合併の届出制度(独占禁止法第15条第2項)

条文

1 合併の届出要件

 合併をしようとする会社のうち,いずれか1社に係る国内売上高の合計額(以下「国内売上高合計額(注1)」といいます。)が200億円を超え,かつ,他のいずれか1社に係る国内売上高合計額が50億円を超える場合(注2)に事前の届出が必要となります。

 (注1) 「国内売上高合計額」とは,会社の属する企業結合集団(注3)に属する会社等の国内売上高をそれぞれ合計したものをいいます。なお,届出会社の国内売上高が存在しない場合であっても,要件を満たし,届出が必要となる場合があります。

 (注2) 合併当事会社が3社以上ある場合であって,当事会社の中に「国内売上高合計額200億円超の会社」が最低1社と「国内売上高合計額50億円超の会社」が最低1社ある場合は,他の会社が国内売上高合計額50億円以下の会社であっても,合併当事会社全社による届出が必要となります。

 (注3) 「企業結合集団」とは,会社及び当該会社の子会社(注4)並びに当該会社の最終親会社(親会社(注5)であって他の会社の子会社でないものをいいます。)及び当該最終親会社の子会社(当該会社及び当該会社の子会社を除きます。)から成る集団をいいます。ただし,当該会社に親会社がない場合には,当該会社が最終親会社となりますので,当該会社とその子会社から成る集団が企業結合集団となります。

 (注4) 「子会社」とは,会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等をいいます。

 (注5) 「親会社」とは,会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社をいいます。

2 同一の企業結合集団に属する会社間の合併

 全ての合併会社が同一の企業結合集団に属する場合は届出が不要です。

3 届出に必要な書類

(1)合併に関する計画届出書

(2) 添付書類(昭和28年公正取引委員会規則第1号第5条第3項に掲げる書類)
ア 届出会社(合併当事会社の全てをいう。以下同じ。)の定款(注1)
イ 合併契約書の写し
ウ 届出会社の最近一事業年度の事業報告,貸借対照表及び損益計算書
エ 届出会社の総株主の議決権の100分の1を超えて保有するものの名簿(注2)
オ 届出会社において当該合併に関し株主総会の決議又は総社員の同意があった時は,その決議又は同意の記録の写し
カ 届出会社の属する企業結合集団の最終親会社により作成された有価証券報告書その他当該届出会社が属する企業結合集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なもの
 以上,届出書とア~カの添付書類を黄色のA4判紙ファイルにつづって提出してください。(穴を開けてつづるタイプのファイルの場合,届出書や添付書類は穴を開けてつづっていただいて結構です。)

 (注1) 原始定款から変更がない場合は原本のコピー,変更がある場合は現行の定款に代表者が原本証明をしたもの

 (注2) 株主名簿は,株式所有割合の高い順に,株主名,各株主の住所,所有株主数及び議決権保有割合を記載したもの

4 記載要領について

 合併に関する計画届出書の提出に当たっては,以下の記載要領を参考にしてください。

届出書提出の要否,添付書類等についてのよくある質問はこちらから

届出後の手続(独占禁止法第15条第3項)

1 合併の禁止期間及び同期間の短縮

 株式取得等と同様,会社は,合併の届出受理の日から30日を経過するまでは,合併をしてはならないことになっています。
 一方,株式取得等と同様,公正取引委員会は,その必要があると認める場合には,30日間の合併の禁止期間を短縮することができることになっています。
 合併当事会社から合併禁止期間の短縮の申出があった場合,公正取引委員会は以下の2つの要件を満たすときは,合併禁止期間を短縮することとしています。
(1)当該事案が独占禁止法上問題がないことが明らかな場合
(2)合併禁止期間を短縮することについて届出会社が書面で申し出た場合

2 審査期間

 届出受理後,合併の禁止期間内に,審査に必要な報告,情報又は資料の提出を求めた場合には,届出受理後120日を経過した日と公正取引委員会が提出を要請した追加報告等を受理した日から90日を経過した日のいずれか遅い日までの期間に排除措置命令を行わない旨の通知をするか,排除措置命令前の通知(事前通知)をすることとなります。

3 問題解消措置不履行の場合の手続

 合併に関する計画の届出に当たり,当事会社が独占禁止法上の問題点を解消する等の措置を期限内に履行しないときは,その期限の日から1年間は,公正取引委員会は排除措置命令の手続を開始できることとされています。

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