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下請法 知っておきたい豆情報 その10

下請法 知っておきたい豆情報 その10

【有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止について】

 Q 当社はレジャー用品の製造販売を行っています。今夏に新製品を発売することとなり,この新製品を下請事業者に製造委託するに当たって,製造に必要な原材料を当社から下請事業者に有償で支給(販売)しようと考えています。この原材料については,下請事業者に製造委託をするに先立ち一括して支給し,その代金を支払ってもらおうと考えていますが,注意すべき点はありますか?

 A 親事業者が,下請代金を支払うより前に,有償で支給した原材料の代金を支払わせること(代金の一部のみを支払わせる場合も含みます。)は下請法上問題となるので注意が必要です。

 ※なお,(有償・無償に関係なく)親事業者が下請事業者に原材料等を支給する場合であっても,親事業者は,発注した物品等の受領日から60日以内に定められた支払期日までに下請代金を支払う必要があることはいうまでもありません。今回ご紹介する豆情報は,有償で原材料等を支給する場合の,その原材料等の代金の決済の時期についてのルール(下請代金を支払うよりも早いタイミングで,原材料等の代金を支払わせてはいけない。)です。

    どっきんの画像
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有償支給原材料等の対価の早期決済の禁止について

親事業者が有償で支給した(自己から購入させた)原材料等の対価を早期に決済する(支払わせる)ことは, 支払遅延の場合と同様,下請事業者にとって,資金繰りが苦しくなるなど不利益を被ることになるので,下請法上,原則として禁止されています。

イメージ図

 親事業者は,下請事業者に対し製造委託等をした場合は,次の各号(役務提供委託をした場合にあつては,第1号を除く。)に掲げる行為をすることによつて,下請事業者の利益を不当に害してはならない。

 一 自己に対する給付に必要な半製品,部品,附属品又は原材料(以下「原材料等」という。)を自己から購入させた場合に,下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに,当該原材料等を用いる給付に対する下請代金の支払期日より早い時期に,支払うべき下請代金の額から当該原材料等の対価の全部若しくは一部を控除し,又は当該原材料等の対価の全部若しくは一部を支払わせること。

●「自己から購入させた」とは
親事業者が下請事業者に原材料等を有償で支給する(販売する)場合が該当します。この規定は,親事業者が原材料等を「自己から購入させた場合」とあることから,下請事業者が納入すべき給付に必要な原材料等を,親事業者以外の者から購入させた場合には本規定は適用されません。

●「下請事業者の責めに帰すべき事由」とは
以下の場合が考えられます。
・下請事業者が支給された原材料等を毀損し,又は損失したため,親事業者に納入すべき物品の製造が不可能となった場合
・支給された原材料等によって不良品や注文外の物品を製造した場合
・支給された原材料等を他に転売した場合

●「控除」とは
「控除」とは,下請代金から原材料等の対価の全部又は一部を差し引く事実上の行為をいい,その結果,支払期日に下請代金を全く支払わないことも含みます。

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