公正取引委員会は,事業者等の活動に係る事前相談制度に基づくイー・トレード証券株式会社からの相談の申出について,平成13年12月27日,下記のとおり回答を行った。
1 本件相談の概要
イー・トレード証券株式会社は,株式・投資信託の販売に関して,インターネット取引システムを用いた注文受託業務を主要業務としている。
同社は,証券取引所の取引時間終了後の平日夜間に取り扱うインターネット上の株式取引について,一定期間(2か月),顧客から徴収する株式売買委託手数料を無料とすることを検討しているが,景品表示法の規定に抵触することとなるのか。
なお,平日夜間の株式売買は,同社が契約している証券会社が,その保有する株式のうち,インターネット上に約300銘柄の売り気配値及び買い気配値を掲載することにより,それを見る顧客が,同社を通じて行うものであるが,対象となる銘柄が少ないこと等から,その取引高は僅少である。
2 相談に対する考え方
本件の相談は,「景品類等の指定の告示の運用基準について」(昭和52年4月1日公正取引委員会事務局長通達第7号)6(3)アの「取引通念上妥当と認められる基準に従い,取引の相手方に対し,支払うべき対価を減額すること」に該当し,「正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益」と認められ,景品表示法上の景品類には該当しない。
3 結論
貴社が証券取引所の取引時間終了後の平日夜間に取り扱う株式取引について,一定期間顧客から徴収する株式売買委託手数料を無料化することは,株式売買における株式売買委託手数料の値引と考えられ,景品表示法の景品類には該当しないので景品表示法に抵触することはない。