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7 電子部品メーカーによるライセンス条件の設定

 電子部品メーカーが,電子部品の製造特許等のライセンスを行うに当たって,ライセンスの相手方との交渉を踏まえて,競合品の製造を禁止すること又は競合品の製造に係るライセンス料率を高額にすることについて,独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例

1 相談者

 X社(電子部品メーカー)

2 相談の要旨

(1)X社は,電子部品Aのメーカーである。

(2)電子部品Aは,複数の用途に用いられているところ,用途により求められる仕様が異なり,おおむね仕様によって電子部品A1,A2及びA3の3種類に分類される。

(3)X社は,電子部品Aのうち,電子部品A1を製造しているが,X社のほかに電子部品A1を製造しているメーカーは存在しない。電子部品A2及びA3については,X社は製造していないものの,ほかに製造している電子部品メーカーが存在する。

(4)X社は,電子部品A1及びA2の双方の製造を可能とする製造技術に関する複数の特許・ノウハウ(以下「製造特許等」という。)を保有している。電子部品A1の製造については,X社のほかに製造技術を有する者は存在しないが,電子部品A2及びA3の製造については,X社のほかに製造技術を有する者が存在する。

(5)X社は,収益の拡大を図るため,製造特許等を一つのパッケージとして取りまとめた上で,電子部品Aのメーカーにライセンスしたいと考えているが,X社の製造特許等のライセンスを受けたライセンシーは,X社が製造していない電子部品A2のみならず,X社が製造している電子部品A1についても製造することができるようになるため,電子部品A1についてX社と競合する可能性がある。

(6)そこで,X社は,製造特許等を電子部品Aのメーカーにライセンスするに当たって,電子部品A1についてライセンシーと競合することをできる限り避けるため,ライセンスの相手方との交渉を踏まえて,以下のとおり,ライセンスの条件を設定することを検討している。
 ア ライセンシーが製造特許等に基づきX社と競合する電子部品A1(以下「競合電子部品A1」という。)を製造しないことを条件(製造制限条項)として製造特許等のライセンスを行う。
 イ ライセンスの相手方が競合電子部品A1の製造制限条項を受け入れない場合には,ライセンシーによる競合電子部品A1の製造を認めるが,その代わりに,製造を認めない場合と比べて高額なライセンス料率を設定する。
 このようなX社の取組(以下「本件取組」という。)は,独占禁止法上問題ないか。

  • 本件の概要図

平成30年度相談事例集事例7概要図

3 独占禁止法上の考え方

(1)ア 独占禁止法の規定は,著作権法,特許法,実用新案法,意匠法又は商標法による権利の行使と認められる行為にはこれを適用しない(同法第21条)。他方,そもそも権利の行使とはみられない行為や,外形上,権利の行使とみられる行為であっても行為の目的,態様,競争に与える影響の大きさも勘案した上で,知的財産制度の趣旨を逸脱し又は同制度の目的に反すると認められる場合には,独占禁止法が適用される(知的財産ガイドライン第2-1〔独占禁止法と知的財産法〕)。
 ある技術に権利を有する者が,他の事業者に対して,全面的な利用ではなく,当該技術を利用する範囲を限定してライセンスをする行為は,前記第2-1に述べたとおり,外形上,権利の行使とみられるが,実質的に権利の行使と評価できない場合がある。したがって,これらの行為については,前記第2-1の考え方に従い権利の行使と認められるか否かについて検討し,権利の行使と認められない場合には,不公正な取引方法の観点から問題となる(知的財産ガイドライン第4-3〔技術の利用範囲を制限する行為〕)。
 また,ライセンサーがライセンシーに対し,当該技術を利用して事業活動を行うことができる分野(特定の商品の製造等)を制限することは,原則として不公正な取引方法に該当しない(知的財産ガイドライン第4-3(1)ウ〔技術の利用分野の制限〕)。 
 イ 事業者が不当に,ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利な取扱いをすることは,不公正な取引方法(一般指定第4項〔取引条件等の差別取扱い〕)に該当し,独占禁止法上問題となる(同法第19条)。

(2)本件取組は,X社が,製造特許等のライセンスに当たって,ライセンスの相手方との交渉を踏まえて,ライセンシーによる事業活動を制限する条件を課したり,ライセンス料率を高額に設定するものであるところ,
 [1] ライセンシーによる競合電子部品A1の製造を禁止することは,外形上,権利の行使とみられる行為に該当し,かつ,事実上,ライセンサーがライセンスする製造特許等の範囲を指定しているに過ぎず,ライセンサーがライセンシーに対し,ライセンスする技術を利用して事業活動を行うことができる分野(特定の商品の製造等)を制限する行為に該当すること
 [2] ライセンシーによる競合電子部品A1の製造を認める代わりにライセンス料率を高額に設定することは,外形上,権利の行使とみられる行為に該当し,かつ,ライセンシーが合意できる範囲で設定することを前提とすれば,ライセンシーの事業活動を不当に制限するとまでは考えられないこと
から,実質的に権利の行使と評価できるものであり,独占禁止法上問題となるものではない。
 なお,ライセンスする相手方によって,製造が禁止される電子部品A1の範囲やライセンス料率の差が不当に差別的である場合は,取引条件等の差別取扱いとして,独占禁止法上問題となるおそれがある。

4 回答の要旨

 X社が,電子部品Aの製造特許等のライセンスを行うに当たって,ライセンスの相手方との交渉を踏まえて,競合電子部品A1の製造を禁止すること又は競合電子部品A1の製造に係るライセンス料率を高額にすることは,独占禁止法上問題となるものではない。

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