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確約手続に関する対応方針

平成30年9月26日
公正取引委員会

 1 趣旨

 環太平洋パートナーシップ協定の締結及び環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律(平成28年法律第108号)により,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)違反の疑いについて,公正取引委員会と事業者(事業者団体等及び事業者,事業者団体等の代理人を含む。以下同じ。)との間の合意により自主的に解決するための独占禁止法第48条の2から第48条の9までに規定する手続(以下「確約手続」という。)が導入された。また,公正取引委員会は,確約手続に必要な規則を整備するため,公正取引委員会の確約手続に関する規則(平成29年公正取引委員会規則第1号。以下「確約手続規則」という。)を制定した。
 確約手続は,排除措置命令又は課徴金納付命令(以下「法的措置」と総称する。)と比べ,競争上の問題をより早期に是正し,公正取引委員会と事業者が協調的に問題解決を行う領域を拡大し,独占禁止法の効率的かつ効果的な執行に資するものである。他方,確約手続は,独占禁止法に新たに導入された手続であるため,確約手続の対象や確約手続移行前の手続との関係など,確約手続に関する考え方を可能な限り明確にする必要がある。
 そこで,確約手続に係る法運用の透明性及び事業者の予見可能性を確保する観点から,公正取引委員会は,「確約手続に関する対応方針」を策定する。

 2 確約手続の開始

 確約手続は,公正取引委員会が独占禁止法の規定に違反する事実があると思料する場合において,その疑いの理由となった行為(以下「違反被疑行為」という。)について,確約手続に付すことが適当であると判断するとき,すなわち,公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要がある(違反被疑行為が既になくなっている場合において公正かつ自由な競争の促進を図る上で特に必要があるときを含む。以下同じ。)と認めるときに,違反被疑行為を行っている又は行っていた事業者(以下「違反被疑行為者」と総称する。)に対し,独占禁止法第48条の2又は第48条の6の規定により,[1]違反被疑行為の概要,[2]違反する疑いのある又はあった法令の条項及び[3]違反被疑行為を排除するために必要な措置の実施に関する排除措置計画又は違反被疑行為が排除されたことを確保するために必要な措置の実施に関する排除確保措置計画(以下「確約計画」と総称する。)の認定の申請(以下「確約認定申請」という。)をすることができる旨を記載した書面による通知(以下「確約手続通知」という。)を行うことにより開始する。

3 確約手続に関する相談

 確約手続は,違反被疑行為について,公正取引委員会と事業者との間の合意により自主的に解決するものであり,公正取引委員会と事業者との間の意思疎通を密にすることは,迅速な確約手続に係る法運用を可能とし,公正取引委員会と事業者の双方にとって有益であると考えられる。
 このため,確約手続をより迅速に進める観点から,公正取引委員会が確約手続通知を行う前であっても,独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会から独占禁止法に基づく調査を受けている事業者は,いつでも,調査を受けている行為について,確約手続の対象となるかどうかを確認したり,確約手続に付すことを希望する旨を申し出たりするなど,確約手続に関して公正取引委員会に相談することができる。

4 確約手続の流れ

 調査の開始から意見聴取の通知(独占禁止法第50条第1項〔独占禁止法第62条第4項において読み替えて準用する場合を含む。〕の規定による通知をいう。以下同じ。)を行うまでの間に,公正取引委員会は,違反被疑行為について確約手続に付すことが適当であると判断するとき,違反被疑行為者に対して確約手続通知を行う。
 確約手続通知を受けた者(以下「被通知事業者」という。)が違反被疑行為をどのように排除すればよいのか又は違反被疑行為が排除されたことをどのように確保すればよいのか,すなわち,どのような確約計画を作成すればよいのかを示すため,公正取引委員会は,確約手続通知を行う時点で把握している事実に基づき,違反被疑行為の概要を確約手続通知の書面に記載する。
 なお,確約手続通知は,被通知事業者の行為が独占禁止法の規定に違反することを認定するものではないため,排除措置命令書と同程度に詳細な事実の認定や法令の適用の記載がなされるものではない。
 被通知事業者は,確約認定申請をする場合,独占禁止法第48条の3第1項又は第48条の7第1項の規定により,確約手続通知を受けた日から60日以内に確約認定申請をする必要がある。
 被通知事業者が確約認定申請をした場合において,公正取引委員会は,当該確約計画が独占禁止法第48条の3第3項各号又は第48条の7第3項各号の認定要件(以下「認定要件」と総称する。)に適合するか否かの判断を行い,当該確約計画が認定要件に適合すると認めるときには,当該確約計画の認定をする。

5 確約手続の対象

 確約手続は,独占禁止法第48条の2の規定により,私的独占(独占禁止法第3条),不当な取引制限(独占禁止法第3条又は第6条),事業者団体の禁止行為(独占禁止法第8条),不公正な取引方法(独占禁止法第6条又は第19条),禁止される一般集中(独占禁止法第9条第1項,第9条第2項,第11条第1項又は第17条のうち第9条若しくは第11条に係るもの)又は禁止される企業結合(独占禁止法第10条第1項,第13条,第14条,第15条第1項,第15条の2第1項,第15条の3第1項,第16条第1項又は第17条のうち第10条,第13条,第14条,第15条若しくは第16条に係るもの)に関する違反被疑行為が対象となり得るとともに,違反被疑行為が既になくなっている場合においても,独占禁止法第48条の6の規定により,私的独占,不当な取引制限,事業者団体の禁止行為又は不公正な取引方法に関する違反被疑行為が対象となり得る。
 他方,[1]入札談合,受注調整,価格カルテル,数量カルテル等のように,独占禁止法第3条,第6条又は第8条第1号若しくは第2号に関する違反被疑行為であって,かつ,独占禁止法第7条の2第1項各号(独占禁止法第8条の3において準用する場合を含む。)に掲げるものに関する違反被疑行為である場合,[2]事業者が違反被疑行為に係る事件について独占禁止法第47条第1項各号に掲げる処分を初めて受けた日から遡り10年以内に,違反被疑行為に係る条項の規定と同一の条項の規定に違反する行為について法的措置を受けたことがある場合(法的措置が確定している場合に限る。)及び[3]「独占禁止法違反に対する刑事告発及び犯則事件の調査に関する公正取引委員会の方針」(平成17年10月7日公正取引委員会)に記載のとおり,一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な違反被疑行為である場合には,違反行為を認定して法的措置を採ることにより厳正に対処する必要があり,公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があると認めることができないため,確約手続の対象としない。
 その他の場合については,公正取引委員会は,個別具体的な事案ごとに,確約手続により競争上の問題を解決することが公正かつ自由な競争の促進を図る上で必要があるか否かを判断する。

6 確約計画

(1) 確約認定申請をするか否かの判断

 公正取引委員会から確約手続通知が行われた場合であっても,確約認定申請をするか否かは,被通知事業者が自主的に判断するものである。
 被通知事業者が確約認定申請をしなかった場合には,確約手続通知を行う前の調査を再開することとなる(注1)。被通知事業者が確約認定申請をしなかったとしても,その後の調査において,確約認定申請をしなかったことを理由として被通知事業者が不利益に取り扱われることはない。

(注1)独占禁止法第10条第2項(同条第5項の規定によりみなして適用する場合を含む。),第15条第2項,第15条の2第2項若しくは第3項,第15条の3第2項又は第16条第2項の規定に基づく公正取引委員会に対する届出(以下「届出」という。)が行われた企業結合について,被通知事業者が確約認定申請をしなかった場合,独占禁止法第10条第11項又は同項を準用する各規定に基づき,意見聴取の通知をすることができる期間は,独占禁止法第10条第9項本文に規定する通知期間(以下「通知期間」という。)に60日を加算した期間に延長される。

(2) 確約認定申請

 確約手続規則第8条第1項又は第22条第1項の規定により,確約認定申請をしようとする事業者は,確約手続規則様式第1号又は第3号による申請書(以下「認定申請書」と総称する。)を用いて確約認定申請をする必要がある。認定申請書には,確約手続規則第8条第2項各号又は第22条第2項各号に掲げる書類(以下「認定申請添付書類」と総称する。)を添付する必要がある。
 確約手続規則第9条又は第23条の規定により,確約認定申請をした事業者(以下「申請者」という。)は,確約手続通知の日から60日以内であり,かつ,確約認定申請に係る処分がされるまでの間であれば,確約認定申請をした後においても,認定申請書及び認定申請添付書類(以下「認定申請書類」と総称する。)の記載事項の変更(認定申請添付書類を追加提出する場合を含む。)をするために,変更内容を記載した報告書を公正取引委員会に提出することができる。
 また,確約手続規則第11条又は第25条の規定により,申請者は,確約認定申請をした日から確約認定申請に係る処分がされるまでの間,いつでも,認定申請添付書類のうち,公正取引委員会が確約計画の認定をするため参考となるべき事項を記載した書類を追加提出することができる。
 なお,確約手続規則第10条又は第24条の規定により,認定申請書類は,直接持参又は書留郵便等の方法により提出する必要がある。
 さらに,確約手続規則第36条第1項の規定により,申請者は,確約認定申請をした日から確約認定申請に係る処分がされるまでの間,いつでも,確約認定申請を取り下げることができる。
 なお,確約手続規則第36条第2項の規定により,確約認定申請の取下げは,書面でする必要がある。
 確約認定申請を取り下げた場合には,確約手続通知を行う前の調査を再開することとなる(注2)。被通知事業者が確約認定申請を取り下げたとしても,その後の調査において,確約認定申請を取り下げたことを理由として被通知事業者が不利益に取り扱われることはない。

(注2)届出が行われた企業結合について,被通知事業者が確約認定申請を取り下げた場合,意見聴取の通知をすることができる期間は,独占禁止法第10条第12項及び同項を準用する各規定に基づき,通知期間に確約手続通知の日から取下げがあった日までの期間に相当する期間を加算した期間に延長される。

(3) 確約措置

ア 基本的な考え方

 確約計画に記載する排除措置又は排除確保措置(以下「確約措置」と総称する。)の内容は,被通知事業者が個々の事案に応じて個別具体的に検討することとなる。
 被通知事業者は,一定の行動に関する措置や事業譲渡等の構造的な措置の申請をすることができるところ,確約計画の認定に当たっては,競争秩序の回復の確保又は将来の不作為の確保の観点から,当該確約計画における確約措置が[1]違反被疑行為を排除する又は違反被疑行為が排除されたことを確保するために十分なものであること(以下「措置内容の十分性」という。)及び[2]確実に実施されると見込まれるものであること(以下「措置実施の確実性」という。)を満たす必要がある。

(ア) 措置内容の十分性

 公正取引委員会は,確約措置が措置内容の十分性を満たしているか否かについて,個別具体的な事案ごとに判断するが,この判断に当たっては,過去に排除措置命令等で違反行為が認定された事案等のうち,行為の概要,適用条項等について,確約手続通知の書面に記載した内容と一定程度合致すると考えられる事案の措置の内容を参考にする。

(イ) 措置実施の確実性

 措置内容の十分性を満たしても,確約措置が実施されないのであれば,違反被疑行為を排除すること又は違反被疑行為が排除されたことを確保することはできない。よって,公正取引委員会は,確約措置が実施期限内に確実に実施されると判断できなければ,確約計画の認定をすることはない。
 例えば,確約措置の内容が契約変更を伴うなど第三者との合意が必要な場合には,当該第三者との合意を確約認定申請時までに成立させなければ,原則として,措置実施の確実性を満たすと認めることはできない。

イ 確約措置の典型例

 典型的な確約措置としては,後記(ア)から(キ)までに掲げるものが考えられるが,確約措置がこれらに限られるものではない(注3)。また,事件によっては,単独の確約措置で認定要件に適合する場合もあるが,複数の確約措置を組み合わせなければ認定要件に適合しない場合もある。
 なお,独占禁止法第48条の3第2項第2号又は第48条の7第2項第2号の規定により,措置実施の確実性を満たすために,確約措置の内容ごとに実施期限を設定する必要がある。

(ア) 違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認等

 被通知事業者が[1]違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認を行うこと及び[2]違反被疑行為を行わないことの2点を取締役会等の被通知事業者の意思決定機関において決議することは,措置内容の十分性を満たすために必要な措置の一つである。

(イ) 取引先等への通知又は利用者等への周知

 例えば,被通知事業者が取引先等に対して自己の競争事業者との取引を禁止していたことが違反被疑行為に該当する場合などにおいて,競争秩序の回復を確保するためには,前記(ア)について取引先等に通知又は利用者等に周知を行う必要があると考えられる。
 このため,前記(ア)について取引先等への通知又は利用者等への周知を行うことが措置内容の十分性を満たすために必要となる場合がある。

(ウ) コンプライアンス体制の整備

 違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認等を確実にするためには,被通知事業者のコンプライアンス体制の整備(定期的な監査及び従業員に対する社内研修の実施を含む。)を行う必要があると考えられる。
 このため,違反被疑行為を取りやめること又は取りやめていることの確認等を行う場合は,併せて,コンプライアンス体制の整備を行うことが措置実施の確実性を満たすために必要となる場合がある。

(エ) 契約変更

 例えば,被通知事業者が取引先に対して自己の商品をどの程度取り扱っているか等を条件とすることにより,競争品の取扱いを制限する効果を有するリベート(一般的には,仕切価格とは区別されて取引先に制度的に又は個別の取引ごとに支払われる金銭をいう。)を供給していることが違反被疑行為に該当する場合など,違反被疑行為が既存の契約を背景に行われており,当該契約内容を変更しなければ競争秩序の回復が確保できない場合もあると考えられる。
 このため,被通知事業者が当事者となっている契約内容を変更することが措置内容の十分性を満たすために必要となる場合がある。

(オ) 事業譲渡等

 例えば,被通知事業者が自己の競争事業者の株式の保有等をすることが違反被疑行為に該当する場合など,保有する株式の売却等の措置を行わなければ競争秩序の回復が確保できない場合もあると考えられる。
 このため,被通知事業者の事業譲渡,保有する株式の売却等を行うことが措置内容の十分性を満たすために必要となる場合がある。

(カ) 取引先等に提供させた金銭的価値の回復

 例えば,被通知事業者が取引先に対して,商品又は役務を購入した後に契約で定めた対価を減額することや,当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させることが違反被疑行為に該当する場合には,被通知事業者が収受した利得額や当該取引先の実費損害額を当該取引先に返金することが措置内容の十分性を満たすために有益である。

(キ) 履行状況の報告

 確約措置が措置内容の十分性を満たす場合であっても,実際に確約措置が履行されないのであれば,競争秩序の回復が確保できない。
 このため,確約措置の履行状況について,被通知事業者又は被通知事業者が履行状況の監視等を委託した独立した第三者(公正取引委員会が認める者に限る。)が公正取引委員会に対して報告することは,措置実施の確実性を満たすために必要な措置の一つである。
 なお,報告の回数は,確約措置の内容に応じて設定する必要がある。

(注3)企業結合に係る確約措置としては,「企業結合審査に関する独占禁止法の運用指針」(平成16年5月31日公正取引委員会)の「第6 競争の実質的制限を解消する措置」が参考となる。

 7 意見募集

 公正取引委員会は,申請を受けた確約計画が認定要件に適合するか否かの判断に当たり,広く第三者の意見を参考にする必要があると認める場合には,原則として30日以内の意見提出期間を定め,ウェブサイト等を通じて,申請を受けた確約計画の概要について第三者からの意見を募集する。
 公正取引委員会が意見募集を開始した場合において,確約計画の概要について意見がある者は,何人も,意見提出期間内において,当委員会に対して意見書を提出することができる。
 なお,寄せられた意見に対して公正取引委員会が回答するものではない。
 また,第三者からの意見を募集しない場合であっても,公正取引委員会は,申請者の競争事業者,取引先等に対し,個別に確約計画に関する事実関係の確認等を行うことがある。

 8 認定又は却下

(1) 確約計画の認定又は却下に当たっての考え方

 公正取引委員会は,被通知事業者から確約認定申請を受けた後,認定申請書類に基づき,認定要件に適合するか否かの判断を行う。前記3記載のとおり,確約手続は,違反被疑行為について,公正取引委員会と事業者との間の合意により自主的に解決するものであり,公正取引委員会と事業者との間の意思疎通を密にすることは,迅速な確約手続に係る法運用を可能とし,公正取引委員会と事業者の双方にとって有益であると考えられる。このため,確約手続通知が行われた後において,公正取引委員会は,必要と認める場合又は申請者から認定における論点等について説明を求められた場合には,その時点における論点等について説明する。また,公正取引委員会が申請者に対して申請内容の説明を求めることもある。
 確約措置が認定要件に適合すると判断するとき,すなわち,措置内容の十分性及び措置実施の確実性をいずれも満たすときには,公正取引委員会は,独占禁止法第48条の3第3項又は第48条の7第3項の規定により,当該確約措置の記載された確約計画の認定をする。
 他方,確約措置の内容が違反被疑行為の一部にしか対応していないなど,確約措置が認定要件に適合しないと判断するときには,公正取引委員会は,独占禁止法第48条の3第6項又は第48条の7第5項の規定により,決定で確約認定申請を却下する。この場合,確約手続通知を行う前の調査を再開することとなる(注4)。

(注4)届出が行われた企業結合について,公正取引委員会が決定で確約認定申請を却下した場合,意見聴取の通知をすることができる期間は,独占禁止法第10条第13項又は同項を準用する各規定に基づき,通知期間に90日を加算した期間に延長される。

(2) 認定の効果

 公正取引委員会は,独占禁止法第48条の4又は第48条の8の規定により,確約計画の認定をした場合(認定を受けた確約計画の変更の認定をした場合を含む。)において,違反被疑行為及び確約措置に係る行為については,法的措置に係る規定を適用しない。
 なお,公正取引委員会が,確約計画の認定をすることは,申請者の違反被疑行為について独占禁止法の規定に違反すると判断するものではない。

9 認定を受けた確約計画の変更

 確約計画の認定を受けた申請者(以下「被認定事業者」という。)は,認定を受けた確約計画(以下「認定確約計画」という。)に記載した排除措置又は排除確保措置(以下「認定確約措置」と総称する。)を実施することとなる。
 確約計画の認定を受けた後に生じた事情により被認定事業者が認定確約措置を実施期限までに実施することが困難となった場合又は経済事情の変化等により認定確約措置を実施する必要がなくなった場合,被認定事業者は,当該認定確約計画の変更の認定の申請(以下「変更認定申請」という。)をすることができる。
 確約手続規則第14条第1項又は第28条第1項の規定により,認定確約計画を変更しようとする被認定事業者は,確約手続規則様式第2号又は第4号による申請書(以下「変更認定申請書」と総称する。)を用いて変更認定申請をする必要がある。変更認定申請書には,確約手続規則第14条第2項各号又は第28条第2項各号に掲げる書類(以下「変更認定申請添付書類」と総称する。)を添付する必要がある。
 なお,確約手続規則第16条又は第30条の規定により,変更認定申請書及び変更認定申請添付書類は,直接持参又は書留郵便等の方法により提出する必要がある。
 前記8(1)記載の確約計画の認定の場合と同様に,認定確約計画の変更の認定に当たっては,変更後の確約措置の内容が認定要件に適合すると判断するとき,公正取引委員会は,独占禁止法第48条の3第9項において準用する同条第3項又は第48条の7第8項において準用する同条第3項の規定により,当該認定確約計画の変更の認定をする。
 独占禁止法又は確約手続規則上,変更認定申請の期限は設けられていないものの,例えば,確約措置の実施期限の直前に変更認定申請が行われた場合には,公正取引委員会は,そのような時期に被認定事業者が変更認定申請をすることとなった事情を考慮した上で,措置内容の十分性及び措置実施の確実性を判断する。
 なお,変更認定申請をするか否かは,被認定事業者が自主的に判断するものである。

10 認定確約計画の認定の取消し

(1) 認定の取消し

 公正取引委員会は,独占禁止法第48条の5第1項又は第48条の9第1項の規定により,認定確約措置が実施されていないと認めるとき又は被認定事業者が虚偽若しくは不正の事実に基づいて確約計画の認定を受けたことが判明したときは,決定で認定確約計画の認定を取り消さなければならない。
 また,公正取引委員会は,特に必要があるときは,独占禁止法第68条第1項又は第2項の規定により,独占禁止法第48条の5第1項各号又は第48条の9第1項各号に規定する取消事由の存否を明らかにするため,独占禁止法第47条の規定に基づく調査権限を行使する場合がある。

(2) 認定の取消しの効果

 認定確約計画の認定が取り消された場合,独占禁止法第48条の4又は第48条の8の規定による認定の効果は失われ,確約手続通知を行う前の調査を再開することとなる(注5)。
 この場合において,法的措置(一般集中及び企業結合に係るものを除く。)の除斥期間(違反行為が終了してから法的措置を採ることができるまでの期間をいう。以下同じ。)は,違反行為が終了した日から5年とされているが,公正取引委員会は,独占禁止法第48条の5第3項若しくは第4項又は第48条の9第3項若しくは第4項の規定により,認定確約計画の認定を取り消した場合には,除斥期間にかかわらず,取消しの決定の日から2年間は,法的措置を採ることができる。

(注5)届出が行われた企業結合について,公正取引委員会が認定確約計画の認定を取り消した場合(独占禁止法第48条の5第1項第1号に該当することによる取消しに限る。),意見聴取の通知は,独占禁止法第10条第14項又は同項を準用する各規定に基づき,認定確約計画の認定の取消しの決定の日から起算して1年以内にする必要があることとなる。

11 確約計画の認定に関する公表

 確約計画の認定をした後,公正取引委員会は,具体的にどのような行為が公正かつ自由な競争に悪影響を与える可能性があるのかを明らかにし,確約手続に係る法運用の透明性及び事業者の予見可能性を確保する観点から,認定確約計画の概要,当該認定に係る違反被疑行為の概要その他必要な事項を公表する。また,公表に当たっては,独占禁止法の規定に違反することを認定したものではないことを付記する。
 なお,公正取引委員会が確約認定申請を却下した場合若しくは認定確約計画の認定を取り消した場合又は申請者が確約認定申請を取り下げた場合については,その後,確約手続通知を行う前の調査を再開することとなるため,原則として,いずれも公表しない。

12 確約手続移行前の手続との関係等

(1) 確約手続移行後における独占禁止法第47条の規定に基づく調査権限の行使

 公正取引委員会が,確約手続に付すことが適当であると判断し,確約手続通知を行った後,独占禁止法第47条の規定に基づく調査権限の行使,任意の供述聴取といった法的措置を採る上で必要となる事実の認定をするための調査を行うことは,法律上妨げられるものではないが,確約手続を円滑に進める観点から,確約認定申請に係る処分がされるまでの間に,被通知事業者に対し,当該被通知事業者に対する法的措置を採る上で必要となる事実の認定をするための調査は,原則として行わない。
 しかし,例えば,確約手続通知後,確約計画の認定に当たって,[1]公正取引委員会が確約計画の却下事由に該当する心証を得ており,申請者から十分な疎明資料等が提出される見込みがない場合,[2]申請者の取引先等に対して事実関係の確認や意見聴取等を行うに当たり,当該取引先等から任意の調査に対する協力が得られない場合などについては,確約認定申請に係る処分がされるまでの間であっても,法的措置を採る上で必要となる事実の認定をするための調査を行うこともあり得る。

(2) 確約手続移行後における意見聴取の通知

 公正取引委員会が,確約手続通知を行った後,確約認定申請に係る処分がされるまでの間に,被通知事業者に対して意見聴取の通知を行うことは,法律上妨げられるものではないが,原則として行わない。

(3) 確約手続において事業者から提出された資料の取扱い

 公正取引委員会は,前記(1)記載のとおり,確約認定申請に係る処分がされるまでの間に,被通知事業者に対して法的措置を採る上で必要となる事実の認定をするための調査は,原則として行わない。
 しかし,公正取引委員会が確約認定申請を却下した場合若しくは確約計画の認定を取り消した場合又は申請者が確約認定申請を取り下げた場合に,申請に当たって申請者から提出された資料が証拠として一切使用できないとすれば,法的措置を採る上で必要となる事実の認定に支障が生じるおそれがある。このため,この場合には,申請者から提出された資料を返却することはせず,かつ,法的措置を採る上で必要となる事実の認定を行うための証拠として使用することもあり得る。

以上

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