下請法 知っておきたい豆情報 その2
【支払期日を定める義務について】
Q 下請代金の支払期日に関して,下請法のルールはどうなっているの?
A 親事業者は,下請代金を支払う期日を定める必要があります。
詳しくはこちら(クリックで詳細情報へ移動します。)を御覧ください。
◎「下請法上の親事業者・下請事業者の範囲」は下請事業者向けチェックシートを御覧ください。
https://www.jftc.go.jp/regional_office/chubu/checksheet_shitauke.pdf
支払期日を定める義務について
下請取引の公正化及び下請事業者の利益保護のため,親事業者には以下の4つの義務が課せられています。
義務 | 概要 |
1 書面の交付義務 |
発注の際は,直ちに法律で定められた書面を交付すること。 |
2 支払期日を定める義務 |
下請代金の支払期日を給付の受領後60日以内に定めること。 |
3 書類の作成・保存義務 |
下請取引の内容を記載した書類を作成し,2年間保存すること。 |
4 遅延利息の支払義務 |
支払が遅延した場合は遅延利息を支払うこと。 |
今回は,このうち,「支払期日を定める義務」についてご説明します。
この規定は,下請取引の性格から,親事業者が下請代金の支払期日を不当に遅く設定するおそれがあり,下請事業者の利益を保護するために設けられました。
この規定の具体的な内容は,次のとおりです。
親事業者は,親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず,受領日(注1)から起算して60日以内(注2)のできる限り短い期間内で,下請代金の支払期日を定める義務があります。
注1:下請事業者から物品等又は情報成果物を受領した日。役務提供委託の場合は,下請事業者が役務を提供した日を指します。
注2:受領日を算入します。
これをイラストで表すと,次のようになります。
では,この制度を前提として,問題とならない(なる)支払制度について例を挙げて例示します。
(問題とならない例) 毎月末日納品締切,翌月20日支払い
例えば,7月1日に親事業者が下請事業者から受領した場合,この支払制度では8月20日に支払いが行われますので,受領日から支払日までは60日以内(注3)となり,下請法のルールを守っていることになります。
注3:下請法の運用に当たっては,「受領後60日以内」の規定を「受領後2か月以内」として運用しており,大の月(31日)も小の月(30日)も同じく1か月として運用しています。
(問題となる例) 毎月末日納品締切,翌々月10日支払い
例えば,7月1日に親事業者が下請事業者から受領した場合,この支払制度では9月10日に支払いが行われますので,受領日から支払日までが60日を超えることとなり,下請法のルールに違反していることになります。(この場合,受領日が月内のいつであろうとも,受領日から支払日までが60日以内となるよう,支払制度を,例えば,「毎月末日納品締切,翌月末支払い」に変更する必要があります。)
また,次のような場合にも注意が必要です。
【その1】支払期日を定めなかった場合
親事業者が下請事業者から物品等を実際に受領した日が支払期日と定められたものとみなされます。
【その2】支払期日を,物品等を受領してから60日を超えて定めた場合
親事業者が下請事業者から物品等を受領した日から起算して60日を経過した日の前日(60日目)が支払期日と定められたものとみなされます。