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4 プラットフォーム運営事業者による自己の競争者との取引制限

 プラットフォーム運営事業者が,自らのプラットフォームを利用するソフトウェアのメーカーに対し,特定のソフトウェアの開発費用を一部負担すること等の見返りとして,当該ソフトウェアを一定期間自らのプラットフォームのみを通じて配信するよう義務付けることについて,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X社(プラットフォーム運営事業者)

2 相談の要旨

(1)X社は,ユーザーが情報通信端末を用いて娯楽目的で利用するソフトウェアを配信するインターネット上のプラットフォームを運営する事業者である。

(2)プラットフォームには,据置型の情報通信端末α向けのタイプAと,携帯型の情報通信端末β向けのタイプBの2種類が存在し,それぞれのタイプに対応して,プラットフォームを運営している事業者が複数存在する。

(3)X社は,タイプAについては自社のプラットフォームaを,タイプBについては自社のプラットフォームbをそれぞれ運営している。

(4)ユーザーは,用いる情報通信端末の種類(α又はβ)に対応したタイプ(A又はB)のプラットフォームを通じて配信されるソフトウェアを利用しているところ,タイプAのプラットフォームを運営する事業者は他のタイプAのプラットフォームを運営する事業者との間で,ソフトウェアの確保及びユーザーの獲得の双方について競争関係にある。ただし,タイプAのプラットフォームを通じて配信されるソフトウェアのうち,X社のプラットフォームaを通じて配信されるソフトウェアの割合及び当該プラットフォームaを利用するユーザーの割合は不明である。

(5)ソフトウェアのメーカーは,プラットフォームを通じて自らのソフトウェアをユーザーに配信する場合,プラットフォーム利用料として,当該プラットフォームを通じて自社のソフトウェアをユーザーに配信して得た売上額の一定割合を,当該プラットフォーム運営事業者に支払っている。

(6)あるプラットフォームで配信されるソフトウェアを他のタイプのプラットフォームで配信する場合には,プラットフォームのタイプごと(A又はB)の仕様に合わせて改変する必要があり,ソフトウェアのメーカーが複数のタイプのプラットフォームでソフトウェアを配信する場合には,改変のための開発費用が必要となる。このため,ソフトウェアのメーカーは,通常,自らのソフトウェアを単一のタイプのプラットフォーム(例えばX社であればプラットフォームb)においてのみ配信し,多数のユーザーから一定の評価を得られた場合に限って他のタイプのプラットフォーム(例えばX社であればプラットフォームa)においても配信することを検討している状況にある。
 なお,通常,一旦多数のユーザーから一定の評価が得られたソフトウェア(人気ソフトウェア)は,数年間にわたって需要が継続する。

(7)X社は,既にプラットフォームのタイプBを通じて配信されている人気ソフトウェアを,自らのプラットフォームa(タイプA)を通じて配信させたいと考えているが,タイプAのプラットフォームを通じて配信されるソフトウェアの市場規模はタイプBのプラットフォームを通じて配信されるソフトウェアの市場規模と比べて小さいため,ソフトウェアのメーカーは,開発費用の回収に係るリスク等を踏まえ,タイプAのプラットフォームを通じてソフトウェアを配信することを躊躇する傾向にある。

(8)そこで,X社は,ソフトウェアのメーカーであるP社との間で,特定の人気ソフトウェアについて,次の取引条件(以下「本件取引条件」という。)を設定することを検討している。
  ア x社は,P社に対し,開発費用の一部負担,販売促進活動の実施又はプラットフォーム利用料の減額を実施する。
  イ P社は,数か月間,タイプAのプラットフォームにおいてはX社のプラットフォームaのみを通じて配信する。
  ウ P社は,本件取引条件に基づかなくても,当該特定の人気ソフトウェアについてX社のプラットフォームaを通じて配信することが可能であり,この場合,X社以外のプラットフォームを通じて配信することは制限されない。
 なお,P社以外にも多数のソフトウェアメーカーが存在し,かつ,様々な人気ソフトウェアを配信している複数のソフトウェアメーカーが存在するところ,他のプラットフォーム運営事業者は当該ソフトウェアメーカーとソフトウェア(人気ソフトウェアを含む)について取引することが可能である。
 このようなX社の取組は,独占禁止法上問題ないか。
 

  • 本件の概要図

平成29年度相談事例集事例4概要図

 

3 独占禁止法上の考え方

(1)市場における有力な事業者(注1)が,取引先事業者に対し,自己又は自己と密接な関係にある事業者の競争者と取引しないよう拘束する条件を付けて取引する行為,取引先事業者に自己又は自己と密接な関係にある事業者の競争者との取引を拒絶させる行為,取引先事業者に対し自己又は自己と密接な関係にある事業者の商品と競争関係にある商品の取扱いを制限するよう拘束する条件を付けて取引する行為を行うことにより,市場閉鎖効果が生じる場合(注2)には,当該行為は不公正な取引方法に該当し,違法となる(一般指定2項〔その他の取引拒絶〕,11項〔排他条件付取引〕又は12項〔拘束条件付取引〕)(独占禁止法第19条)(流通・取引慣行ガイドライン第1部第2-2(1)イ)。
(注1)「市場における有力な事業者」と認められるかどうかについては,当該市場における市場シェアが20パーセントを超えることが一応の目安となる(流通・取引慣行ガイドライン第1部-3(4))。
(注2)「市場閉鎖効果が生じる場合」とは,非価格制限行為により,新規参入者や既存の競争者にとって,代替的な取引先を容易に確保することができなくなり,事業活動に要する費用が引き上げられる,新規参入や新商品開発等の意欲が損なわれるといった,新規参入者や既存の競争者が排除される又はこれらの取引機会が減少するような状態をもたらすおそれが生じる場合をいう(流通・取引慣行ガイドライン第1部-3(2)ア)。

(2)本件は,プラットフォームの運営事業者であるX社が,ソフトウェアのメーカーであるP社に対して,開発費用の一部負担等の見返りとして,特定の人気ソフトウェアについて自らの運営するプラットフォームへの独占配信義務を一定期間課すものであるところ,タイプAのプラットフォーム市場におけるX社の市場シェアが不明であるが,
 ① P社は,本件取引条件に基づかなくても,特定の人気ソフトウェアについてX社のプラットフォームaを通じて配信することが可能であり,この場合,X社以外のプラットフォームを通じて配信することは制限されないこと
 ② P社がX社のプラットフォームaのみを通じて配信する対象となるソフトウェアは,P社が配信する特定のソフトウェア(人気ソフトウェア)に限定されており,P社が配信する全てのソフトウェアではなく,その一部にとどまること
 ③ 通常,人気ソフトウェアは数年間にわたり需要が継続するところ,P社がX社のプラットフォームaのみを通じて配信する期間は数か月間に限定されていること
 ④ P社以外にも多数のソフトウェアメーカーが存在し,かつ,様々な人気ソフトウェアを配信している複数のソフトウェアメーカーが存在するところ,他のプラットフォーム運営事業者は当該ソフトウェアメーカーとソフトウェア(人気ソフトウェアを含む)について取引することが可能なこと
から,タイプAのプラットフォーム市場において市場閉鎖効果が生じるおそれは小さく,独占禁止法上問題となるものではない。
 

4 回答の要旨

 X社が,自らのプラットフォームを通じてソフトウェアを配信するP社に対し,特定の人気ソフトウェアについて,開発費用の一部負担等の見返りとして,当該ソフトウェアを一定期間自らのプラットフォームaのみにおいて配信するよう義務付けることは,独占禁止法上問題となるものではない。
 

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