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デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方

令和元年12月17日
公正取引委員会

はじめに

 第四次産業革命下で情報通信技術やデータを活用して第三者に多種多様なサービスの「場」を提供するデジタル・プラットフォーム事業者は,革新的なビジネスや市場を生み出し続けるイノベーションの担い手となっており,その恩恵は,中小企業を含む事業者にとっては市場へのアクセスの可能性を飛躍的に高め,消費者にとっては便益向上につながるなど,我が国の経済や社会にとって,重要な存在となっている。
 複数の利用者層が存在する多面市場を担うデジタル・プラットフォーム事業者の提供するサービスは,ネットワーク効果,低廉な限界費用,規模の経済等の特性を通じて拡大し,独占化・寡占化が進みやすいとされている。また,ネットワーク効果,規模の経済等を通じて,データが集中することにより,利用者の効用が増加していくとともに,デジタル・プラットフォーム事業者にデータが集積・利活用され,データを基本とするビジネスモデルが構築されると,それによってさらにデータの集積・利活用が進展するといった競争優位を維持・強化する循環が生じるともされている。
 こうしたデータの集積方法として,個人情報等の取得又は利用と引換えに財やサービスを無料で提供するというビジネスモデルが採られることがあるところ,デジタル・プラットフォーム事業者が,サービスを提供する際に消費者の個人情報等を取得又は利用することに対して懸念する声もある。
 デジタル・プラットフォーム事業者が,不公正な手段により個人情報等を取得又は利用することにより,消費者に不利益を与えるとともに,公正かつ自由な競争に悪影響を及ぼす場合には,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)上の問題が生じることになる。
 このため,独占禁止法の運用における透明性,デジタル・プラットフォーム事業者の予見可能性を向上させる観点から,デジタル・プラットフォーム事業者が提供するデジタル・プラットフォームにおける個人情報等の取得又は当該取得した個人情報等の利用においてどのような行為が,優越的地位の濫用として問題となるかについて整理した(注1)。
 なお,後記5に記載の行為が他の法令に照らして違反となる場合,当該他の法令に基づく規制が妨げられることはない。

(注1)平成30年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」において,プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備のために,本年中に基本原則を定め,これに沿った具体的措置を早急に進めるべきものと定められたことを踏まえ,経済産業省,公正取引委員会及び総務省は,競争政策,情報政策,消費者政策等,多様な知見を有する学識経験者等からなる「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」を設置し,調査・検討を進め,同年12月に「プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備の基本原則」を策定した。
 同基本原則において,「(4)デジタル・プラットフォーマーに関する公正かつ自由な競争の実現」として,「デジタル・プラットフォーマーが拡大し、独占化・寡占化を果たす傾向にあることに鑑みると、事後規制としての競争法の執行は重要性を持つため、デジタル市場の特性を踏まえた取組を進める必要がある」とされ,また,「サービスの対価として自らに関連するデータを提供する消費者との関係での優越的地位の濫用規制の適用等、デジタル市場における公正かつ自由な競争を確保するための独占禁止法の運用や関連する制度の在り方を検討する」こととされた。
 これを踏まえ,「デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方」を策定することとしたものである。  

※1 本考え方において「デジタル・プラットフォーム」とは,情報通信技術やデータを活用して第三者にオンラインのサービスの「場」を提供し,そこに異なる複数の利用者層が存在する多面市場を形成し,いわゆる間接ネットワーク効果が働くという特徴を有するものをいう(注2)。また,「デジタル・プラットフォーム事業者」とは,オンライン・ショッピング・モール,インターネット・オークション,オンライン・フリーマーケット,アプリケーション・マーケット,検索サービス,コンテンツ(映像,動画,音楽,電子書籍等)配信サービス,予約サービス,シェアリングエコノミー・プラットフォーム,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS),動画共有サービス,電子決済サービス等であって,上記の特徴を有するデジタル・プラットフォームを提供する事業者をいう。

(注2)本考え方において「間接ネットワーク効果」とは,多面市場において,一方の市場におけるサービスにおいて利用者が増えれば増えるほど,他方の市場におけるサービスの効用が高まる効果をいう。

※2 本考え方において「個人情報」とは,個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)第2条第1項に規定する「個人情報」をいう。また,「個人情報等」とは,「個人情報」及び「個人情報以外の個人に関する情報」をいう(注3)。

(注3)例えば,ウェブサイトの閲覧情報,携帯端末の位置情報等は,一般には,それ単体では個人識別性を有しないため,個人情報保護法上の個人情報とは解されないとされている。ただし,このような情報であっても,他の情報と容易に照合することができ,それにより特定の個人を識別することができる場合は,個人情報となるとされている。

※3 本考え方において「個人データ」とは,個人情報保護法第2条第6項に規定する「個人データ」をいう。

※4 本考え方において「消費者」とは,個人をいい,事業として又は事業のためにデジタル・プラットフォーム事業者が提供するサービスを利用する個人を含まない。

1 優越的地位の濫用規制についての基本的考え方

 事業者がどのような取引条件で取引するかについては,基本的に,取引当事者間の自主的な判断に委ねられるものであるが,事業者と消費者との取引においては,「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差」(消費者契約法〔平成12年法律第61号〕第1条)が存在しており,消費者は事業者との取引において取引条件が一方的に不利になりやすい。
 自己の取引上の地位が取引の相手方である消費者に優越しているデジタル・プラットフォーム事業者が,取引の相手方である消費者に対し,その地位を利用して,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは,当該取引の相手方である消費者の自由かつ自主的な判断による取引を阻害する一方で,デジタル・プラットフォーム事業者はその競争者との関係において競争上有利となるおそれがあるものである(注4)。このような行為は,公正な競争を阻害するおそれがあることから,不公正な取引方法の一つである優越的地位の濫用として,独占禁止法により規制される。
 どのような場合に公正な競争を阻害するおそれがあると認められるのかについては,問題となる不利益の程度,行為の広がり等を考慮して個別の事案ごとに判断することになる。
 なお,公正取引委員会は,デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の濫用として問題となり得るもののうち,後記3(2)①,②又は③の場合であって,国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる事案について,優先的に審査を行う。

(注4)消費者に対して,自己の取引上の地位が優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることにより削減した費用又は得た利益を,当該取引に係る事業又は他の事業に投入することにより,競争者との関係において,競争上有利になるおそれがある。

2 「取引の相手方(取引する相手方)」の考え方

 独占禁止法第2条第9項第5号は,「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して,正常な商慣習に照らして不当に」,「継続して取引する相手方」(同号イ及びロ)や「取引の相手方」(同号ハ)に対して,不利益を与える行為を優越的地位の濫用としており,「取引の相手方(取引する相手方)」には消費者も含まれる。
 また,個人情報等は,消費者の属性,行動等,当該消費者個人と関係する全ての情報を含み,デジタル・プラットフォーム事業者の事業活動に利用されており,経済的価値を有する。
 消費者が,デジタル・プラットフォーム事業者が提供するサービスを利用する際に,その対価として自己の個人情報等を提供していると認められる場合は当然,消費者はデジタル・プラットフォーム事業者の「取引の相手方(取引する相手方)」に該当する。

3 「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して」の考え方

(1) デジタル・プラットフォーム事業者が個人情報等を提供する消費者に対して優越した地位にあるとは,消費者がデジタル・プラットフォーム事業者から不利益な取扱いを受けても,消費者が当該デジタル・プラットフォーム事業者の提供するサービスを利用するためにはこれを受け入れざるを得ないような場合である。

(2) 消費者がデジタル・プラットフォーム事業者から不利益な取扱いを受けても,消費者が当該デジタル・プラットフォーム事業者の提供するサービス(以下(2)において「当該サービス」という。)を利用するためにはこれを受け入れざるを得ないような場合であるかの判断に当たっては,消費者にとっての当該デジタル・プラットフォーム事業者と「取引することの必要性」を考慮することとする。
 消費者にとって,①当該サービスと代替可能なサービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者が存在しない場合(注5),②代替可能なサービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者が存在していたとしても当該サービスの利用をやめることが事実上困難な場合(注6),又は③当該サービスにおいて,当該サービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者が,その意思で,ある程度自由に,価格,品質,数量,その他各般の取引条件を左右することができる地位にある場合には,通常,当該サービスを提供するデジタル・プラットフォーム事業者は,消費者に対して取引上の地位が優越していると認められる。

(注5)当該サービスと代替可能であるかどうかについては,サービスの機能・内容,品質等を考慮して判断する。その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって代替可能であるかどうかで判断する。

(注6)当該サービスの利用をやめることが事実上困難かどうかについては,サービスの機能・内容,当該サービスを利用する他の消費者と形成したネットワークや,当該サービスを利用することにより蓄積したデータを,他の同種のサービスで利用することが可能かどうかなどの特徴等を考慮して判断する。その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって利用をやめることが事実上困難かどうかで判断する。

(3) また,優越的地位にあるデジタル・プラットフォーム事業者が,消費者に対して不当に不利益を課して取引を行えば,通常,「利用して」行われた行為であると認められる。

(4) これらの判断に当たっては,デジタル・プラットフォーム事業者と消費者との間に,情報の質及び量並びに交渉力の格差が存在することを考慮する必要がある。

4 「正常な商慣習に照らして不当に」の考え方

 「正常な商慣習に照らして不当に」という要件は,優越的地位の濫用の有無が,公正な競争秩序の維持・促進の観点から個別の事案ごとに判断されることを示すものである。
 ここで,「正常な商慣習」とは,公正な競争秩序の維持・促進の立場から是認されるものをいう。したがって,現に存在する商慣習に合致しているからといって,直ちにその行為が正当化されることにはならない。

5 優越的地位の濫用となる行為類型

 ここでは,デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引において,デジタル・プラットフォーム事業者による個人情報等の取得又は利用におけるどのような行為が,独占禁止法第2条第9項第5号の規定に照らして,優越的地位の濫用につながり得る行為であるかについて,考え方を明らかにする。
 なお,優越的地位の濫用として問題となるのは,以下に記載する行為に限られるものではなく,また,他の法令に違反しない場合であっても優越的地位の濫用として問題となり得る。

(1) 個人情報等の不当な取得
 デジタル・プラットフォーム事業者が,提供するサービスを利用する消費者に対して,次のような行為を行うことは,対価に対し相応でない品質のサービスを提供すること等により,消費者に対して,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなる(注7)。したがって,サービスを利用する消費者に対して優越した地位にあるデジタル・プラットフォーム事業者が,次のような行為を行うことは,優越的地位の濫用として問題となる。
 なお,サービスを利用する消費者に対して優越した地位にあるデジタル・プラットフォーム事業者による消費者が提供する個人情報等の取得に関する行為が,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなる場合には,次のような行為に限らず,優越的地位の濫用として問題となる(注8)。

(注7)(1)ア,イ及びウのような行為を伴う場合,当該サービスは,個人情報の取得に関して有すべき必要最低限の品質を備えていないものと認められるので,対価を得てそのようなサービスを提供することは,消費者に対して,不利益を与えるものと認められる。

(注8)例えば,デジタル・プラットフォーム事業者が第三者をして,消費者から取得する「個人情報以外の個人に関する情報」と他の情報を照合して個人情報とさせ,消費者に不利益を与えることを目的に当該個人情報を利用させるために,消費者から「個人情報以外の個人に関する情報」を取得する場合等は,優越的地位の濫用として問題となる。

ア 利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得すること。

【想定例①】 デジタル・プラットフォーム事業者A社が,個人情報を取得するに当たり,その利用目的を自社のウェブサイト等で知らせることなく,消費者の個人情報を取得した(注9)(注10)(注11)。

(注9)自社のウェブサイトの分かりやすい場所に利用目的を掲載した場合や,消費者に対して,電子メール等により利用目的を通知した場合は,通常,問題とならない。

(注10)利用目的の説明が曖昧である,難解な専門用語によるものである,利用目的の説明文の掲載場所が容易に認識できない,分散している,他のサービスの利用に関する説明と明確に区別されていないこと等により,一般的な消費者が利用目的を理解することが困難な状況において,消費者の個人情報を取得する場合には,利用目的を消費者に知らせずに個人情報を取得したと判断される場合がある。
 一般的な消費者が容易にアクセスできる場所に分かりやすい方式で,明確かつ平易な言葉を用いて,簡潔に,一般的な消費者が容易に理解できるように利用目的に関する説明を行っている場合は,通常,問題とならない。

(注11)ウェブサイトの閲覧情報,携帯端末の位置情報等,一般には,それ単体では個人識別性を有しない情報であっても,当該情報を,個人を識別して利用する場合は,そのことを消費者に知らせずに取得すると問題となる。

イ 利用目的の達成に必要な範囲を超えて,消費者の意に反して個人情報を取得すること。

【想定例②】 デジタル・プラットフォーム事業者B社が,個人情報を取得するに当たり,その利用目的を「商品の販売」と特定して消費者に示していたところ,商品の販売に必要な範囲を超えて,消費者の性別・職業に関する情報を,消費者の同意を得ることなく取得した(注12)(注13)。

(注12)「商品の販売」を利用目的とする場合に,消費者の氏名や,氏名と紐付いて取得されるメールアドレス,決済情報等といった利用目的の達成に必要な個人情報を取得することは,通常,問題とならない。また,氏名と紐付いて取得される消費者の性別や職業等といった利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報であっても,消費者本人の明示的な同意を得て取得する場合は,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報の取得にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。やむを得ず同意したものであるかどうかの判断においては,同意したことにより消費者が受ける不利益の程度等を勘案することとし,その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって不利益を与えることとなるかどうかで判断する。

(注13)「商品の販売」に加えて追加的なサービスを提供しているときに,当該追加的なサービスの提供を受ける消費者本人の明示的な同意を得て,当該追加的なサービスの提供に必要な個人情報を取得する場合は,通常,問題とならない。

ウ 個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,個人情報を取得すること。

【想定例③】 デジタル・プラットフォーム事業者C社が,個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,サービスを利用させ,消費者の個人情報を取得した。

エ 自己の提供するサービスを継続して利用する消費者に対して,消費者がサービスを利用するための対価として提供している個人情報等とは別に,個人情報等その他の経済上の利益を提供させること。

【想定例④】 デジタル・プラットフォーム事業者D社が,提供するサービスを継続して利用する消費者から対価として取得する個人情報等とは別に,追加的に個人情報等を提供させた(注14)(注15)。

(注14)当該追加的な個人情報等の取得が,上記ア,イ及びウにおいて問題とされているような行為を伴わずに行われた場合であっても,問題となる。

(注15)任意のアンケート調査による場合等,消費者が対価として提供している個人情報等とは別に個人情報等を任意に提供する場合は,通常,問題とならない。
 また,従来提供していたサービスとは別に,追加的なサービスを提供する場合であって,消費者が当該追加的なサービスの提供を受けるに当たり,その対価として追加的な個人情報等を提供させる場合は,通常,問題とならない。
 さらに,サービスの品質の向上等,消費者が対価として提供している個人情報等とは別に個人情報等を提供することで消費者に生じる利益を勘案して,当該個人情報等を提供させることが合理的であると認められる範囲のものである場合は,通常,問題とならない。

(2) 個人情報等の不当な利用
 デジタル・プラットフォーム事業者が,提供するサービスを利用する消費者から取得した個人情報について,次のような行為を行うことは,対価に対し相応でない品質のサービスを提供すること等により,消費者に対して,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなる(注16)。したがって,サービスを利用する消費者に対して優越した地位にあるデジタル・プラットフォーム事業者が,次のような行為を行うことは,優越的地位の濫用として問題となる。
 なお,サービスを利用する消費者に対して優越した地位にあるデジタル・プラットフォーム事業者が消費者から取得する個人情報等の利用に関する行為が,正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなる場合には,次のような行為に限らず,優越的地位の濫用として問題となる(注17)。

(注16)(2)ア及びイのような行為を伴う場合,当該サービスは,個人情報の利用に関して有すべき必要最低限の品質を備えていないものと認められるので,対価を得てそのようなサービスを提供することは,消費者に対して,不利益を与えるものと認められる。

(注17)例えば,デジタル・プラットフォーム事業者が第三者をして,消費者から取得した「個人情報以外の個人に関する情報」と他の情報を照合して個人情報とさせ,消費者に不利益を与えることを目的に当該個人情報を利用させるために,「個人情報以外の個人に関する情報」を当該第三者に提供した場合等は,優越的地位の濫用として問題となる。

ア 利用目的の達成に必要な範囲を超えて,消費者の意に反して個人情報を利用すること。

【想定例⑤】 デジタル・プラットフォーム事業者E社が,利用目的を「商品の販売」と特定し,当該利用目的を消費者に示して取得した個人情報を,消費者の同意を得ることなく「ターゲティング広告」に利用した(注18)。

(注18)利用目的が「商品の販売」であるところ,新たに,ターゲティング広告に個人情報を利用することについて,例えば,電子メールによって個々の消費者に連絡し,自社のウェブサイトにおいて,消費者から取得した個人情報を当該目的に利用することに同意する旨の確認欄へのチェックを得た上で利用する場合には,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,利用目的の達成に必要な範囲を超える個人情報の利用にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。やむを得ず同意したものであるかどうかの判断においては,同意したことにより消費者が受ける不利益の程度等を勘案することとし,その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって不利益を与えることとなるかどうかで判断する。

【想定例⑥】 デジタル・プラットフォーム事業者F社が,サービスを利用する消費者から取得した個人情報を,消費者の同意を得ることなく第三者に提供した(注19)。

(注19)個人情報を第三者に提供することについて,例えば,電子メールによって個々の消費者に連絡し,自社のウェブサイトにおいて,消費者から取得した個人情報を第三者に提供することに同意する旨の確認欄へのチェックを得た上で提供する場合には,通常,問題とならない。ただし,消費者が,サービスを利用せざるを得ないことから,個人情報の第三者への提供にやむを得ず同意した場合には,当該同意は消費者の意に反するものと判断される場合がある。やむを得ず同意したものであるかどうかの判断においては,同意したことにより消費者が受ける不利益の程度等を勘案することとし,その判断に当たっては,個々の消費者ごとに判断するのではなく,一般的な消費者にとって不利益を与えることとなるかどうかで判断する。
 なお,同一社内であれば,提供された個人情報を,消費者の同意なく,ある部門から別の部門に提供しても,問題とならない。

イ 個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,個人情報を利用すること。

【想定例⑦】 デジタル・プラットフォーム事業者G社が,個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じずに,サービスを利用させ,個人情報を利用した。

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