受けてから生産する場合であっても,当該メーカーブランド商品の汎用性が高く,かつ,当該小売業者が自社用として変更を加えさせることがない場合には,実質的には規格品の購入と認められ,製造委託には該当しない。
①しかし,規格品,標準品であっても事業者が仕様等を指定(依頼者の刻印を打つ等)して他の事業者にその製造を依頼すれば「委託」に該当する。
②小売業者が納入業者からの商品の企画に関する申出に応じて商品の企画・仕様等について意見を述べた場合であっても,小売業者が仕様等を指定したとは認められない場合には,本法上の「委託」にならず製造委託には該当しない。
下請事業者に対する3条書面の交付は原則として発注の都度必要であるが,必要記載事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由がある事項がある場合には,当該事項を記載せずに下請事業者に書面(当初書面)を交付することが認められている。次のうち,正当な理由があるとはいえない場合はどれか。
(1)製造委託において,親事業者はその基本性能等の概要仕様のみを示して委託を行い,下請事業者が持つ技術により詳細設計を行って具体的な仕様を決定していくため,委託した時点では,「下請事業者の給付の内容」又は「下請代金の額」が定まっていない場合
(2)修理委託において,故障箇所とその程度が委託した時点では明らかでないため,「下請事業者の給付の内容」,「下請代金の額」又は「下請事業者の給付を受領する期日」が定まっていない場合
(3)過去に前例のない試作品等の製造委託であるため,委託した時点では,「下請事業者の給付の内容」又は「下請代金の額」が定まっていない場合
(4)情報成果物作成委託において,下請事業者に委託する給付の内容は定まっているが,顧客側の都合により,顧客への引渡代金が定まっていないため,「下請代金の額」が定まっていない場合
取引の性質上,製造委託等をした時点では必要記載事項の内容について決定することができないと客観的に認められ,正当な理由がある。
(4) ○
ユーザーとの取引価格が決定していないなど下請代金の額を決定できるにもかかわらず決定しない場合や,下請代金の額として「具体的な金額を定めることとなる算定方法」を3条書面に記載することが可能である場合には,下請代金の額について「その内容が定められないことについて正当な理由がある」とはいえない。この場合には,3条書面に,具体的な下請代金の額や算定方法を記載し,交付する必要がある。
下請事業者に対する3条書面の交付は原則として発注の都度必要であるが,必要記載事項のうちその内容が定められないことにつき正当な理由がある事項がある場合には,当該事項を記載せずに下請事業者に書面(当初書面)を交付することが認められている。この場合に親事業者がとった次の行動のうち,下請法3条の観点から誤っているものはどれか。
(1)下請代金の額として,単価を定められないことについて正当な理由があったため,正式な単価でないことを明示した上で,当初書面に「0円」と表記した。
(2)当初書面において内容が定められない事項について,内容が定められない理由を当初書面に記載した。
(3)当初書面において内容が定められない事項について,内容を定めることとなる予定期日を当初書面に記載した。
(4)当初書面において内容が定められない事項が確定した後,当該事項を直ちに口頭で通知した。
下請代金の額として,単価を定められないことについて正当な理由がある場合には,その単価を記載せずに当初書面を交付することが認められ,正式な単価でないことを明示した上で,具体的な仮単価を記載したり,「0円」と表記したりすることも認められる。
(2)及び(3) ×
3条書面の具体的な必要記載事項のうち「その内容が定められないことにつき正当な理由がある」事項がある場合には,当該事項を記載せずにそれ以外の事項を記載した書面(当初書面)を交付することが認められる。ただし,このような場合であっても,記載しなかった事項について,内容が定められない理由及び内容を定めることとなる予定期日を当初書面に記載する必要がある。
(4) ○
当初書面に記載されていない事項について,下請事業者と十分に協議をした上で速やかに定めなくてはならず,その内容が確定した後は,直ちに,当該事項を記載した書面(補充書面)を交付しなければならない。また,これらの書面については相互の関連性が明らかになるようにする必要がある。
役務提供委託では,「支払期日」の起算日は,「下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日(役務提供に日数を要する場合は役務提供が終了した日)」であり,原則として,下請事業者が提供する個々の役務に対してそれぞれ「支払期日」を設定しなければならないが,個々の役務が連続して提供される役務である場合には,一定の要件を満たせば,月単位で設定された締切対象期間の末日に当該役務が提供されたものとして,締切後60日(2か月)以内に下請代金を支払うことが認められる。この場合の「一定の要件」として誤っているものはどれか。
(1)下請代金の支払は,下請事業者と協議の上,月単位で設定される締切対象期間の末日までに提供した役務に対して行われることがあらかじめ合意され,その旨が3条書面に明記されていること。
(2)3条書面に,当該期間の下請代金の額(算定方法も可)が明記されていること。
(3)下請事業者が連続して提供する役務が同種のものであること。
(4)親事業者に役務の提供を委託した者が同一の者であること。
(2) ×
(3) ×
(4) ○
一定の要件は,以下の①から③であり,親事業者に役務の提供を委託した者が同一の者であることは要件とはされてない。
① 下請代金の支払は,下請事業者と協議の上,月単位で設定される締切対象期間の末日までに提供した役務に対して行われることがあらかじめ合意され,その旨が3条書面に明記されていること。
(例:支払期日欄に「毎月○日締切,翌月(翌々月)○日支払」と記載する。)
② 3条書面に,当該期間の下請代金の額(算定方法も可)が明記されていること。
③ 下請事業者が連続して提供する役務が同種のものであること。
下請代金の支払遅延に関する考え方として,下請法の観点から,正しいものはどれか。
(1)下請法では,検査をするかどうかを問わず受領日から起算して60日以内に下請代金を支払う必要があるため,検収締切制度は一切認められない。
(2)情報成果物作成委託において,作成の過程において親事業者が委託した情報成果物が一定の水準を満たしていることを確認する目的で一時的に自己の支配下に置く場合であっても,親事業者の支配下に置けば直ちに受領したこととなり,支配下に置いた日が下請代金の支払日の起算日となる。
(3)プログラムの作成委託において,給付の内容を確認するため,プログラムの納品に併せて下請事業者に最低限の証拠資料(単体テスト結果報告書等)を提出させることとし,その旨を3条書面に記載していたが,プログラムの納品時に証拠資料の提出が間に合わなかったので,証拠資料の提出日をもってプログラムの受領日とした。
(4)親事業者は,従来,下請代金の支払期日に手形(サイト120日)を交付していたところ,現金払に変更することとし,手形の満期日に現金を支払うこととした。
検収締切制度を採用することが直ちに問題となるものではない。しかし,下請法では,検査をするかどうかを問わず,受領日から60日以内において,かつ,できる限り短い期間内に設定した支払期日に下請代金を支払う必要があることから,検収締切制度を採用する場合には検査に要する期間を見込んだ支払制度とする必要がある。
(2) ×
情報成果物作成委託では,親事業者が作成の過程で,下請事業者の作成内容の確認や今後の作業の指示等を行うために情報成果物を一時的に親事業者の支配下に置く場合がある。この時点では当該情報成果物が委託内容の水準に達し得るかどうか明らかではない場合において,あらかじめ親事業者と下請事業者との間で,親事業者が自己の支配下に置いた当該情報成果物が一定の水準を満たしていることを確認した時点で給付を受領したこととすることを合意している場合には,親事業者が当該情報成果物を自己の支配下に置いたとしても直ちに受領したものとはせず,自己の支配下に置いた日を支払期日の起算日とはしない。ただし,3条書面に記載した納期において,当該情報成果物が親事業者の支配下にあれば,内容の確認が終了しているかどうかにかかわらず,当該納期に受領したものとして,支払期日の起算日とする。
なお,このような取扱いとしているのは,情報成果物の場合,外形的には全く内容が分からないことから特に認めているものであり,製造委託,修理委託の場合には認められないので注意が必要である。
(3) ○
あらかじめ親事業者と下請事業者との間で,納期前に親事業者が支配下においたプログラムが一定の水準を満たしていることを確認した時点で給付を受領したこととすることを合意しており,プログラムの納品に併せて当該確認を行うための証拠資料の提出を求めている場合において,証拠資料の提出が遅れた場合に,証拠資料の提出後にプログラムを受領したこととしても問題はない。ただし,この場合には,委託した給付の内容に証拠資料の提出を含むこととし,3条書面にその旨記載して発注するとともに,証拠資料の作成の対価を含んだ下請代金の額を下請事業者との十分な協議の上で設定して発注する必要がある。
(4) ×
親事業者が支払期日にサイト120日の手形により下請代金を支払っていたところ,今後,これを現金払いとし,従来の手形の満期日に現金を支払うような方法は,現在の支払期日から更に120日後に支払うこととなり,必然的に受領日から60日を過ぎることになるから,下請法に違反する(このような支払方法は期日現金払いという。)。
A社(親事業者)は,B社(下請事業者)にA社の店舗で販売する商品の製造を委託しているところ,「消化仕入」と称し,A社に納入された時点では受領とせず,A社が一般消費者に販売した時点をもって製造委託した物品をB社から受領したこととし,当該受領したこととする日から起算して60日後に下請代金を支払うことを合意している。この場合,下請法の観点から,下請代金の支払期日として正しいものはどれか。
(1)A社が一般消費者に販売した日が下請代金の支払期日となる。
(2)A社が一般消費者に販売した日から起算して60日後が下請代金の支払期日となる。
(3)A社が製造委託した物品をB社から受領した日が下請代金の支払期日となる。
(4)A社が製造委託した物品をB社から受領した日から起算して60日後が下請代金の支払期日となる。
(2) ×
(3) ○
(4) ×
支払期日については,下請法第2条の2第1項により,受領日から起算して60日以内の期間内に定めることとされている。下請法上,納品させた時点で「受領」したこととなるところ,設問の場合,当該受領日とは別に「一般消費者に販売した日」という特定されない日を基準に,その60日後,又は翌月末日に支払うこととするものであり,支払期日も特定されないこととなるため,同項の支払期日を定める義務に違反することとなる。
このように支払期日を定めなかった場合は,同条第2項により受領日が支払期日とみなされる。
次の親事業者の行為のうち,「下請代金の減額」として問題となる行為はどれか。
(1)自社の店舗で販売する食料品Aの製造委託に関し,「ボリュームディスカウント」として,一定期間における親事業者の店舗での売上金額が,あらかじめ定めた目標金額以上となったため,下請事業者に対し,当該一定期間の下請代金の額に一定率を乗じて得た額を金融機関の口座に振り込ませた。
(2)下請事業者から注文した商品と異なる商品が納品されたため,返品をしたことから,返品の給付に係る下請代金の額を減じて支払った。
(3)下請事業者の給付に瑕疵があったため,自ら手直しをしたことから,手直しに要した費用を下請代金の額から減じて支払った。
(4)下請代金を下請事業者の銀行口座へ振り込む際の手数料を下請事業者に負担させることを書面で合意した上で,下請代金の額から金融機関に支払う実費の範囲内で振込手数料の額を差し引いて下請代金を支払った。
下請法の運用基準において,①ボリュームディスカウント等合理的理由に基づく割戻金(親事業者が,下請事業者に対し,一定期間内に,一定数量を超えた発注を達成した場合に,下請事業者が親事業者に支払う割戻金)であって,あらかじめ,②当該割戻金の内容が取引条件として合意・書面化されており,③当該書面における記載と3条書面に記載されている下請代金の額とを合わせて実際の下請代金とすることが合意され,かつ,④3条書面と割戻金の内容が記載されている書面との関連付けがなされている場合には下請代金の減額には該当しない。ここでいう「合理的理由」とは,ボリューム及び割戻金の設定に合理性があるものであって,具体的には発注数量の増加とそれによる単位コストの低減により,当該品目の取引において下請事業者の得られる利益が,割戻金を支払ってもなお従来より増加することを意味する。したがって,単に,将来の一定期間における発注予定数量を定め,発注数量の実績がそれを上回る場合を条件とする割戻金は合理的なものとはいえず,「下請代金の減額の禁止」に違反する。
(2) ×
親事業者は,例えば,下請事業者の給付の内容に瑕疵等があるとして返品する場合や,返品せずに親事業者が自ら手直しをする場合は,「下請事業者の責めに帰すべき理由」があるとして,返品等に係る下請代金を減ずることが認められている。
(3) ×
下請事業者の責めに帰すべき理由があるとして,受領拒否又は返品することが下請法違反とならない場合であって,受領拒否又は返品をせずに,親事業者が自ら手直しをした場合に,手直しに要した費用など客観的に相当と認められる額を減ずることは認められている。
(4) ×
親事業者は,発注前に振込手数料を下請事業者が負担する旨の書面での合意がある場合には,親事業者が負担した実費の範囲内で当該手数料を差し引いて下請代金を支払うことが認められている。
次の親事業者の行為のうち,「下請代金の減額」として問題とならない行為はどれか。
(1)自社の店舗で販売する衣料品に関し,「ボリュームディスカウント」として,対象品目を特に限定せず,一定期間における発注総額が,あらかじめ定めた目標金額以上となったため,下請事業者に対し,当該一定期間の下請代金の額に一定率を乗じて得た額を金融機関の口座に振り込ませた。
(2)下請事業者の給付に瑕疵があったところ,返品や手直しは行わず,瑕疵による商品価値の低下に係る客観的な相当分を下請代金の額から減じて支払った。
(3)下請事業者の給付に瑕疵があった場合に限って返品を行っているが,この下請事業者の給付には不良品が多いので,返品に要する手数料と称して,実際に返品した給付に係る下請代金の2倍に相当する額を減じて下請代金を支払った。
(4)下請事業者から書面での合意を得ているため,支払時点において,下請代金が「2,100,005円」だった場合,下請代金の額を「2,100,000円」として支払った。
①ボリュームディスカウント等合理的理由に基づく割戻金(親事業者が,下請事業者に対し,一定期間内に,一定数量を超えた発注を達成した場合に,下請事業者が親事業者に支払う割戻金)であって,あらかじめ,②当該割戻金の内容が取引条件として合意・書面化されており,③当該書面における記載と3条書面に記載されている下請代金の額とを合わせて実際の下請代金とすることが合意され,かつ,④3条書面と割戻金の内容が記載されている書面との関連付けがなされている場合には下請代金の減額には該当しない。「合理的理由」とは,ボリューム及び割戻金の設定に合理性があるものであって,具体的には発注数量の増加とそれによる単位コストの低減により,当該品目の取引において下請事業者の得られる利益が,割戻金を支払ってもなお従来よりも増加することを意味する。設問では対象品目が特定されていない発注総額の増加のみを理由に割戻金を求めていることから,合理的理由があるは認められず,下請代金の減額に該当する。
(2) ○
下請事業者の責めに帰すべき理由があるとして,受領拒否又は返品することが下請法違反とならない場合であって,受領拒否又は返品をせずに,瑕疵等の存在又は納期遅れによる商品価値の低下が明らかな場合に,客観的に相当と認められる額を減ずることは認められる。
(3) ×
親事業者は,下請事業者の給付の内容に瑕疵等があるとして返品する場合,その給付に係る下請代金を減ずることが認められている。他方で,業界で慣行として行われていることであっても,差し引く名目にかかわらず,発注時に決定した下請代金の額を発注後に減ずることは,「下請代金の減額の禁止」に違反する。返品した給付に係る額だけでなく,それ以外の手数料も併せて下請代金から差し引くことは問題となる。
(4) ×
支払時点において,下請代金の額に円未満の端数があった場合,これを四捨五入又は切捨てのいずれの方法により支払ったとしても,下請代金の額を「減ずること」には当たらない。ただし,1円以上の単位で切り捨てる場合は,「下請代金の減額の禁止」に違反する。
親事業者であるA社は,下請事業者であるB社,C社,D社及びE社に対して製品の製造を委託しています。下請代金の支払について,A社の担当者であるXさんは,次のようなことを考えている。Xさんの考えとして,下請法の観点から適当でないものはどれか。
(1)B社との取引条件は,当社の物流センターに納品してもらうことになっている。物流センターの運営には莫大なコストが必要なので,その一部をB社に負担してもらうことをお願いしたいと考えている。
(2)C社との取引条件は,当社の各店舗に納品してもらうことになっており,その前提で下請代金も決定している。しかしながら,C社が希望すれば物流センターへの納品も認めている。C社が物流センターに納品した場合,各店舗への配送は当社が肩代わりすることになるので,協議の上,肩代わりに相当するコストを下請代金の額から減じようと考えている。
(3)当社は,下請取引とは別に,原材料をD社に販売している。従来は,下請代金の支払と原材料代の決済を別々に行っていたが,経理事務の効率化のために,原材料代を下請代金の額から差し引いて,下請代金を支払うことを考えている。
(4)E社に対して製品100個の製造を発注したが,最終ユーザーの都合により,そのうち10個がキャンセルとなってしまった。キャンセルの理由について下請事業者は理解を示してくれているが,当社としては,注文どおり100個受領して,100個分の下請代金を支払うべきである。
センターフィーと称する金銭を下請代金の額から差し引く行為が下請法上問題となるか否かについては,下請代金の額を定めた際の取引条件上,下請事業者が本来納品すべき場所がどこまでとされているかが重要となる。例えば,取引条件上,本来納品すべき場所が各店舗であれば,下請事業者は各店舗への納品に係る物流コストを負担する責任を負うことになる。この場合において,下請事業者が物流センターを利用するか否かを自由に選択でき,さらにセンターフィーの額についてその自由意思に基づいて交渉の上決定されるなどの事情の下,物流センターへ一括納品して各店舗への納品は親事業者に任せることで,物流コストの軽減につながるなどの利益を得られるのであれば,下請事業者が物流センターのサービスを受ける別の取引があり,その場合のセンターフィーはそのサービスの対価であると評価することが可能である。こうした評価が可能であれば,センターフィーを下請代金の額から差し引いたとしても,下請代金の減額には該当しない。
(3) ×
下請事業者に販売した商品等の対価や貸付金等の弁済期にある債権を下請代金から差し引くことは,下請代金の額を「減ずること」には当たらない
(4) ×
下請事業者の責めに帰すべき理由がない場合に下請代金の額を減じることは,「下請代金の減額の禁止」に違反する。親事業者の販売先の都合により,製品が不要となった場合において,当該製品の額を下請代金の額から減じることは,下請事業者の責めに帰すべき理由がないため,問題となる。