ホーム >地方事務所 >中部事務所 >下請法 知っておきたい豆情報 >

下請法 知っておきたい豆情報 その8

下請法 知っておきたい豆情報 その8

下請法 知っておきたい豆情報 その8

【購入・利用強制の禁止について】

 Q 当社はオリジナルのギフト商品の製造を下請事業者に委託しています。年末年始の時期において,販売促進のため,購買担当者からギフト商品のカタログを下請事業者に配布して購入をお願いしようと思っています。下請法の観点から注意すべき点はありますか?

 A 以下のような方法で,親事業者が下請事業者に対し,自己の指定する物の購入・役務(サービス)の利用を要請することは,購入・利用強制に該当し,下請法違反となるおそれがあります。
  (ア)購買・外注担当者等下請取引に影響を及ぼすこととなる者が下請事業者に購入・利用を要請すること。
  (イ)下請事業者ごとに目標額又は目標量を定めて購入・利用を要請すること。
  (ウ)下請事業者に対して,購入又は利用しなければ不利益な取扱いをする旨示唆して購入・利用を要請すること。
  (エ)下請事業者が購入・利用する意思がないと表明したにもかかわらず,又はその表明がなくとも明らかに購入・利用する意思がないと認められるにもかかわらず,重ねて購入・利用を要請すること。
  (オ)下請事業者から購入する旨の申出がないのに,一方的に下請事業者に物を送付すること。
    どっきんの画像
   詳しくはこちら(クリックで詳細情報へ移動します。)を御覧ください。

 

購入・利用強制の禁止について

 第4条第1項 親事業者は,下請事業者に対し製造委託等をした場合は,次の各号(役務提供委託をした場合にあつては,第1号及び第4号を除く。)に掲げる行為をしてはならない。

 (購入・利用強制の禁止)
 六 下請事業者の給付の内容を均質にし又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由がある場合を除き,自己の指定する物を強制して購入させ,又は役務を強制して利用させること。

 この規定が設けられたねらいは,下請事業者に発注する物品の品質を維持するためといった理由がある場合を除き,親事業者が指定した物又は役務を下請事業者に強制して購入・利用させることを禁止し,親事業者が自社商品やサービス等を下請事業者に押し付け販売することを防止するためです。

 親事業者が指定した「物」とは,原材料等だけでなく,親事業者又は関連会社等が販売する物であって,下請事業者の購入の対象として特定した物が全て含まれます。また,「役務」とは,親事業者又は関連会社等が提供するものであって,下請事業者の利用の対象となる役務が全て含まれます。

 つまり,親事業者の指定する「物」に限らず,例えば,保険,リース,インターネット・プロバイダ等のサービスも含まれます。また,自社の製品やサービスだけではなく,自社の取引先である特約店・卸売店又は自社の子会社・関係会社等の製品やサービスも含まれます。

 「強制して」購入させる又は利用させるとは,物の購入又は役務の利用を取引の条件とする場合,購入又は利用しないことに対して不利益を与える場合のほか,下請取引関係を利用して,事実上,購入又は利用を余儀なくさせていると認められる場合も含まれます。つまり,任意に購入等を依頼する場合は購入・利用強制に該当しませんが,下請取引においては,親事業者が任意に購入等を依頼したと思っても,下請事業者にとってはその依頼を拒否できない場合もあり得るので,事実上,下請事業者に購入等を余儀なくさせていると認められる場合には,本法違反となります。

ページトップへ